この記事では、将棋の勉強を本格的に始めたい初心者のために、定跡書をうまく使った勉強法を解説していきます。
目次
定跡書ってそもそも何?選び方は?
定跡書とは?
定跡書というのは、将棋の序盤の駒組みについて解説してある棋書のことです。基本的にはどんな定跡書でも、実戦を模擬した局面図が掲載されていて、「後手が××と指してきた場合、先手は○○を指せば有利になり、△△を指せば不利になる……」といった内容が書かれています。
このブログでも定跡を解説してある記事がいくつかありますが、定跡書はこれらの記事のような形式で本一冊分書かれているものとイメージしていただければ問題ありません。
定跡書の選び方
定跡書を買うときは、自分のレベルに合ったものを選びましょう。ただ、特に初心者の方は自分のレベルがどれくらいなのかもよくわからないという方が多いと思います。初めて定跡書を買うという方は、以下のようなポイントを見ながら本を選ぶとよいでしょう。
- 初手からの変化が載っているか
- 大きな局面図が載っているか
定跡書を選ぶときは、初手からの変化が載っているか確認しましょう。ある程度レベルの高い定跡書になると、いきなり対局の途中の図から解説が始まるものもありますが、初心者がいきなりそういった本を手に取っても理解できないことが多いでしょう。最初の一手からしっかり解説されている本を選びましょう。
そして、大きな局面図が載っているというのも定跡書選びのポイントです。大きな図が載っている本は、それだけ一冊のボリュームが少なくなるのですが、裏を返せば重要なポイントだけを短くまとめている本とも言えます。初心者のうちは多くの定跡を学ぶよりも、重要な部分だけをしっかり学ぶ方が効率よく強くなれます。
定跡書を使った学習のポイント
分からなくていいので1回は読んでみる
定跡書を買ったら、まずは一冊全部読んでみましょう。このとき細かいところや、複雑な変化は適当に飛ばしながらで構いません。とにかくパラパラと眺める程度でもいいので1時間くらいで大体のページをめくってみましょう。このとき見るべきポイントは以下の3つとなります。
- どんな戦法について書かれている本か理解する
- それぞれの章が何について触れられているかを見る
- それぞれの章で一番重要な指し手や、ポイントを考える
まず一つ目は定跡書全体で、どのようなテーマを扱っているのか再確認します。これは大体は本の頭のところに書いてあると思います。
そして次に定跡書全体をパラパラめくりながら、本全体の構成を見ていきます。第1章では××について書いていて、第2章では○○について書いていて…ということをチェックしていきます。
最後に、各章での最も重要なポイントを考えていきます。多くの定跡書では、章の終わりにまとめが書かれているので、これも参考にしながらその章で大事な指し手や考え方を見ていきます。場合によっては自分なりに考えたことをノートなどにまとめてみても良いでしょう。
一度に理解しようとしないこと
定跡書を読むときのポイントは、一度ですべてを理解しようとしないことです。例えば、本を1時間読むとして、20ページを完璧に理解しようとするのではなく、100ページをざっと眺めるような読みかたをした方が理解が早まります。
実戦で試してみる
定跡書をざっと読み終えたら、とにかく実戦で試してみましょう。本で学んだ内容を実戦で試しながら、まだ理解しきれていない定跡がないか、本に載っていないような局面がないかチェックしていきましょう。
実戦での失敗を定跡書で復習
実戦で定跡を試したら、本で復習しましょう。また本に載っていない内容は、将棋ソフトもうまく使って検討していくとさらに良いでしょう。スマホで将棋ソフトを使いたいときは「ぴよ将棋」、PCで使いたいときは「elmo」がおすすめです。
初心者にオススメの定跡書
ここからは初心者にオススメの定跡書を戦法別に紹介していきたいと思います。
四間飛車を指しこなす本
振り飛車の代表格、四間飛車を学びたい初心者の方は、まず「四間飛車を指しこなす本」を読まれることをオススメします。この本を含む「指しこなす本」シリーズは内容が充実していてわかりやすいものが多いので、初心者から有段者までおすすめできます。
ひと目の中飛車
中飛車を学びたい方には「ひと目の中飛車」がオススメです。「ひと目の」シリーズは初心者~3級程度の方に向けた内容のものが多く、解説も丁寧でわかりやすくなっています。
ひと目の石田流
石田流は、攻撃的な三間飛車戦法で、とにかく攻めたい方にお勧めの戦法です。初心者の方は「ひと目の石田流」で勉強されるのが良いでしょう。
矢倉の基本 駒組みと考え方
居飛車を指したい初心者のかたは、まずは矢倉戦法を勉強されるのが良いでしょう。「矢倉の基本 駒組みと考え方」は矢倉囲いの形から丁寧に解説している初心者向けの良書です。
ひと目の角換わり
相居飛車の花形戦法と言えば、ガッチリ囲う矢倉戦法と、角交換する角換わり戦法でしょう。角交換の将棋は苦手という方は、角換わりの勉強をしてみるのがオススメです。「ひと目の角換わり」は次の一手形式で角換わりの基本が学べます。
ひと目の横歩取り
横歩取りは難解な変化が多く、嵌め手のような手順もあるため初心者には難しい戦法と言われています。しかしそのぶん少しでも勉強していれば初心者同士の対局では高い勝率を上げることができるでしょう。「ひと目の横歩取り」は初心者でもわかりやすい横歩取りの定跡書です。
まとめ