今回の記事では、棋王戦のルールや仕組みについて解説していきます。
目次
棋王戦とは? ― 共同通信社主催のタイトル戦
現在の棋王は藤井聡太(2026年4月時点)
2026年4月現在、棋王のタイトルを保持しているのは藤井聡太棋王です。日本将棋連盟の公式サイトによると、藤井聡太棋王は第48期(2022年)に渡辺明から棋王を奪取し、第51期(2025年)まで4期連続で防衛しています。
前身は最強者決定戦!1975年から始まったタイトル戦
棋王戦は、共同通信社が主催する将棋のタイトル戦です。1961年に始まった「最強者決定戦」が前身で、1975年に「棋王戦」としてタイトル戦に格上げされました。現在はコナミホールディングス株式会社が特別協賛しており、正式名称は「棋王戦コナミグループ杯」です。
予選をトーナメントで行い、その通過者とシード者で本戦トーナメントを行います。本戦はベスト4以上は2敗失格制となり、敗者復活戦があります。挑戦者決定戦は変則2番勝負で、勝者組優勝者は2局のうち1回勝てば挑戦権を得ますが、敗者復活戦優勝者は2連勝が挑戦の条件となります。棋王とその優勝者が例年2月から3月にかけて五番勝負を行います。
出典:日本将棋連盟「棋王戦」
8大タイトルの一つ!優勝した棋士は「棋王」に
棋王戦で優勝した棋士は「棋王」のタイトルを名乗ることとなり、1年間の「棋王」を名乗ることになります。1年後には次のタイトル挑戦者が決まり、棋王の保持者とタイトル挑戦者が戦い、勝った方が新しい「棋王」となります。
棋王戦の賞金は公表されていない
棋王戦で優勝して新しい「棋王」になった棋士には賞金が与えられますが、賞金額は公表されていません。他のタイトル戦の賞金額などから推定すると、数百万〜1千万円程度ではないかと考えられます。
棋王戦の仕組み ― 予選から五番勝負まで
全棋士+女流棋士+アマ名人が参加!予選トーナメント・挑戦者決定トーナメントを実施
棋王戦の全体の流れを図にまとめると、以下のようになります。

予選をトーナメントで行い、その通過者とシード者で本戦トーナメントを行います。本戦はベスト4以上は2敗失格制となり、敗者復活戦があります。
出典:日本将棋連盟「棋王戦」
棋王戦の参加資格は、全ての棋士に加えて女流棋士とアマ名人となります。参加者は、予選トーナメント・挑戦者決定トーナメント・挑戦者決定戦を行い、勝ち上がった1名が棋王保持者と次の棋王の称号をかけて戦うことになります。
- 全棋士+女流棋士+アマ名人が参加
- 予選トーナメント・挑戦者決定トーナメント・挑戦者決定戦
- 勝ち上がった1名が棋王に挑戦
予選トーナメントは、持ち時間4時間!8名が勝ち上がり
予選トーナメントは、持ち時間各4時間(チェスクロック使用)のトーナメント戦となります。
B級1組以上の棋士はシードで挑戦者決定トーナメントからの出場となるため、予選はB級2組以下の棋士と女流棋士、アマ名人でのトーナメントとなります。
挑戦者決定トーナメントは、持ち時間4時間!ベスト4以上は「2敗失格制」
挑戦者決定トーナメントは、予選の勝ち上がり8名とシード者を持ち時間各4時間のトーナメントで行います。挑戦者決定トーナメントのシードの条件は、以下になります。
- 順位戦B級1組以上の棋士
- 前期ベスト4以上
- タイトル保持者
- 前期の挑戦者
棋王戦の大きな特徴は、ベスト4以上で「2敗失格制」が導入されていることです。通常のトーナメントでは1回負けたら終わりですが、棋王戦ではベスト4以上の対局で敗れても、もう1回チャンスがある敗者復活戦が設けられています。
挑戦者決定トーナメントで勝ち上がった1名(勝者組優勝者)と、敗者復活戦で勝ち上がった1名が、挑戦者決定戦に進みます。
挑戦者決定戦は「変則2番勝負」!勝者組に有利な条件
挑戦者決定戦は、棋王戦ならではの「変則2番勝負」で行われます。
挑戦者決定戦は変則2番勝負で、勝者組優勝者は2局のうち1回勝てば挑戦権を得ますが、敗者復活戦優勝者は2連勝が挑戦の条件となります。
出典:日本将棋連盟「棋王戦」
つまり、勝者組優勝者は2局のうち1勝すれば挑戦権獲得となり、一方で敗者復活戦優勝者は2連勝しなければ挑戦権を得られないという、勝者組に有利なルールになっています。
棋王戦のルール ― 五番勝負のタイトル戦
- タイトル戦は五番勝負
- 持ち時間は各4時間
- 連続5期で永世棋王
棋王保持者と挑戦者の五番勝負!
棋王戦の予選を勝ち上がって挑戦者となった棋士は、現在の棋王保持者と五番勝負をすることになります。五番勝負となるので、先に3勝した方がタイトル獲得者となるわけです。
棋王とその優勝者が例年2月から3月にかけて五番勝負を行います。
出典:日本将棋連盟「棋王戦」
持ち時間は4時間!
棋王戦の持ち時間は各4時間になります。棋王戦では、タイトル戦(五番勝負)・挑戦者決定トーナメント・予選のすべてで持ち時間が4時間に統一されています。
タイトル戦・挑戦者決定トーナメント4時間、予選4時間(チェスクロック使用)
出典:日本将棋連盟「棋王戦」
持ち時間の計測はチェスクロック方式となっています。4時間は8大タイトルの中では比較的短い持ち時間です。
永世棋王 ― 連続5期で獲得
連続5期で永世棋王の資格を取得
棋王を連続5期以上保持した棋士は、「永世棋王」の資格を得ることができます。永世棋王の資格を得た棋士は、基本的には引退する際に永世棋王を名乗ることができます。
永世棋王 連続5期
他のタイトル戦では「通算○期」でも永世称号を取得できるものがありますが、棋王戦は「連続5期」のみが条件となっています。通算での取得はできないため、取得の難易度が高い永世称号の一つです。
永世棋王の資格保持者
永世棋王の資格を持つのは以下の2人です。
- 羽生善治九段 ― 第16期(1990年)から第24期(1998年)まで9連覇を達成し、永世棋王の資格を取得しました。棋王戦では通算13期を獲得しており、歴代最多記録です(出典)。
- 渡辺明九段 ― 第38期(2012年)から第47期(2021年)まで10連覇を達成し、永世棋王の資格を取得しました。羽生善治の9連覇を上回る棋王戦最多連覇記録です(出典)。
歴代の棋王は?有名な棋士まとめ
渡辺明 ― 10連覇・通算11期の棋王
渡辺明は棋王戦で通算11期という圧倒的な記録を持つ棋士です。第38期(2012年)に郷田真隆から棋王を奪取すると、そこから第47期(2021年)まで10連覇を達成しました。第48期(2022年)に藤井聡太に敗れて棋王を失いましたが、棋王戦の歴史に大きな足跡を残しています(出典)。
藤井聡太 ― 4期連続防衛中(2026年4月時点)
藤井聡太は第48期(2022年)に渡辺明から棋王を奪取し、以降第51期(2025年)まで4期連続で防衛を続けています。藤井聡太はこの棋王獲得により六冠を達成し、その後の八冠独占へとつながりました(出典)。
羽生善治 ― 9連覇・通算13期の最多記録
羽生善治は棋王戦で通算13期(歴代最多)を獲得した棋士です。第16期(1990年)から第24期(1998年)まで9連覇を達成し、第25期で森内俊之に敗れました。その後も第26期(2000年)から第30期(2004年)まで5連覇を果たすなど、棋王戦の歴史を代表する存在です(出典)。
米長邦雄 ― 棋王戦の黎明期を支えた名棋士
米長邦雄は棋王戦の初期を支えた棋士です。第4期(1978年)で初めて棋王を獲得し、第6期(1980年)から第9期(1983年)まで4連覇を達成。通算5期の棋王を獲得しています(出典)。
歴代棋王一覧
棋王戦(1975年〜)の歴代棋王を一覧にまとめます。(日本将棋連盟 棋王戦ページより)
| 期 | 年度 | 棋王 | スコア | 対戦相手 |
|---|---|---|---|---|
| 第51期 | 2025 | 藤井聡太 | 3-2 | 増田康宏 |
| 第50期 | 2024 | 藤井聡太 | 3-0 | 増田康宏 |
| 第49期 | 2023 | 藤井聡太 | 3-0 | 伊藤匠 |
| 第48期 | 2022 | 藤井聡太 | 3-1 | 渡辺明 |
| 第47期 | 2021 | 渡辺明 | 3-1 | 永瀬拓矢 |
| 第46期 | 2020 | 渡辺明 | 3-1 | 糸谷哲郎 |
| 第45期 | 2019 | 渡辺明 | 3-1 | 本田奎 |
| 第44期 | 2018 | 渡辺明 | 3-1 | 広瀬章人 |
| 第43期 | 2017 | 渡辺明 | 3-2 | 永瀬拓矢 |
| 第42期 | 2016 | 渡辺明 | 3-2 | 千田翔太 |
| 第41期 | 2015 | 渡辺明 | 3-1 | 佐藤天彦 |
| 第40期 | 2014 | 渡辺明 | 3-0 | 羽生善治 |
| 第39期 | 2013 | 渡辺明 | 3-0 | 三浦弘行 |
| 第38期 | 2012 | 渡辺明 | 3-1 | 郷田真隆 |
| 第37期 | 2011 | 郷田真隆 | 3-1 | 久保利明 |
| 第36期 | 2010 | 久保利明 | 3-1 | 渡辺明 |
| 第35期 | 2009 | 久保利明 | 3-2 | 佐藤康光 |
| 第34期 | 2008 | 久保利明 | 3-2 | 佐藤康光 |
| 第33期 | 2007 | 佐藤康光 | 3-2 | 羽生善治 |
| 第32期 | 2006 | 佐藤康光 | 3-2 | 森内俊之 |
| 第31期 | 2005 | 森内俊之 | 3-1 | 羽生善治 |
| 第30期 | 2004 | 羽生善治 | 3-0 | 谷川浩司 |
| 第29期 | 2003 | 谷川浩司 | 3-1 | 丸山忠久 |
| 第28期 | 2002 | 丸山忠久 | 3-2 | 羽生善治 |
| 第27期 | 2001 | 羽生善治 | 3-1 | 佐藤康光 |
| 第26期 | 2000 | 羽生善治 | 3-1 | 久保利明 |
| 第25期 | 1999 | 羽生善治 | 3-1 | 森内俊之 |
| 第24期 | 1998 | 羽生善治 | 3-0 | 佐藤康光 |
| 第23期 | 1997 | 羽生善治 | 3-1 | 郷田真隆 |
| 第22期 | 1996 | 羽生善治 | 3-0 | 森下卓 |
| 第21期 | 1995 | 羽生善治 | 3-0 | 高橋道雄 |
| 第20期 | 1994 | 羽生善治 | 3-0 | 森下卓 |
| 第19期 | 1993 | 羽生善治 | 3-0 | 南芳一 |
| 第18期 | 1992 | 羽生善治 | 3-2 | 谷川浩司 |
| 第17期 | 1991 | 羽生善治 | 3-1 | 南芳一 |
| 第16期 | 1990 | 羽生善治 | 3-1 | 南芳一 |
| 第15期 | 1989 | 南芳一 | 3-0 | 大山康晴 |
| 第14期 | 1988 | 南芳一 | 3-2 | 谷川浩司 |
| 第13期 | 1987 | 谷川浩司 | 3-2 | 高橋道雄 |
| 第12期 | 1986 | 高橋道雄 | 3-1 | 谷川浩司 |
| 第11期 | 1985 | 谷川浩司 | 3-0 | 桐山清澄 |
| 第10期 | 1984 | 桐山清澄 | 3-1 | 米長邦雄 |
| 第9期 | 1983 | 米長邦雄 | 3-1 | 森安秀光 |
| 第8期 | 1982 | 米長邦雄 | 3-0 | 大山康晴 |
| 第7期 | 1981 | 米長邦雄 | 3-2 | 森安秀光 |
| 第6期 | 1980 | 米長邦雄 | 3-1 | 中原誠 |
| 第5期 | 1979 | 中原誠 | 3-1 | 米長邦雄 |
| 第4期 | 1978 | 米長邦雄 | 3-2 | 加藤一二三 |
| 第3期 | 1977 | 加藤一二三 | 3-0 | 中原誠 |
| 第2期 | 1976 | 加藤一二三 | 3-0 | 大内延介 |
| 第1期 | 1975 | 大内延介 | ― | 三者リーグ |
棋王戦の基本情報まとめ
| 正式名称 | 棋王戦コナミグループ杯(出典) |
|---|---|
| 主催 | 共同通信社(出典) |
| 特別協賛 | コナミホールディングス株式会社(出典) |
| 創設 | 1961年(最強者決定戦)/1975年(棋王戦としてタイトル戦に格上げ) |
| 賞金 | 非公表(推定数百万〜1千万円程度) |
| 番勝負 | 五番勝負(先に3勝で獲得) |
| 持ち時間 | 各4時間・チェスクロック使用(出典) |
| 開催時期 | 例年2月〜3月(出典) |
| 予選方式 | 予選トーナメント→挑戦者決定トーナメント(2敗失格制)→変則2番勝負 |
| 永世称号 | 永世棋王(連続5期 / 出典) |
| 永世棋王保持者 | 羽生善治・渡辺明 |







棋王戦
敗者復活から
棋王戴冠は
達成未達ですよね?
敗者復活枠
4連勝で
戴冠は丸山九段だけ
4連勝挑戦者を
列挙してほしい