今回の記事では、王位戦のルールや仕組みについて解説していきます。
目次
王位戦って?早指し王位決定戦を前身とするタイトル戦
ブロック紙3社連合主催のタイトル戦
王位戦は、北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社、神戸新聞社、徳島新聞社が主催する棋戦です。もともとは産経新聞社が主催していた早指し王位決定戦が前身で、1960年に北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社が主催に加わり王位戦が始まりました。なお、産経新聞社は1962年に王位戦の主催から抜け、棋聖戦を創立しています。
8大タイトルの一つ、王位戦!勝った棋士は「王位」に
王位戦で勝った棋士は「王位」のタイトルを獲得することとなり、1年間は「王位」を名乗ることになります。1年後には次のタイトル挑戦者が決められ、現役の王位とタイトル挑戦者が戦います。勝った方が新しい「王位」となります。
タイトル戦の七番勝負!全国各地の旅館や料亭で
王位戦では、タイトル保持者と挑戦者が七番勝負を行います。対局は場所は、全国各地の旅館や料亭で、おもに主催している各新聞社の掲載エリアで行います。
王位戦の賞金は公表されていない
王位戦を勝ち抜いて新しい「王位」になった棋士には賞金が与えられますが、賞金額は公表されていません。基本的にタイトル戦の賞金額は公表されていませんが、他の棋戦の優勝賞金などから、1千万円程度ではないかと推測されます。
王位戦の仕組み、参加資格は?
全棋士 + 女流棋士2名が参加!予選トーナメントと挑戦者決定リーグを行う
王位戦の参加資格は、全ての棋士に加えて女流棋士2名となります。参加者は8つの組に分かれて予選トーナメントを行い、それぞれの組から1名ずつが挑戦者決定リーグに進みます。また、前期で挑戦者決定リーグの上位4名になって者は、シードで予選トーナメントが免除されます。
予選勝ち上がりの8名とシードの4名は、紅組と白組に分かれてそれぞれ総当たり戦の挑戦者決定リーグを行います。
紅組と白組の優勝者は挑戦者決定戦を行い、勝った方が王位への挑戦権を得ることができます。
他のタイトル戦と異なる点として、高段者やタイトルホルダーのシードがないことが挙げられます。王位を獲得するためには、強豪の棋士でも下位予選から勝ち上がっていく必要があります。
- 全棋士+女流2名が参加
- 予選トーナメント、挑戦者決定リーグ
- 紅組と白組の優勝者が対局し、勝った方が王位に挑戦
予選トーナメントは、持ち時間4時間8人が勝ち上がり
予選は、持ち時間4時間のトーナメント戦となります。8組のトーナメントに分かれ、それぞれの組の優勝者が挑戦者決定リーグに進みます。
前期で挑戦者決定リーグ進出者12名のうち、上位4名はシードで予選が免除され、下位8名は予選のそれぞれ別の組に振り分けられます。また、前期の予選での決勝戦敗退者の8名も、別の組に振り分けられます。
挑戦者決定リーグは、持ち時間4時間!勝てば挑戦者決定戦へ
予選を勝ち上がった8名と、前期の挑戦者決定リーグ上位者の4名の計12名がそれぞれ6名の紅組と白組のリーグに分かれ、挑戦者決定リーグで戦います。紅組と白組でそれぞれ持ち時間4時間で総当たり戦を行い、優勝者は挑戦者決定戦に進みます。
挑戦者決定戦は1局のみで、勝った方が王位への挑戦権を得ます。
王位戦のルールは?七番勝負のタイトル戦
- タイトル戦は七番勝負
- 変則持ち時間、8時間
王位保持者と挑戦者の七番勝負!
王位戦の予選を勝ち上がって見事挑戦者となった棋士は、現役の王位保持者と七番勝負をすることになります。七番勝負となるので、先に4回勝った方がタイトル獲得となるわけです。
持ち時間は8時間!
王位戦の持ち時間は8時間となります。2日制の将棋となり、1日の終わりに封じ手を行います。
永世王位って?
王位を通算10期、もしくは連続5期獲得した棋士は、永世王位の資格を獲得できます。永世王位の資格を得た棋士は、基本的には現役引退後に永世王位を名乗ることができます。