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王座戦とは?ルールと仕組み

投稿日: 08/12/2020 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美

将棋のタイトルって色々ありますよね。王座戦ってどんなタイトル戦なんですか?

香介

王座戦は日本経済新聞社が主催するタイトル戦だよ!2023年には藤井聡太さんが八冠を達成した舞台としても有名なんだ。今回は王座戦の仕組みやルール、歴代の王座について解説するよ!

今回の記事では、王座戦のルールや仕組みについて解説していきます。

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王座戦とは? ― 日本経済新聞社主催のタイトル戦

現在の王座は伊藤匠(2026年4月時点)

2026年4月現在、王座のタイトルを保持しているのは伊藤匠王座です。日本将棋連盟の公式サイトによると、伊藤匠王座は第73期(2025年)に藤井聡太から王座を奪取しています。

歩美

伊藤匠さんが現在の王座なんですね!王座戦にはどんな歴史があるんですか?

日本経済新聞社が主催する伝統あるタイトル戦

王座戦は、日本経済新聞社が主催する将棋のタイトル戦です。1953年に一般棋戦として始まった歴史ある棋戦で、1983年の第31期からタイトル戦に格上げされています。

全棋士と女流棋士4名で行われます。一次予選、二次予選のトーナメント戦を行い、二次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の16名によって、挑戦者決定トーナメントを行い、挑戦者を決めます。例年9月から10月にかけて王座と挑戦者が五番勝負を行います。

出典:日本将棋連盟「王座戦」

歩美

1953年からの歴史があるんですね!途中からタイトル戦になったんだ!

8大タイトルの一つ!優勝した棋士は「王座」に

王座戦で優勝した棋士は「王座」のタイトルを名乗ることとなり、1年間の「王座」を名乗ることになります。1年後には次のタイトル挑戦者が決まり、王座の保持者とタイトル挑戦者が戦い、勝った方が新しい「王座」となります。

香介

1年に一度、王座の保持者と挑戦者が戦うことになるんだ!勝った方がその後1年間は新しい王座になる!

王座戦の賞金は公表されていない

王座戦で優勝して新しい「王座」になった棋士には賞金が与えられますが、賞金額は公表されていません。他のタイトル戦の賞金額などから推定すると、数百万〜1千万円程度ではないかと考えられます。

 

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王座戦の仕組み ― 一次予選から五番勝負まで

全棋士+女流棋士4名が参加!一次予選・二次予選・挑戦者決定トーナメントを実施

王座戦の全体の流れを図にまとめると、以下のようになります。

王座戦の全体の流れ(一次予選→二次予選→挑戦者決定トーナメント→五番勝負)

全棋士と女流棋士4名で行われます。一次予選、二次予選のトーナメント戦を行い、二次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の16名によって、挑戦者決定トーナメントを行い、挑戦者を決めます。

出典:日本将棋連盟「王座戦」

王座戦の参加資格は、全ての棋士に加えて女流棋士4名となります。参加者は、一次予選・二次予選・挑戦者決定トーナメントを行い、勝ち上がった1名が王座保持者と次の王座の称号をかけて戦うことになります。

POINT

  • 全棋士+女流棋士4名が参加
  • 一次予選・二次予選・挑戦者決定トーナメント
  • 勝ち上がった1名が王座に挑戦
香介

B級、C級というのは棋士の順位のことだよ!順位については以下の記事を参考にしてみてね!

一次予選は、持ち時間5時間!6名が勝ち上がり

一次予選は、持ち時間各5時間のトーナメント戦となります。第67期以降はチェスクロックで時間を計るルールになっています。

B級2組以上の棋士はシードで二次予選からの出場となるため、一次予選はC級1組以下の棋士と女流棋士4名でのトーナメントとなります。

二次予選は、持ち時間5時間!約10名が勝ち上がり

二次予選は、一次予選の勝ち上がり6名と、シード者を持ち時間各5時間のトーナメントで行います。二次予選のシードの条件は、以下になります。

二次予選シード条件

  • 順位戦B級2組以上の棋士
  • 前期挑戦者決定トーナメント出場者
  • 全棋士参加棋戦の優勝者
  • 過去1年のタイトル保持者or挑戦者
  • 前期一次予選突破者で、二次予選1回以上勝利者

勝ち上がり人数は、挑戦者決定トーナメント出場者が計16名になるよう調整されます。挑戦者決定トーナメントのシード者の人数によって異なりますが、例年10名前後となります。

挑戦者決定トーナメントは、持ち時間5時間!勝ち上がった1名が挑戦者に!

挑戦者決定トーナメントは、二次予選を勝ち上がった棋士と、シード者を持ち時間各5時間のトーナメントで行います。挑戦者決定トーナメントのシード条件は以下となります。

挑戦者決定トーナメントシード条件

  • 前期ベスト4
  • タイトル保持者

勝ち上がった1名が、王座への挑戦権を得ることになります。

 

王座戦のルール ― 五番勝負のタイトル戦

POINT

  • タイトル戦は五番勝負
  • 持ち時間は各5時間(チェスクロック使用)
  • 連続5期もしくは通算10期で名誉王座

王座保持者と挑戦者の五番勝負!

王座戦の予選を勝ち上がって挑戦者となった棋士は、現在の王座保持者と五番勝負をすることになります。五番勝負となるので、先に3勝した方がタイトル獲得者となるわけです。

例年9月から10月にかけて王座と挑戦者が五番勝負を行います。

出典:日本将棋連盟「王座戦」

持ち時間は5時間!チェスクロック使用

王座戦の持ち時間は各5時間になります。王座戦では、タイトル戦(五番勝負)・挑戦者決定トーナメント・一次予選・二次予選の全てで持ち時間が5時間に統一されています。

タイトル戦・挑戦者決定トーナメント・一次予選・二次予選:5時間(チェスクロック使用)

出典:日本将棋連盟「王座戦」

また、持ち時間の計測はチェスクロック方式となっています。

香介

チェスクロック方式では、持ち時間の計測方法が少し異なるよ!詳しくは以下の記事を参考にしてみてね!

 

名誉王座 ― 連続5期もしくは通算10期で獲得

「永世」ではなく「名誉王座」

他のタイトル戦では永世称号(永世竜王、永世名人など)が設けられていますが、王座戦の場合は「永世」ではなく「名誉王座」という称号になります。連続5期もしくは通算10期以上王座になった棋士は、「名誉王座」の資格を得ることができます。名誉王座の資格を得た棋士は、基本的には引退する際に名誉王座を名乗ることができます。

名誉王座 連続5期もしくは通算10期保持

出典:日本将棋連盟「永世称号についての規定」

歩美

王座戦だけ「永世」じゃなくて「名誉」なんですね!

名誉王座の資格保持者

名誉王座の資格を持つのは以下の2人です。なお、名誉王座の獲得期数には、タイトル戦に格上げされる前の第1期から第30期も含まれます。

  • 中原誠十六世名人 ― 通算6期(第17期〜第22期の連続6期を含む)。1973年の第21期から1978年の第26期にかけて圧倒的な強さを見せました。
  • 羽生善治九段 ― 通算24期(第40期〜第58期の19連覇を含む)。王座戦を圧倒的に支配し、19連覇という全タイトル戦を通じても史上最長の連覇記録を打ち立てました。
香介

羽生善治さんの通算24期・19連覇は本当にすごい記録だよ!全タイトル戦通じて最長の連覇記録なんだ!

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歴代の王座は?有名な棋士まとめ

羽生善治 ― 通算24期・19連覇の圧倒的記録

羽生善治は王座戦で通算24期という驚異的な記録を持つ棋士です。第40期(1992年)に初めて王座を獲得すると、そこから第58期(2010年)まで19連覇を達成。第59期(2011年)に渡辺明に敗れて一度は王座を失いますが、第60期(2012年)から第64期(2016年)まで再び5連覇を果たすなど、王座戦の歴史を語る上で欠かせない存在です(出典)。

藤井聡太 ― 八冠達成の舞台

藤井聡太は2023年(第71期)に永瀬拓矢から王座を奪取し、史上初の八冠独占を達成しました。当時、藤井聡太は竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の7つのタイトルを保持しており、最後の1つであった王座を獲得したことで全八冠を制覇しました。翌第72期(2024年)も防衛に成功しましたが、第73期(2025年)に伊藤匠に敗れ、王座を失いました(出典)。

永瀬拓矢 ― 4期連続王座

永瀬拓矢は第67期(2019年)から第70期(2022年)まで4期連続で王座を保持しました。特に第67期では斎藤慎太郎から3勝0敗で王座を奪取し、初のタイトルを獲得しています(出典)。

中原誠 ― 王座戦の黎明期を支えた名棋士

中原誠は、タイトル戦に格上げされる前の王座戦(一般棋戦時代)で第17期(1969年)から第22期(1974年)まで6連覇を達成。タイトル戦格上げ後も第32期(1984年)から第36期(1988年)にかけて通算6期の王座を獲得し、王座戦の歴史に名を刻みました(出典)。

香介

羽生善治さんの19連覇に加えて、藤井聡太さんの八冠達成の舞台にもなった王座戦。将棋史に残るドラマが生まれるタイトル戦なんだ。

 

歴代王座一覧

王座戦(タイトル戦:1983年〜)の歴代王座を一覧にまとめます。(日本将棋連盟 王座戦ページより)

年度 王座 スコア 対戦相手
第73期 2025 伊藤匠 3-2 藤井聡太
第72期 2024 藤井聡太 3-0 永瀬拓矢
第71期 2023 藤井聡太 3-1 永瀬拓矢
第70期 2022 永瀬拓矢 3-1 豊島将之
第69期 2021 永瀬拓矢 3-1 木村一基
第68期 2020 永瀬拓矢 3-2 久保利明
第67期 2019 永瀬拓矢 3-0 斎藤慎太郎
第66期 2018 斎藤慎太郎 3-2 中村太地
第65期 2017 中村太地 3-1 羽生善治
第64期 2016 羽生善治 3-0 糸谷哲郎
第63期 2015 羽生善治 3-2 佐藤天彦
第62期 2014 羽生善治 3-2 豊島将之
第61期 2013 羽生善治 3-2 中村太地
第60期 2012 羽生善治 3-1 渡辺明
第59期 2011 渡辺明 3-0 羽生善治
第58期 2010 羽生善治 3-0 藤井猛
第57期 2009 羽生善治 3-0 山崎隆之
第56期 2008 羽生善治 3-0 木村一基
第55期 2007 羽生善治 3-0 久保利明
第54期 2006 羽生善治 3-0 佐藤康光
第53期 2005 羽生善治 3-0 佐藤康光
第52期 2004 羽生善治 3-1 森内俊之
第51期 2003 羽生善治 3-2 渡辺明
第50期 2002 羽生善治 3-0 佐藤康光
第49期 2001 羽生善治 3-1 久保利明
第48期 2000 羽生善治 3-2 藤井猛
第47期 1999 羽生善治 3-1 丸山忠久
第46期 1998 羽生善治 3-2 谷川浩司
第45期 1997 羽生善治 3-0 島朗
第44期 1996 羽生善治 3-0 島朗
第43期 1995 羽生善治 3-0 森けい二
第42期 1994 羽生善治 3-0 谷川浩司
第41期 1993 羽生善治 3-1 谷川浩司
第40期 1992 羽生善治 3-0 福崎文吾
第39期 1991 福崎文吾 3-2 谷川浩司
第38期 1990 谷川浩司 3-1 中原誠
第37期 1989 中原誠 3-2 青野照市
第36期 1988 中原誠 3-0 塚田泰明
第35期 1987 塚田泰明 3-2 中原誠
第34期 1986 中原誠 3-0 桐山清澄
第33期 1985 中原誠 3-1 谷川浩司
第32期 1984 中原誠 3-2 森安秀光
第31期 1983 中原誠 2-1 内藤國雄
歩美

羽生善治さんが王座に並んでいる量がすごいですね!

香介

羽生善治さんの通算24期・19連覇は圧倒的だよね。タイトル戦に格上げされた第31期(1983年)以降の全43期のうち、24期が羽生善治さんなんだ。

 

王座戦の基本情報まとめ

正式名称 王座戦
主催 日本経済新聞社(出典
創設 1953年(一般棋戦)/1983年(タイトル戦に格上げ)
賞金 非公表(推定数百万〜1千万円程度)
番勝負 五番勝負(先に3勝で獲得)
持ち時間 各5時間・チェスクロック使用(出典
開催時期 例年9月〜10月(出典
予選方式 一次予選→二次予選→挑戦者決定トーナメント
永世称号 名誉王座(連続5期もしくは通算10期保持 / 出典
名誉王座保持者 中原誠・羽生善治

まとめ

香介

今回は王座戦の仕組みについて解説したよ!羽生善治さんの19連覇・通算24期という圧倒的な記録や、藤井聡太さんの八冠達成の舞台にもなった歴史あるタイトル戦なんだ。

歩美

羽生善治さんの19連覇は本当にすごいですね!2023年の藤井聡太さんの八冠達成も印象的です。他のタイトル戦も気になります!

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