みなさん詰将棋に苦手意識を持っていませんか?「詰将棋を解こうにも何から考えていったらよいかわからない」「思いついた王手をしらみつぶしに一つ一つ検討している」なんて人も多いかもしれません。この理由のうちのひとつに“勝ちパターンを知らない”ということが挙げられます。将棋の詰みの形には頻出パターンのようなものがあり、これを知っているか知らないかで詰将棋の見え方が180度変わってきます。
勝ちパターンを知らないと、偶然の閃きでしか詰将棋は解けません。しかし勝ちパターンを知っていれば、相手玉を勝ちパターンに誘導していくだけで詰将棋がスラスラ解けるようになっていきます。
今回は将棋の勝ちパターンを3つ紹介して、例題を使って復習していきます。これを覚えれば寄せが上達し終盤力が強化されるはずです!
頭金ならぬ腹金
腹金の基本形
頭金ならぬ腹金と呼ばれる形です。相手玉の横に金を打って詰ませます。このとき、相手玉が端にいることと上に逃げられないことが詰みの条件となります。
また図1-2のように金の代わりに馬や龍を使うパターンもあり、この場合は2枚の駒で詰んでしまいます。
例題にチャレンジ
▲1三飛成、△同玉、▲2三金まで
初手の龍捨てがポイントで、相手玉を危険地帯に誘い出すことに成功です。1五の歩の効きも活かして腹金での詰みです。なお2手目に△3二玉と逃げても▲3一金打で詰んでしまいます。
▲1一飛、△同飛、▲2二角成まで
初手の飛車打ちには気づけましたか?相手玉が上部に脱出するのを防ぎつつ、相手の守備駒の飛車を移動させる一石二鳥の手です。
守備駒を移動させたらあとは玉の腹に馬を作ってフィニッシュです。
合い駒利かずのテクニック
合駒利かずの基本形
香車や飛車といった遠くまで効いている駒は合い駒されると利きが止まってしまいます。しかし図2-1のような形では合い駒が効かず詰みとなってしまいます。
たとえば図2-1の状態から△1二金などの合い駒をしても、▲同香とそのまま取られてしまいます。
例題にチャレンジ
▲1二銀、△同玉、▲1三角成まで
初手に▲1二銀と捨てるのがミソで、いきなり▲3一角成としてしまうと△1二金などと合い駒されてしまい詰みません。
▲2三角成、△同金、▲4二龍まで
これは少し難しかったかもしれません。初手で▲2三角成と捨てることで次の▲4二龍が王手になる上に、相手玉の2三への逃げ道を塞いでいます。まさに一石二鳥の角捨てです。
応用の手筋、金頭の桂
金頭の桂の基本形
最後に紹介するのは金頭の桂と呼ばれる手筋です。金は守りが強い駒ですが、図3-1のように桂を使うことでうまく守備を潜り抜けることができます。少し覚えにくい形なので、実際の練習問題を解いてマスターしてしまいましょう!
例題にチャレンジ
▲2三桂、△2一玉、▲3一金まで
▲2三桂と金の頭に桂を打って金頭の桂が実現します。△同金と取られてしまった場合は▲1二金の頭金で詰みです。このように金頭の桂の手筋は頭金を含みに入れながら攻めるのがポイントです。
▲1三銀、△2一玉、▲3三桂、△3一玉、▲4一金まで
相手玉を2一に落とすことで金頭の桂の形に持っていけます。4手目に△同金と取られても、問題3-1と同様に頭金で詰んでしまいます。
まとめ
- 腹金
- 合駒利かず
- 金頭の桂