今回の記事では、舟囲いの組み方と種類について解説します。
目次
舟囲いとはどんな囲い?どんな戦い方をする?
舟囲いの基本形、ここから様々な囲いに派生
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【図1-1 舟囲いの基本形】
図1-1の囲いは「舟囲い」と呼ばれます。対振り飛車で使われる一番基本的な囲いで、舟囲いのまま急戦を仕掛ける戦法や、ここからさらに左美濃囲いや穴熊に発展させる指し方があります。
舟囲いの組み方、手順は?
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【図1-2 玉を寄って、金を上がる】
舟囲いは非常に簡素な囲いで、玉を7八まで移動させて金を上がれば完成です。ここからは5筋の歩と9筋の歩を突いておくのが一般的です。また、左の銀を▲6八銀~▲5七銀と上げて使う形もよく指されます。
舟囲いの特徴は?弱点は?
舟囲いは、あまり強い囲いとは言えず、攻められるとすぐに崩されてしまいます。しかし囲うのに必要な手数は少ないため、素早く攻めを展開できるのが利点です。こちらの飛車角だけうまく敵陣を攻めるような展開を狙いましょう。
また、守りが弱いとは言っても崩し方を知らなければ意外と攻め切るのは難しいです。舟囲いに苦戦している方は以下の記事で崩し方のパターンを解説しているので、参考にしてみてください。
舟囲いの種類、バリエーション一覧
舟囲い -7九銀型-
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【図2-1 舟囲い -7九銀型-】
一番スタンダードな、7九銀型の「舟囲い」です。対振り飛車に対して使われる基本的な囲いで、ここから対振り急戦を仕掛ける指し方と、左美濃や穴熊を目指して堅く囲っていく方針があります。
舟囲い -6八銀型-
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【図2-2 舟囲い -6二銀型-】
この囲いも「舟囲い」の一種になります。左の銀を6八に上がっているのがポイントで、相手の出方によってこの銀を攻めに使うか守りに使うか判断していきます。
舟囲い -5七銀型-
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【図2-3 舟囲い -5七銀型-】
左銀を5七まで上げる形の「舟囲い」です。左銀は攻めに使い、右銀を4八にくっつけて守りに使う方針です。ここからはさらに▲6八金と上がる形もよく指されます。
箱入り娘
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【図2-4 箱入り娘】
舟囲いから右の金を寄せた形が「箱入り娘」です。舟囲いよりは堅くなっていますが、玉が窮屈で一度攻められるとすぐに寄ってしまう陣形になっています。
エルモ囲い(左山囲い)
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【図2-6 エルモ囲い】
金を7九に寄せて使う囲いが「エルモ囲い」です。コンピュータソフトのelmoが好んで使うために名付けられました。「左山囲い」とも呼ばれます。舟囲いと同じく対振り急戦で使う囲いですが、舟囲いよりも金銀の連結が良く堅い囲いです。右銀を5七にくっつけるとさらに虚力な囲いになります。