将棋の序盤~中盤は得意で、駒得をして飛車も成って大優勢!!なのになぜか終盤が下手で毎回勝ちきれずに負けてしまうなんてことありませんか??特に大悪手を指して頓死しているわけでもないのに、のらりくらりとこちらの攻めを受けられているうちに気付けば必死をかけられている…。
そこで今回は、終盤力をつけるための勉強法を3つ紹介します。
目次
終盤力って?付け方は?
将棋の終盤では相手玉を詰ませることを狙うのですが、いきなり玉を詰ませることはできません。玉を詰ませるためには大きく3ステップの段階に分かれています。
- 囲い崩し:相手の囲いを崩す
- 寄せ :相手玉の周りに攻め駒を配置する
- 詰み :相手玉を詰ませる
まず終盤力を鍛えるためにはこの3つをバランスよく鍛える必要があることを覚えておいてください。そして終盤が苦手な人は、この3段階の内どこが苦手なのかまず知る必要があるのです。
囲い崩しのコツは玉の近くの金を狙う
図1-1のような、高美濃囲いを崩す順を考えてみましょう。全く手のついていない状態ですが、どこから攻めていくのが良いでしょう?
囲い崩しの大原則は、安い駒で玉の近くの金を狙うことです。今回は持ち駒の桂馬で▲7五桂と打ち、6三の地点の金を狙ってみます。囲い崩しで困ったときは、持ち駒の桂馬で金を狙う手が好手になりやすいです。
図1-2から△6二金引とすれば、▲6三香と打ってさらに金を狙っていきます。これに対して、△同金と取ってくれれば、▲同桂成、△同銀、▲6一飛成で高美濃囲いは崩壊です。
- 囲い崩しは玉の近くの金を狙う
囲い崩しの大原則は、桂馬や香車などの安い駒で相手玉の近くの金を狙うことです。また、有名な囲いに関しては崩すための手筋が多く研究されています。こうした手筋を勉強するのも終盤力強化にはもってこいでしょう。
寄せのコツは駒を安易に清算しないこと!
次は寄せの流れを見ていきます。例えば図2-1のように舟囲いを寄せていく順を考えてみましょう。
図2-1から▲5三銀、△4二金と進みました。これは囲い崩しの原則に従って、金を狙っています。後手は5三の銀を取ると飛車で玉を取られてしまうので、仕方なく△4二金と形を引き締めて粘っています。
図2-2からはすぐに▲4二銀成と金を取るのではなく、▲7五角として力を貯めます。相手玉を寄せるときは、攻め駒は持ち駒として持っているよりも、盤上にある方が極力です。盤上の駒はすぐに清算しないのが寄せのコツなのです。後手はどちらにせよ5三の銀は取れないので、攻めの態勢をじっくり整えてから▲4二銀成、△同銀、▲同角成と攻めていけばよいのです。
- 攻め駒をすぐに清算しない
相手玉を寄せるときは、盤上にいかに攻め駒を残すかということに注目して考えてみると寄せやすくなるはずです。
詰みのコツは王手しないこと!?
図3-1は終盤に相手玉を追い詰めている様子です。いまにも詰みそうな状況ですが、ここでどうやって指すのが良いでしょう?
▲3三銀と王手してしまうと、△2五玉と逃げられて、これ以上攻められなくなります。さらに▲2六銀と王手しても△3六玉と逃げられます。
図3-1からは▲2六銀とするのが好手です。これは次に▲2五銀の詰みと▲3三銀の罪を見ており、後手は適当な受けがなく必至です。このように、詰みが見つからないときは無理に王手するよりも詰めろで迫っていく方が好手になることが多いのです。
- 詰みが見えないときは、王手せずに詰めろで攻める
寄せの3つのコツまとめ
- 囲い崩しは玉の近くの金を狙う
- 攻め駒をすぐに清算しない
- 詰みが見えないときは、王手せずに詰めろで攻める
バランスよく終盤力を鍛える勉強法とおすすめの棋書
まずは詰将棋
詰将棋はスポーツでいう筋トレみたいなもので、何をするにもまずは基礎体力が必要です。3手詰をスラスラ解けないという方は、囲い崩しや寄せの勉強をする前に詰将棋から始めた方がよいと思います。「3手詰ハンドブック」は特におすすめです!
終盤の基礎を一気にマスター
3手詰めはある程度解けるという方は、終盤力に特化した本を読まれてみるのがおすすめです。「将棋・ひと目の寄せ」は詰み、寄せに加えて受けの問題がバランスよく載っているため、とにかく終盤力を付けたいという方におすすめです。級位者でも読みやすい内容になっていますよ!!
また「最強の終盤 詰みと寄せの最重要手筋104」という本もおすすめです。これは問題数は少なめですが解説が多めに載っているので、しっかし考えながら読むことができます。
一点特化で終盤力を鍛える
囲い崩しを鍛える
囲い崩しは、まずはいろいろな種類の囲い崩しがバランスよく載っているのもを選ぶと良いでしょう。「全戦型対応!囲いの破り方」という本がおすすめです。
寄せを鍛える
寄せを鍛えるには、必死の問題を解くのがおすすめです。「寄せが見える本」は必死問題の名著と言われており、解説の量がかなり豊富です。初めて必死の本を買う方はこれしかないと思っています。
また金子タカシさんの「寄せの手筋200」も有名です。この本を一冊マスターするだけで確実に終盤力なら2~3段にはなると思います。ただし内容は難しいものも多いのである程度実力がついてから読まれるのがよいでしょう。
詰みを鍛える
詰みを鍛えて終盤力をつけるには、詰将棋をひたすら解くのでも構いません。しかし市販の詰将棋の中にはパズル性があまりに強く、局面が指し将棋とあまりにかけ離れているようなものもあります。そこで終盤力強化のためには実戦形式の詰将棋を解くのがおすすめです。
「将棋・詰みの基本手筋」は実戦で見たことあるような局面ばかりの詰将棋本です。詰みの形や手筋をパターンで分類していて、すぐに応用ができそうな問題ばかり集めています。
また、詰将棋なら本間博先生の「妙手に俗手、駒余りもあり!実戦詰め筋事典」がおすすめです。これは完全実戦形式の詰将棋で、駒余りがあるのが特長です。将棋実戦の終盤力をつけるのに特化した詰将棋と言えます。
まとめ
いかがでしたか?終盤を「囲い崩し」「寄せ」「詰み」の3段階に分けてそれぞれの勉強法を紹介しました。是非皆さんも終盤力をしっかり鍛えて、逆転勝ちできるようになりましょう!