手筋

金将の動き、手筋と使い方

投稿日: 10/21/2018 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

将棋では8種類の駒が使われ、それぞれ働きや役割が異なります。これらの駒の使い方を勉強すれば、棋力が向上すること間違いなしです。

香介
今回は金将の使い方を解説するよ。
歩美
金将かあ…。いっつも何となく王様の周りにペタペタ貼ってます。

今回は金将の動きと基本的な使い方を解説し、さらに金将を使った手筋として「頭金」「尻金」を紹介したいと思います。

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金将の動き方

金将の裏は無し? 置き場所は?

金将(通称:金)は、将棋に使われる駒の1種です。将棋の駒は裏面にも文字が書かれているものが多いですが、金将の裏側は無地で、ゲーム中に裏を向けることはありません。

【金将とその裏】

【金将とその裏】

金は、ゲーム開始時点では王将の両隣に置かれます。

【金将の初期配置】

【金将の初期配置】

 

金将の動き方、縦横1マス+斜め前

【金将の動き方】

【金将の動き方】

金将は、縦と横に1マスずつと、斜め前に1マス進むことができます。

 

裏面は使わない

【裏は使わない】

【裏は使わない】

金将の裏側は無地で、成って裏返すことはありません。

歩美
他の駒と違って、成ることはできないんですね!

 

金将の基本的な使い方と役割

玉の守りは金銀3枚!金は守りに使おう

金は守りに使うと非常に強力な駒です。「玉の守りは金銀3枚」という格言がありますが、将棋の囲いのほとんどは金2枚と銀1枚で構成されます。

下図は代表的な将棋の囲いとなりますが、どれも金を2枚使っていることがわかります。

【矢倉囲い】

【矢倉囲い】

【美濃囲い】

【美濃囲い】

【穴熊】

【穴熊】

【舟囲い】

【舟囲い】

香介
矢倉囲い、美濃囲い、穴熊、舟囲い4つだよ。攻めにも守りにも使う銀と違って、金は守りに使う駒なんだ。
歩美
どれも見たことある囲いです!確かに言われてみれば金が2枚いますね。

 

金なし将棋に受け手なし!金で相手の攻めを止めよう!

テーマ図

【図1-1 次の△1八金を受けるには?】

【図1-1 次の△1八金を受けるには?】

金の守りの強さを表す格言としては、「金なし将棋に受け手なし」というものもあります。

例えば、図1-1のような局面を考えてみましょう。この局面では、例えば次に後手の△1八金打があり、何か受けないと詰んでしまいます。

香介
いわゆる「詰めろ」という状態だね。何もしないと次に詰まされてしまうよ。

図1-1からの指し手
▲1八銀、△2八金(図1-2)

【図1-2 今度は後手△2八金で詰み】

【図1-2 今度は後手△2八金で詰み】

もしここで▲1八銀と受けるとどうなるでしょう?△1八金は防げましたが、今度は△2八金で詰んでしまいます。

△2八金を受けようと図1-1から▲2八銀として受けてみても、今度は△1八金が防げなくなってしまいます。このように、この局面では銀で受けることはできないようです。

図1-1からの指し手
▲1八金(図1-3)

【図4 金を打てば受かっている】

【図4 金を打てば受かっている】

ここは▲1八金(もしくは▲2八金)と受ける必要がありました。これなら詰みを逃れることができます。

歩美
金を使わないと受けられないんですね~。金の守りの強さがなんとなくわかりました!
香介
金なし将棋に受け手なし」という格言があって、この局面のように金がないと受からない場合は非常に多いんだ。

 

金はトドメに残せ!

テーマ図

【図2-1 3手詰め、金と銀どちらから使う?】

【図2-1 3手詰め、金と銀どちらから使う?】

図2-1は詰将棋の問題です。金と銀、どちらから使うのが正しいでしょうか?

図2-1からの指し手
▲3二金、△1二玉(図2-2)

【図2-2 失敗図は▲3二金、△1二玉まで】

【図2-2 失敗図は▲3二金、△1二玉まで】

つい▲3二金と王手したくなりますが、これでは△1二玉と逃げられたあと攻め手がありません。

歩美
実戦だと反射的に▲3二金としてしまいそうです…。

図2-1からの指し手
▲3一銀、△同玉、▲3二金(図2-3)

【図2-3 解答図は▲3一銀△同玉▲3二金まで】

【図2-3 解答図は▲3一銀△同玉▲3二金まで】

正解は、▲3一銀、△同玉、▲3二金までです。このように、金は最後のトドメに残しておいた方が良い場合が多いのです。

香介
もちろん銀から打つのが正解となる場合もあるから、詰みまでしっかり読み切ってから指すのがベストだよ。でも最後まで読み切れないときなんかはとりあえず金を残しておけばうまくいくことが多いんだ。

 

終盤では金の価値が高くなる!

歩美
あれ?なんか最初は金は守りの駒って言ってたのに、いつのまにか金で攻める話になってますね?
香介
お!よく気が付いたね!

金将は主に、

  • 相手から玉を攻められているときの受け駒
  • 相手の玉を寄せるときのトドメの駒

として使います。そのため金将は終盤の寄せ合いの局面で非常に極力な駒となり、価値が高くなります。

香介
この2つの使い方からわかるように、金は終盤戦になってくると使える場面が増えてくるんだ。
香介
場合によっては飛車や角といった大駒より、金の方が価値が高くなることもあるよ。
歩美
飛車や角より!?金ってすごいんですねえ。

 

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金将の手筋2つ

ここからは金を使った手筋を解説していきます。「頭金」と「尻金」の2つです。

頭金

テーマ図

【図3-1 頭金で詰み】

【図3-1 頭金で詰み】

ここからは金を使った手筋を解説していきます。図3-1のように、玉の頭に金を打って詰ます手筋を「頭金」といいます。

歩美
詰将棋の本の1ページ目に出てくるやつですね!

テーマ図

【図3-2 どのように攻める?】

【図3-2 どのように攻める?】

では頭金での詰みを踏まえた上で、図3-2の局面での最善手を考えてみましょう。

図3-2からの指し手
▲4一飛成(図3-3)

【図3-3 龍を取ると頭金で詰んでしまう】

【図3-3 龍を取ると頭金で詰んでしまう】

ここでは▲4一飛成と金を取る手が成立します。もしこれに対して△同玉と取ってしまうと次に▲4二金で詰んでしまうので、後手は△2二玉と逃げるほかありません。

香介
この局面では実質的に金をタダでとれるわけだ。このように頭金を含みにしながら駒を取る手を指せるようになると攻めのレパートリーが広がるよ!

 

尻金

テーマ図

【図4-1 金を使って相手玉を詰めよう】

【図4-1 金を使って相手玉を詰めよう】

今度は、図4-1の詰将棋を解いてみましょう。

図4-1からの指し手
▲3一金、△2二玉、▲2一金、△1二玉、▲1一金、△2二玉、▲2一飛(図4-2)

【図4-2 尻金で詰み】

【図4-2 尻金で詰み】

ここから平凡に▲3一金と打ち、△2二玉、▲2一金、△1二玉、▲1一金、△2二玉、▲2一飛成として詰みです。このように相手玉の後ろに金を打って、スライドさせながら王手を続ける手筋を「尻金」といいます。

歩美
金で端までじわじわ追いつめて、最後は龍でトドメです!!

 

まとめ

香介
今回は金の使い方と手筋を解説したよ。
歩美
終盤戦になると金は攻めでも守りでも大活躍の最強の駒になるんですね!

将棋の上達には、手筋を多く覚えて実戦で使いこなすことは重要です。さらに多くの手筋を学びたいと思った方は、渡辺明先生監修の「将棋・ひと目の手筋」を一読されることをおすすめします。今回紹介した手筋はもちろん、他にも実戦で使える手筋が208も解説されています。

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