今回の記事では、王将戦のルールや仕組みについて解説していきます。
目次
王将戦とは? ― ALSOK特別協賛のタイトル戦
現在の王将は藤井聡太(2026年4月時点)
2026年4月現在、王将のタイトルを保持しているのは藤井聡太王将です。日本将棋連盟の公式サイトによると、藤井聡太王将は第75期(2025年)に永瀬拓矢九段の挑戦を4勝3敗で退け、5期連続で王将を防衛しています。
1951年に始まった伝統あるタイトル戦
王将戦は、日本将棋連盟が主催し、ALSOK(綜合警備保障株式会社)が特別協賛する将棋のタイトル戦です。1950年に一般棋戦として創設され、1951年(第1期)からタイトル戦に格上げされました。8大タイトルの中でも長い歴史を誇る棋戦です。
全棋士で行います。一次予選・二次予選をトーナメントで行い、その勝ち上がり者とシード棋士4人でリーグ戦を行います。
8大タイトルの一つ!優勝した棋士は「王将」に
王将戦で勝った棋士は「王将」のタイトルを名乗ることとなり、1年間「王将」を名乗ることになります。1年後には次のタイトル挑戦者が決まり、王将の保持者とタイトル挑戦者が戦い、勝った方が新しい「王将」となります。
王将戦の賞金は公表されていない
王将戦で勝って新しい「王将」になった棋士には賞金が与えられますが、賞金額は公表されていません。報道によると、他のタイトル戦の賞金額などから推定して数百万円程度ではないかと考えられています。
王将戦の仕組み ― 一次予選から七番勝負まで
全棋士が参加!一次予選・二次予選・挑戦者決定リーグを実施
王将戦の全体の流れを図にまとめると、以下のようになります。

全棋士で行います。一次予選・二次予選をトーナメントで行い、その勝ち上がり者とシード棋士4人でリーグ戦を行います。
王将戦の参加資格は、全ての棋士となります。女流枠やアマチュア枠はありません。参加者は、一次予選・二次予選・挑戦者決定リーグを行い、勝ち上がった1名が王将保持者と次の王将の称号をかけて戦うことになります。
- 全棋士が参加(女流・アマチュア枠なし)
- 一次予選・二次予選・挑戦者決定リーグ
- 勝ち上がった1名が王将に挑戦
一次予選は、持ち時間3時間!シード含め18名が勝ち上がり
一次予選は、持ち時間各3時間(チェスクロック使用)のトーナメントとなります。
シード含め18名が二次予選に進む形式で、シード人数によって一次予選の勝ち上がり人数は異なります。
一次予選・二次予選:3時間(チェスクロック使用)
二次予選は、持ち時間3時間!3名が挑戦者決定リーグへ
二次予選は、一次予選の勝ち上がり者とシード者の計18名で持ち時間各3時間(チェスクロック使用)のトーナメントを行います。二次予選のシードの条件は、以下になります。
- 前期挑戦者決定リーグ下位3名
- タイトル保持者
- A級棋士
- 永世称号呼称者
二次予選で勝ち上がった3名は挑戦者決定リーグに進みます。
挑戦者決定リーグは、持ち時間4時間!最上位者が王将への挑戦者に
挑戦者決定リーグは、シード4名と二次予選通過3名の計7名で持ち時間各4時間(チェスクロック使用)の総当たりリーグ戦を行います。
リーグ戦で同率首位の棋士が複数出た場合は、原則として順位上位2名の棋士によるプレーオフとなります。王将とリーグ優勝者が、例年1月から3月にかけて七番勝負を行います。
前期の挑戦者決定リーグでの上位4名がシードとなるため、このリーグでは翌年でのリーグ残留者を決める戦いにもなります。
挑戦者決定リーグ:4時間(チェスクロック使用)
王将戦のルール ― 七番勝負のタイトル戦
- タイトル戦は七番勝負
- 持ち時間は各8時間(2日制)
- 例年1月〜3月に開催
王将保持者と挑戦者の七番勝負!
王将戦の予選を勝ち上がって見事挑戦者となった棋士は、現在の王将保持者と七番勝負をすることになります。七番勝負となるので、先に4勝した方がタイトル獲得者となるわけです。
王将とリーグ優勝者が、例年1月から3月にかけて七番勝負を行います。
持ち時間は8時間!2日制の将棋
王将戦の七番勝負の持ち時間は各8時間になります。2日制の将棋となり、1日の終わりに封じ手を行います。
タイトル戦:8時間
永世王将 ― 通算10期以上で獲得
永世王将の条件
通算で10期以上王将になった棋士は、「永世王将」の称号を得ることができます。永世王将の資格を得た棋士は、原則として引退後に永世王将を名乗ることができます。
永世王将 通算10期保持
永世王将の資格保持者
永世王将の資格を持つのは以下の2人です(日本将棋連盟 王将戦ページより集計)。
- 大山康晴十五世名人 ― 通算20期。第2期(1952年)から第21期(1971年)にかけて圧倒的な強さを見せ、王将戦の歴史において最多獲得記録を持ちます。
- 羽生善治九段 ― 通算12期。第45期(1995年)から第50期(2000年)の6連覇を含む、通算12期で永世王将の資格を獲得しています。
歴代の王将は?有名な棋士まとめ
大山康晴 ― 通算20期の圧倒的記録
大山康晴は王将戦で通算20期という歴代最多記録を持つ棋士です。第2期(1952年)に初めて王将を獲得すると、第5期(1955年)・第6期(1956年)で升田幸三に敗れた以外は第21期(1971年)まで王将を独占。その後も第29期(1979年)〜第31期(1981年)に3連覇を果たすなど、昭和の将棋界を支配する存在でした(出典)。
羽生善治 ― 通算12期・6連覇
羽生善治は王将戦で通算12期を獲得した棋士です。第45期(1995年)から第50期(2000年)まで6連覇を達成。その後も第52期(2002年)、第54期(2004年)〜第58期(2008年)の5連覇など、平成の将棋界を代表する活躍を見せました(出典)。
藤井聡太 ― 5期連続防衛中
藤井聡太は第71期(2021年)に渡辺明から王将を奪取し、以降5期連続で王将を防衛しています。特に第71期は4勝0敗、第73期も4勝0敗と圧倒的な強さを見せています。第75期(2025年)は永瀬拓矢の挑戦を4勝3敗で退けました(出典)。
中原誠 ― 7期獲得・6連覇
中原誠は第22期(1972年)から第27期(1977年)まで6連覇を達成し、通算7期の王将を獲得しました。大山康晴との世代交代を象徴する存在として、王将戦の歴史に名を刻みました(出典)。
歴代王将一覧
第1期(1951年)から第75期(2025年)までの歴代王将を一覧にまとめます。(日本将棋連盟 ALSOK杯王将戦ページより)
| 期 | 年度 | 王将 | スコア | 対戦相手 |
|---|---|---|---|---|
| 第75期 | 2025 | 藤井聡太 | 4-3 | 永瀬拓矢 |
| 第74期 | 2024 | 藤井聡太 | 4-1 | 永瀬拓矢 |
| 第73期 | 2023 | 藤井聡太 | 4-0 | 菅井竜也 |
| 第72期 | 2022 | 藤井聡太 | 4-2 | 羽生善治 |
| 第71期 | 2021 | 藤井聡太 | 4-0 | 渡辺明 |
| 第70期 | 2020 | 渡辺明 | 4-2 | 永瀬拓矢 |
| 第69期 | 2019 | 渡辺明 | 4-3 | 広瀬章人 |
| 第68期 | 2018 | 渡辺明 | 4-0 | 久保利明 |
| 第67期 | 2017 | 久保利明 | 4-2 | 豊島将之 |
| 第66期 | 2016 | 久保利明 | 4-2 | 郷田真隆 |
| 第65期 | 2015 | 郷田真隆 | 4-2 | 羽生善治 |
| 第64期 | 2014 | 郷田真隆 | 4-3 | 渡辺明 |
| 第63期 | 2013 | 渡辺明 | 4-3 | 羽生善治 |
| 第62期 | 2012 | 渡辺明 | 4-1 | 佐藤康光 |
| 第61期 | 2011 | 佐藤康光 | 4-1 | 久保利明 |
| 第60期 | 2010 | 久保利明 | 4-2 | 豊島将之 |
| 第59期 | 2009 | 久保利明 | 4-2 | 羽生善治 |
| 第58期 | 2008 | 羽生善治 | 4-3 | 深浦康市 |
| 第57期 | 2007 | 羽生善治 | 4-1 | 久保利明 |
| 第56期 | 2006 | 羽生善治 | 4-3 | 佐藤康光 |
| 第55期 | 2005 | 羽生善治 | 4-3 | 佐藤康光 |
| 第54期 | 2004 | 羽生善治 | 4-0 | 森内俊之 |
| 第53期 | 2003 | 森内俊之 | 4-2 | 羽生善治 |
| 第52期 | 2002 | 羽生善治 | 4-0 | 佐藤康光 |
| 第51期 | 2001 | 佐藤康光 | 4-2 | 羽生善治 |
| 第50期 | 2000 | 羽生善治 | 4-1 | 谷川浩司 |
| 第49期 | 1999 | 羽生善治 | 4-0 | 佐藤康光 |
| 第48期 | 1998 | 羽生善治 | 4-1 | 森下卓 |
| 第47期 | 1997 | 羽生善治 | 4-1 | 佐藤康光 |
| 第46期 | 1996 | 羽生善治 | 4-0 | 谷川浩司 |
| 第45期 | 1995 | 羽生善治 | 4-0 | 谷川浩司 |
| 第44期 | 1994 | 谷川浩司 | 4-3 | 羽生善治 |
| 第43期 | 1993 | 谷川浩司 | 4-2 | 中原誠 |
| 第42期 | 1992 | 谷川浩司 | 4-0 | 村山聖 |
| 第41期 | 1991 | 谷川浩司 | 4-1 | 南芳一 |
| 第40期 | 1990 | 南芳一 | 4-2 | 米長邦雄 |
| 第39期 | 1989 | 米長邦雄 | 4-3 | 南芳一 |
| 第38期 | 1988 | 南芳一 | 4-0 | 島朗 |
| 第37期 | 1987 | 南芳一 | 4-3 | 中村修 |
| 第36期 | 1986 | 中村修 | 4-2 | 中原誠 |
| 第35期 | 1985 | 中村修 | 4-2 | 中原誠 |
| 第34期 | 1984 | 中原誠 | 4-1 | 米長邦雄 |
| 第33期 | 1983 | 米長邦雄 | 4-1 | 森けい二 |
| 第32期 | 1982 | 米長邦雄 | 4-1 | 大山康晴 |
| 第31期 | 1981 | 大山康晴 | 4-3 | 中原誠 |
| 第30期 | 1980 | 大山康晴 | 4-1 | 米長邦雄 |
| 第29期 | 1979 | 大山康晴 | 4-2 | 加藤一二三 |
| 第28期 | 1978 | 加藤一二三 | 4-1 | 中原誠 |
| 第27期 | 1977 | 中原誠 | 4-2 | 有吉道夫 |
| 第26期 | 1976 | 中原誠 | 4-2 | 大山康晴 |
| 第25期 | 1975 | 中原誠 | 4-1 | 有吉道夫 |
| 第24期 | 1974 | 中原誠 | 4-3 | 米長邦雄 |
| 第23期 | 1973 | 中原誠 | 4-2 | 米長邦雄 |
| 第22期 | 1972 | 中原誠 | 4-0 | 大山康晴 |
| 第21期 | 1971 | 大山康晴 | 4-3 | 有吉道夫 |
| 第20期 | 1970 | 大山康晴 | 4-3 | 中原誠 |
| 第19期 | 1969 | 大山康晴 | 4-1 | 二上達也 |
| 第18期 | 1968 | 大山康晴 | 4-0 | 内藤國雄 |
| 第17期 | 1967 | 大山康晴 | 4-2 | 加藤一二三 |
| 第16期 | 1966 | 大山康晴 | 4-1 | 加藤一二三 |
| 第15期 | 1965 | 大山康晴 | 4-3 | 山田道美 |
| 第14期 | 1964 | 大山康晴 | 4-1 | 加藤博二 |
| 第13期 | 1963 | 大山康晴 | 3-0 | 二上達也 |
| 第12期 | 1962 | 二上達也 | 4-2 | 大山康晴 |
| 第11期 | 1961 | 大山康晴 | 3-0 | 加藤一二三 |
| 第10期 | 1960 | 大山康晴 | 4-2 | 二上達也 |
| 第9期 | 1959 | 大山康晴 | 4-2 | 二上達也 |
| 第8期 | 1958 | 大山康晴 | 3-0 | 高島一岐代 |
| 第7期 | 1957 | 大山康晴 | 4-3 | 升田幸三 |
| 第6期 | 1956 | 升田幸三 | 4-2 | 大山康晴 |
| 第5期 | 1955 | 升田幸三 | 3-0 | 大山康晴 |
| 第4期 | 1954 | 大山康晴 | 4-1 | 松田茂役 |
| 第3期 | 1953 | 大山康晴 | 4-2 | 升田幸三 |
| 第2期 | 1952 | 大山康晴 | 4-3 | 丸田祐三 |
| 第1期 | 1951 | 升田幸三 | 4-1 | 木村義雄 |
王将戦の基本情報まとめ
| 正式名称 | ALSOK杯王将戦(出典) |
|---|---|
| 主催 | 日本将棋連盟(出典) |
| 特別協賛 | ALSOK(綜合警備保障株式会社)(出典) |
| 創設 | 1950年(一般棋戦)/1951年(タイトル戦に格上げ) |
| 賞金 | 非公表(推定数百万円程度) |
| 番勝負 | 七番勝負(先に4勝で獲得) |
| 持ち時間(七番勝負) | 各8時間・2日制(出典) |
| 持ち時間(リーグ) | 各4時間・チェスクロック使用(出典) |
| 持ち時間(予選) | 各3時間・チェスクロック使用(出典) |
| 開催時期 | 例年1月〜3月(出典) |
| 予選方式 | 一次予選→二次予選→挑戦者決定リーグ(7名総当たり) |
| 永世称号 | 永世王将(通算10期保持 / 出典) |
| 永世王将保持者 | 大山康晴(通算20期)・羽生善治(通算12期) |






