将棋では8種類の駒が使われ、それぞれ働きや役割が異なります。これらの駒の使い方を勉強すれば、棋力が向上すること間違いなしです。
今回は金将の動きと基本的な使い方を解説し、さらに金将を使った手筋として「頭金」「尻金」を紹介したいと思います。
目次
金将の動き方
金将の裏は無し? 置き場所は?
金将(通称:金)は、将棋に使われる駒の1種です。将棋の駒は裏面にも文字が書かれているものが多いですが、金将の裏側は無地で、ゲーム中に裏を向けることはありません。
金は、ゲーム開始時点では王将の両隣に置かれます。
金将の動き方、縦横1マス+斜め前
金将は、縦と横に1マスずつと、斜め前に1マス進むことができます。
裏面は使わない
金将の裏側は無地で、成って裏返すことはありません。
金将の基本的な使い方と役割
玉の守りは金銀3枚!金は守りに使おう
金は守りに使うと非常に強力な駒です。「玉の守りは金銀3枚」という格言がありますが、将棋の囲いのほとんどは金2枚と銀1枚で構成されます。
下図は代表的な将棋の囲いとなりますが、どれも金を2枚使っていることがわかります。
金なし将棋に受け手なし!金で相手の攻めを止めよう!
金の守りの強さを表す格言としては、「金なし将棋に受け手なし」というものもあります。
例えば、図1-1のような局面を考えてみましょう。この局面では、例えば次に後手の△1八金打があり、何か受けないと詰んでしまいます。
もしここで▲1八銀と受けるとどうなるでしょう?△1八金は防げましたが、今度は△2八金で詰んでしまいます。
△2八金を受けようと図1-1から▲2八銀として受けてみても、今度は△1八金が防げなくなってしまいます。このように、この局面では銀で受けることはできないようです。
ここは▲1八金(もしくは▲2八金)と受ける必要がありました。これなら詰みを逃れることができます。
金はトドメに残せ!
図2-1は詰将棋の問題です。金と銀、どちらから使うのが正しいでしょうか?
つい▲3二金と王手したくなりますが、これでは△1二玉と逃げられたあと攻め手がありません。
正解は、▲3一銀、△同玉、▲3二金までです。このように、金は最後のトドメに残しておいた方が良い場合が多いのです。
終盤では金の価値が高くなる!
金将は主に、
- 相手から玉を攻められているときの受け駒
- 相手の玉を寄せるときのトドメの駒
として使います。そのため金将は終盤の寄せ合いの局面で非常に極力な駒となり、価値が高くなります。
金将の手筋2つ
ここからは金を使った手筋を解説していきます。「頭金」と「尻金」の2つです。
頭金
ここからは金を使った手筋を解説していきます。図3-1のように、玉の頭に金を打って詰ます手筋を「頭金」といいます。
では頭金での詰みを踏まえた上で、図3-2の局面での最善手を考えてみましょう。
ここでは▲4一飛成と金を取る手が成立します。もしこれに対して△同玉と取ってしまうと次に▲4二金で詰んでしまうので、後手は△2二玉と逃げるほかありません。
尻金
今度は、図4-1の詰将棋を解いてみましょう。
ここから平凡に▲3一金と打ち、△2二玉、▲2一金、△1二玉、▲1一金、△2二玉、▲2一飛成として詰みです。このように相手玉の後ろに金を打って、スライドさせながら王手を続ける手筋を「尻金」といいます。
まとめ
将棋の上達には、手筋を多く覚えて実戦で使いこなすことは重要です。さらに多くの手筋を学びたいと思った方は、渡辺明先生監修の「将棋・ひと目の手筋」を一読されることをおすすめします。今回紹介した手筋はもちろん、他にも実戦で使える手筋が208も解説されています。
将棋・ひと目の手筋―初級の壁を突破する208問 (MYCOM将棋文庫SP)