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竜王戦とは?ルールと仕組み

投稿日: 02/10/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
将棋に竜王戦ってありますよね!?あれって名人戦と何が違うんでしょうか?
香介
竜王戦は将棋の2大タイトルの一つなんだよ!今回の記事では竜王戦の仕組みや歴代の竜王について解説しよう!

今回は、プロの将棋の中でも最も大きなタイトル戦の一つ、竜王戦について解説していきます。これを読めばプロの将棋の感染がもっと楽しくなりますよ。

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竜王戦は名人戦にならぶ2大タイトル!

1950年からの歴史あるタイトル戦

竜王戦は、1987年から続いているタイトル戦です。毎年行われている竜王戦で勝ち抜いた棋士は「竜王」の称号を名乗ることができるようになります。

竜王戦には前身となる「十段戦」というタイトルは1962年から、さらにその十段戦の前身の「九段戦」は1950年から始まっています。プロの将棋にはいくつかタイトル戦がありますが、竜王戦は名人戦に続いて2番目に歴史のあるタイトルになります。

歩美
竜王って名人と同じくらいすごいんですね!

破格の賞金額!数千万円にも!?

竜王戦の特徴と言えばその賞金額の高さにあります。第1回の竜王戦では、賞金は2600万円、さらに第2期では3000万円になっています。現在ではさらに賞金額は増えていて、名人戦よりも高い賞金がもらえます。

こうした賞金額の高さからも、竜王戦がほかのタイトル戦とは格が違うことがわかると思います。とくに竜王戦と名人戦はプロの将棋の2大タイトルと言えます。

香介
名人と竜王はプロ棋士のトップの2人ってことなんだね!

新人やアマチュアでも挑戦できる竜王戦ドリーム

竜王戦のもう一つの特徴は、新人棋士やアマチュア、女流棋士も参加できるということです。これは名人戦と大きく違うポイントで、名人への挑戦権を得るためにはは何年もかけて順位戦を勝ち上がり、最高クラスのA級で最優秀成績をおさめる必要があります。

竜王戦は新人にもタイトルと賞金の獲得チャンスがあることから、「竜王戦ドリーム」という言葉も生まれました。

 

竜王戦の仕組みって?

計6クラスの予選を勝ち抜いた棋士で本選トーナメント

竜王戦は、予選を勝ち抜いた11名での変則トーナメントで行われます。予選は1組から6組の計6クラスで行われ、新人棋士や、アマチュア代表、女流棋士などが6組で戦うことになります。

本選でのトーナメントは以下の図のようになります。予選で優秀な成績を修めれば、本選での対局数が少なる仕組みです。

竜王戦本選

竜王戦本選

香介
6組からの出場者は6連勝しないとタイトル挑戦できないんだ。

各クラスでの予選トーナメント、竜王ランキング戦は?

竜王戦の予選は「竜王ランキング戦」と呼ばれています。

各クラスでの予選もトーナメント形式で行われます。1組からは上位5名、2組からは2名、3、4、5、6組からは各1名の計11名が本選出場となります。また本選出場とならなくても優秀な成績を修めれば、来期の竜王ランキング戦で上位のクラスで出場することができます。逆に成績が悪いと来期は下のクラスに降級してしまいます。

竜王ランキング戦まとめ

竜王ランキング戦を表にまとめます。

クラス 定員 本選出場 昇級条件 降級条件 備考
1組 16人 5人 - 下位4人 -
2組 16人 2人 上位4人 下位4人 -
3組 16人 1人 上位4人 下位4人 -
4組 32人 1人 上位4人 下位4人 -
5組 32人 1人 上位4人 下位4人 -
6組 なし 1人 上位4人 - 女流枠4人、アマチュア枠5人、奨励会枠1人

永世竜王になるには?

竜王位を連続5期、もしくは通算7期以上保持すると「永世竜王」の称号を獲得することができます。

 

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竜王戦のルール

竜王と挑戦者の7番勝負!

見事竜王戦の本選トーナメントを勝ち抜いた棋士には、竜王位への挑戦権が与えられます。竜王と挑戦者は7番勝負を行い、先に4勝したほうが新しい竜王となります。

持ち時間はなんど8時間!2日にわたる対局

竜王戦の持ち時間は8時間にもなり、1局を2日かけて行います。そのため1日目の終わりには封じ手を行います。

封じ手とは1日目の最後の1手を実際には指さずに、紙に指し手を書いて封筒に入れ記録係に渡すというシステムです。これは1日目と2日目の間の対局中断中に、手番となる対局者が次の手を考えてしまうことで有利にならないようにしています。

歩美
封じ手なんてシステムがあるんですね!こんなことされたら封筒の中身が気になりすぎて夜寝れなくなりそうですね!!

 

歴代の竜王は?有名な棋士まとめ

渡辺明

竜王と言えばこの棋士を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

渡辺明は2004年になんと20歳で竜王になったトップ棋士です。当時4組から挑戦し竜王を奪取した様子はまさに竜王戦ドリームでしょう。渡辺明は初めて竜王になってから連続でタイトル防衛をし、初代永世竜王の称号も取得してしまいます。永世竜王になった後もさらに連覇を続け、9連覇の偉業を達成します。

羽生善治

羽生善治は、史上2人目の永世竜王となった棋士です。竜王に限らずあらゆるタイトル戦でトップクラスの成績を残している棋士で、将棋と言えば羽生というイメージの方も多いと思います。そんな羽生善治が初めてとったタイトルは実は竜王で、1989年に初タイトルを獲得しました。

藤井猛

藤井猛は、羽生と同世代の棋士で「藤井システム」というオリジナルの戦法を発明したことで有名です。その藤井システムをひっさげ、当時竜王ランキング戦4組だった藤井猛は圧倒的な強さで竜王位を獲得しました。その後2度の防衛に成功しています。

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まとめ

香介
今回は竜王戦の仕組みについて解説したよ!
歩美
竜王戦って新人でも獲得チャンスのあって夢のあるタイトルだったんですね!

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  1. まるやま より:

    はじめまして。
    タイトル戦の仕組みなどに興味を持ち始めました。

    竜王戦の特に1組のランキング戦(トーナメント)があまりにも不可解で、ご質問させてください。

    1組ランキングトーナメントで「ベスト4」まで勝ち上がっても、三位決定戦に負けたら、四位にもならない、ましてや五位にすら入れないってことですよね?

    トーナメントでベスト4なのに!です。

    どうしてこんなに不可解で不明瞭な方式が採用されたのですか?

    ベスト4で一度敗戦し、三位決定戦でも敗戦しているから、「負け数」が実際に本戦に出られる「四位」「五位」よりも多い、ということは認識できます。
    ですが、トーナメントで「ベスト4」にいるのに、五位以下の扱いを受ける仕組みが不可解です。

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