今回は将棋の終盤における基本的な考え方について解説していきます。序盤~中盤とはまた違った感覚が求められるので注意が必要です。
目次
終盤は相手玉への攻めが始まったら
終盤は、相手玉やその周りの囲いへの攻めが始まった段階から、対局の終了までを指します。具体的には飛車を敵陣に成り込んでいたり、持ち駒に攻め駒が4~5枚程度あり、相手玉を攻めていくのに十分な枚数がある状況を言います。
- 終盤は、お互いが相手玉への攻めていく段階のこと
終盤の方針はとにかく詰み!
終盤は詰みを目指す
終盤は、相手玉を攻める段階に入っているので、とにかく詰みを目指して指していく必要があります。基本的には相手玉を詰ませることと、自分の玉を詰ませられないようにすることだけが終盤の指し方となります。
- 終盤はとにかく詰みを目指す
- 自分の玉が詰まないように
初心者のうちは頭金を意識しよう!
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【図1-1 基本の詰みは頭金】
図1-1は相手玉の頭に金を打った局面です。実はこれで相手玉は詰んでしまっているのです。実際に相手の玉がどこに動いても取られてしまうことを確認してみてください。この形は「頭金(あたまきん)」と呼ばれ、詰みの基本の形です。初心者のうちはこの頭金を目指して指していくのがいいでしょう。
終盤は駒得よりスピード
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【図1-2 どう指すのがいい?】
図1-2の局面を考えてみます。ここからどのように指すのが良いでしょうか?少し難しいですが、終盤特有の指し手を考えてみてください。ヒントは頭金です。
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【図1-3 駒損だが詰んでしまう】
なんと、▲2一飛成として飛車を捨ててしまうのが好手です。これでは飛車を取られてしまいますが、▲2二金と頭金で詰みです。このように、終盤では駒の損得を考えるのではなく、いかに早く相手玉を詰ませられるかを考えて指す必要があるのです。
龍を軸に攻める
敵陣に龍を作る
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【図2-1 どうやって相手玉を攻める?】
図2-1では相手玉は囲いの中に入っている状態です。ここからどのように攻めていくのか見ていきましょう。
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【図2-2 飛車を敵陣に打つ】
持駒に飛車があるときは、まず敵陣に飛車を打つ手から考えていきたいところです。なお、初心者のうちはあまり飛車を打つ場所は考えずに、とりあえず敵陣に打つということだけ考えていれば十分です。
すぐに攻めがないときは、桂馬や香車を回収
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【図2-3 攻め駒を集める】
図2-2からいきなり相手玉は攻められないため、まずは桂馬や香車を取って攻め駒を補充していきます。
相手玉の周りの金を攻める
なるべく安い駒で相手の金を狙う
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【図3-1 相手の金を狙う】
図2-3からは直接相手玉を攻めるような手はないので、▲5三桂として玉の周りにある金を攻めます。このように玉の周りの金を攻めるのは終盤の攻めのセオリーとなります。後手は4一の金を動かすと龍で玉が取られてしまうので動けません。
取った金を使ってさらに攻める
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【図3-2 休まず攻める】
▲4一桂成、△同銀とすすみ相手の金を取ることができました。ここで満足するのではなく、取った金を使ってさらに攻めていきます。▲5二金と打てば、相手は龍の利きがあって△同銀と取れません。次に必ず銀が取れる形です。
いよいよ相手玉を詰めに行く
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【図3-3 いよいよ王手がかかる】
図3-2から▲4二龍としていよいよ王手がかかりました。後手は△2二玉とするよりありませんが、ここから相手玉を詰めてみましょう。
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【図3-4 詰みが見えてきた】
先ほど取った銀を使ってさらに攻めを加速させていきます。▲3一銀の王手から相手玉は絶体絶命です。
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【図3-5 合い駒も構わず取って勝ち】
後手は最後の粘りで△2二桂と合駒しますが、▲同龍と取って詰みとなります。図3-5では相手玉がどこにも逃げられないことを確認してください。
- 敵陣に飛車を打って龍を作る
- 敵陣の桂馬や香車を回収
- 相手玉の近くの金を攻める
- 取った金を使いさらに囲いを剥がす
- 最後は詰みへ
まとめ
- 終盤は詰みを目指す
- 初心者のうちは頭金を狙って指す
- 終盤の攻めは敵陣に龍を作ることから
- 相手玉の近くの金から狙っていく