この記事では、将棋のタイトル戦の仕組みやルールについて解説していきます。
目次
8大タイトル戦って?竜王、名人、叡王、王位、王座、棋王、王将、棋聖の序列や違いは?
タイトル戦は全部で8種類!
将棋には、「竜王戦」「名人戦」「叡王戦」「王位戦」「王座戦」「棋王戦」「王将戦」「棋聖戦」の計8つのタイトル戦があります。これらのタイトル戦で勝つことは非常に難しく、プロ棋士にとっても名誉なこととされています。
タイトル戦の違いは?主催者、スポンサーが異なる
それぞれのタイトル戦の違いは、主催者の違いになります。将棋のプロ棋士は「日本将棋連盟」の所属になりますが、その日本将棋連盟の主な収入源は新聞社などとの契約料となります。多くの新聞には将棋欄があり、そこにプロ棋士の対局を掲載するために日本将棋連盟のスポンサーとなっているのです。
将棋のタイトル戦は、簡単に言うと新聞社などがスポンサーとして主催する将棋大会ということになります。そして新聞社ごとにそれぞれ大会を主催することになり、それが8種類あるため8大タイトル戦となるわけです。なお、最近ではニコニコ動画などの動画配信サイトも将棋を配信するメディアとして広まっているため、そういったウェブ関係の企業もタイトル戦のスポンサーになっています。
タイトル戦 | 主なスポンサー |
---|---|
竜王戦 | 読売新聞社 |
名人戦 | 朝日新聞社、毎日新聞社 |
叡王戦 | ドワンゴ |
王位戦 | 新聞三社連合 |
王座戦 | 日本経済新聞 |
棋王戦 | 共同通信社 |
王将戦 | スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社 |
棋聖戦 | 産業経済新聞社 |
ちなみにタイトル戦以外にもHNK杯などの一般棋戦もあります。これらは契約料の違いなどから区別されていると考えられます。
タイトル戦の序列は?契約金で格付けされている
タイトル戦には序列があり、竜王が一番格の高いタイトルとされています。これらの序列はスポンサーとの契約金で決まっていて、下のような序列になっています。
- 竜王
- 名人
- 叡王
- 王位
- 王座
- 棋王
- 王将
- 棋聖
特に、序列の上位2タイトルである「竜王戦」と「名人戦」は、タイトル戦の中でも別格に扱われています。
タイトル戦のうち、「叡王戦」は2017年に始まった比較的新しいタイトル戦です。叡王戦が始まる以前は7大タイトルだったわけです。
プロ棋士の羽生善治先生は、1996年に当時7つあったタイトル戦をすべて勝ち、七冠独占を達成しました。ただ、タイトルが8つに増えて以降、8冠王となった棋士はまだいません。
タイトル戦の基本の仕組み
8つのタイトルにそれぞれタイトルホルダーが!
将棋の8つのタイトルには、それぞれタイトルホルダーがいます。竜王保持者、名人保持者…といった具合にそれぞれのタイトルを持つ棋士がいるのです。
タイトル保持者は、タイトル名を名乗ることに
タイトル保持者は、そのタイトルを名乗ることになります。たとえば「山田太郎」という棋士が「竜王」のタイトルを保持していた場合は、「山田竜王」と名乗ることになるのです。
毎年1回ずつタイトル戦が行われる!保持者vs挑戦者の五番勝負or七番勝負
毎年1度、それぞれ8つタイトル戦が行われます。ここで現役のタイトルホルダーと挑戦者が対局し、勝った方が次のタイトルホルダーとなります。
タイトル戦は、基本的には五番勝負もしくは七番勝負となり、タイトルごとに細かいルールが異なります。
挑戦者は、すべてのプロ棋士が参加する予選で決められる
タイトル挑戦者を決める予選は、すべての棋士が参加することになります。予選の方式はトーナメントやリーグ戦など、タイトルによって異なりますが、すべての棋士の中で勝ち抜かないとタイトル挑戦者にすらなれないわけですから、非常に厳しい戦いになります。
複数回タイトル保持者になると、「永世称号」を獲得
どのタイトルも、複数回保持者になると「永世称号」を獲得できます。例えば、竜王戦なら連続で5期もしくは通算で7期獲得すれば「永世竜王」の称号を与えられます。
プロ棋士の羽生善治先生は、2017年に当時7つのすべてのタイトルで永世称号を獲得し、永世七冠となっています。この功績を称え、棋士として初めて国民栄誉賞を獲得しました。
タイトル戦の持ち時間やルール、賞金の比較
タイトル戦の持ち時間などのルールはそれぞれ異なり、下記のようになっています。持ち時間が長い将棋は「二日制」となっていて、1局の将棋をに二日かけて指すことになります。
タイトル戦 | 持ち時間 | 日数 | 賞金 | 永世称号 | 永世称号の条件 |
---|---|---|---|---|---|
竜王 | 8時間 | 2日制 | 4400万円 | 永世竜王 | 連測5期or通算7期 |
名人 | 9時間 | 2日制 | 非公表 | 永世名人 | 通算5期 |
叡王 | 1,3,5,6時間から選択 | 1日制 | 非公表 | 未公表 | 未定 |
王位 | 8時間 | 2日制 | 非公表 | 永世王位 | 連続5期or通算10期 |
王座 | 5時間 | 1日制 | 非公表 | 名誉王座 | 連続5期or通算10期 |
棋王 | 4時間 | 1日制 | 非公表 | 永世棋王 | 連続5期 |
王将 | 8時間 | 2日制 | 非公表 | 永世王将 | 通算10期 |
棋聖 | 4時間 | 1日制 | 非公表 | 永世棋聖 | 通算5期 |
それぞれのタイトル戦での詳細なルールは、下記の記事で解説しています。
竜王戦のルールと仕組み 名人戦のルールと仕組み 叡王戦のルールと仕組み 王位戦のルールと仕組み 王座戦のルールと仕組み 棋王戦のルールと仕組み 王将戦のルールと仕組み 棋聖戦のルールと仕組み