初心者向け入門講座

中盤の指し方、考え方

投稿日: 01/02/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
序盤の指し方が分かってきました!駒組みのコツも完璧です!
香介
序盤がわかったら、次はいよいよ中盤だね!

今回は、中盤の指し方の考え方やちょっとしたテクニックを紹介していきます。ルールを覚えたばかりで、なかなか将棋に勝てないという方必見です。

将棋入門へ戻る

youtubeもやってます
おすすめ記事
Sponsored link

中盤って?指し手の方針は?

中盤は本格的な戦いのスタート!お互いの駒を取り合う

歩美
そもそも中盤って何ですか??

中盤とは、将棋の対局が始まってしばらくして、お互いの駒がぶつかりはじめた段階を言います。序盤ではお互いの駒を取り合うことなく陣形を組み、いよいよ戦いが起こるのが中盤というわけです。また攻め駒が敵陣に進出し、お互いに相手の玉将を攻め合う段階は終盤となります。

中盤って?

  • 中盤は、お互いの駒がぶつかり合う段階のこと
香介
いよいよ将棋の戦いが激しくなってくるのが中盤なんだ!

中盤は終盤に向けた準備!

歩美
中盤はどんなことを考えて指せばいいんですか??

中盤の指し手の基本は、終盤への準備です。終盤に差し掛かり相手玉を攻める段階になったとき、相手より早く玉を捕まえられるような状況できるかどうかが中盤にかかっています。

具体的に一番の狙いは、大駒(特に飛車)を敵陣に成り込むことです。敵陣に相手より早く龍を作れれば、それだけ終盤に入ったときの攻めのスピードが上がります。また、中盤の間にどれだけ駒得できるかも大きなポイントです。

中盤の指し手の方針

  • 中盤は終盤への準備
  • 飛車を成り込んで龍を作るのを狙う
  • 駒得を目指す
香介
龍を作るのも、駒得するのも戦力を増やす行為なんだ!終盤で相手玉を攻め合う最終決戦に入る前に、できる限り戦力を増やして挑みたいよね!

 

中盤は飛車を成り込むのを狙う

香介
ここからは実戦を模擬した局面図で、飛車を成り込んでいく指し方を見ていくよ!

単純に飛車を成れる場合

テーマ図

【図1-1 ここからどう飛車を成る?】

【図1-1 ここからどう飛車を成る?】

まずは図1-1の局面から飛車を成る手順を考えてみましょう。なお局面を簡単にするため、一部の必要な駒だけ描画しています。

歩美
この形は序盤の指し方でも勉強しましたね!!

図1-1からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲同飛(図1-2)

【図1-2 飛車先の歩を突いて交換する】

【図1-2 飛車先の歩を突いて交換する】

▲2四歩から飛車先の歩を突いていきます。突いた歩を△同歩と取らせて飛車で取り返すのが手筋です。

図1-2からの指し手
△2二歩、▲2三歩(図1-3)

【図1-3 △同歩なら▲同飛、放置されたら▲2二歩成】

【図1-3 △同歩なら▲同飛成】

後手は桂馬が取られそうなので△2二歩と守ってきましたが、ここで▲2三歩と取った歩を打って攻めが成功です。次に△同歩なら▲同飛成、放置してきたら▲2二歩成から攻めていけます。

歩美
ここまでは簡単ですね!これで龍を作って攻めが決まります!

駒が足りないときは銀を使う

テーマ図

【図2-1 今度は△3二金で守っている】

【図2-1 今度は△3二金で守っている】

今度は△3二金と守っている形を見ていきましょう。この形のときは、飛車と歩だけでは攻め切れないので銀を使って攻めていきます。

図2-1からの指し手
▲3八銀~▲9五銀(図2-2)

【図2-1 銀を上がっていく】

【図2-1 銀を上がっていく】

銀を3八から9五まですこしずつ上げていきます。なお局面を簡単にするため、ここまでの後手の指し手は考えないこととします。

香介
この攻め方は棒銀と呼ばれているんだ!

図2-2からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲同銀(図2-3)

【図2-3 銀を前に出す】

【図2-3 銀を前に出す】

またしても▲2四歩から攻めていきますが、△同歩に対しては▲同飛と取るのではなく、▲同銀と銀で取りに行きます。

図2-3からの指し手
△2三歩(図2-4)

【図2-4 これでは受けになっていない】

【図2-4 これでは受けになっていない】

後手は△2三歩と守ってきましたが、これでは受けになっていません。さらに数手進めて先手の攻めを見てみましょう。

図2-4からの指し手
▲2三銀成、△同金、▲同飛成(図2-5)

【図2-5 龍を作ることに成功】

【図2-5 龍を作ることに成功】

△2三歩に対してはそのまま▲同銀成と取ってしまえば攻めが成立します。ここから△同金、▲同飛成と進んで龍を作ることに成功しました。

香介
改めて図2-4の局面を見て、なぜ攻めが成功したか考えてみよう!
【図2-5 2三への利きの数で勝っている】

【図2-5 2三への利きの数で勝っている】

図2-4の局面での2三へ利いている駒の数を見てみます。先手は銀と飛車の2枚が利いているのに対し、後手は金1枚しか利きがありません。このように利きの数で勝っているときは、▲2三銀成のように2三の地点への攻めが成功するのです。

歩美
なるほど!利きの数で勝つために銀を前に出したんですね!

 

足し算の攻め、数の攻めを覚える

テーマ図

【図3-1 今度は後手の利きの数が多い】

【図3-1 今度は後手の利きの数が多い】

次のテーマ図に移ります。今度は後手がさらに守りを固めています。2三の地点に金と銀の計2枚の利きがあるため、先ほどのような攻めでは利きが1枚足りなくなります。持ち駒の香車を使ってこの状況を打破しましょう!

図3-1からの指し手
▲2七香(図3-2)

【図3-2 香車を足して数の攻めを狙う】

【図3-2 香車を足して数の攻めを狙う】

図2-7からは持ち駒の香車を2七に打って、さらに攻め駒の数を足す手が好手です。ここからの指し手を見ていきましょう。

香介
こうやって駒の数を足して攻めていくことを「足し算の攻め」っていうんだ!

図3-2からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲同銀、△2三歩(図3-3)

【図3-3 数の攻めか成功する形】

【図3-3 数の攻めか成功する形】

図3-2からは局面を簡単にするために後手の指し手をパスしていますが、▲2四歩から攻めていけば先手の攻めが成功です。△同歩、▲同銀、△2三歩と進んだ図3-3では、2三への利きが先手は3枚あるのに対し、後手は2枚しかないのがわかりますか?

図3-3からの指し手
▲2三銀成、△同銀、▲同香成(図3-4)

【図3-4 数の攻めが成功!】

【図3-4 数の攻めが成功!】

図3-3からさらに進めて先手の攻めが成功しました。このように利きの数で勝って攻めることを「数の攻め」といいます。数の攻めは将棋の基本テクニックとなるので覚えておきましょう。

香介
中盤の攻めのコツを見てきたよ!ポイントをまとめよう!

飛車を成り込むコツ

  • 飛車を成り込むのを狙う
  • 飛車だけで駒が足りないときは銀を前に出す
  • 駒を足して数の攻め
歩美
どんどん駒を前に出してかすを足していくんですね!

 

Sponsored link

駒得を狙う

香介
ここからは駒得について解説していくよ!

駒の価値を知る

テーマ図

【図4-1 お互いに歩を持っている】

【図4-1 お互いに歩を持っている】

たとえば、図4-1のような局面を考えてみましょう。お互いに持ち駒に歩を持っている状況ですが、ここから先手優勢になる手順を考えてみましょう。

図4-1からの指し手
▲1三香成、△同香(図4-2)

【図4-2 香車と角の交換】

【図4-2 香車と角の交換】

図4-1から先手は角を取り、後手は香車を取りました。このような状況を「香車と角を交換した」と表現します。お互いに1枚ずつ持ち駒を増やしたわけですが、先手と後手はどちらが優勢になったでしょう?

将棋の駒はそれぞれ価値が違います。例えば歩よりも飛車の方が強力で価値が高いというのはみなさんも感覚的にわかると思います。図4-2では香車と角を交換したわけですが、一般的には香車よりも角の方が価値が高いとされているため、角を取った先手の方が優勢と考えられるのです。このように価値の低い駒と引き換えに、価値の高い駒を得ることを「駒得(こまどく)」といいます。将棋の中盤は、駒得を意識した戦いをするとよいでしょう。

歩美
うんうん。確かに香車よりも角の方がたくさん動けて強いですもんね!
香介
駒の価値について以下にまとめるよ!大駒、カナ駒、小駒に分けてランク分けされているんだ!

将棋の駒の価値

  • 大駒 :飛車と角が一番価値が高い
  • カナ駒:金と銀が次に価値が高い
  • 小駒 :桂馬と香車が次に価値が高い
  • 歩兵 :歩は一番価値が低い
歩美
もちろん玉将は別格で価値が高いですよね!取られたら負けちゃうんですから!
香介
駒の価値や駒得については以下の記事も参考にしてね!

手筋を覚えて駒得を狙う

香介
ここからは実際に駒得をしていくためのテクニックを少し紹介するよ!

テーマ図

【図5-1 持ち駒の角をうまく使おう】

【図5-1 持ち駒の角をうまく使おう】

図5-1は初心者同士の序盤にありそうな局面です。持ち駒の角を使って駒得する方法を考えてみましょう。

図5-1からの指し手
▲9五角(図5-2)

【図5-2 飛車を逃げると玉が取れる】

【図5-2 飛車を逃げると玉が取れる】

図5-1からは▲9五角と王手するのが好手です。ここで後手は△4二玉などと玉を逃げるなどする必要がありますが、▲8六角と飛車を取ることができます。このように2以上の駒を取れるような指し手を「両取り」といい、駒得するための基本テクニックです。

歩美
なるほど!玉と飛車を両方取れるところに角を打つんですね!
香介
両取りの手筋については以下の記事にまとめているよ!

 

指し手がわからないときは囲いを固める

中盤で指し手がわからなくなった場合、どのような手を指すのが良いのでしょう?基本的に明確な攻め手がわからないときは、玉の守りを固めておくのがセオリーです。例えば下の図6-1~図6-2のように、カニ囲いを発展させて矢倉囲いに組むといった手がそれにあたります。

【図6-1 カニ囲い】

【図6-1 カニ囲い】

【図6-2 矢倉囲い】

【図6-2 矢倉囲い】

香介
まずは囲いの形を覚えて、それを目指すように指していくのがいいよ!

将棋入門へ戻る

まとめ

香介
今回は中盤の指し手を学んだね!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 中盤は龍を作るのを目指す
  • 駒得を狙った指し手
  • 指し手がわからないときは守りを固める
歩美
中盤の方針が分かってきました!

将棋入門へ戻る


-初心者向け入門講座
-, ,

執筆者:

youtubeもやってます

関連記事





comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です





Kindle Unlimitedに登録すれば今なら30日間無料で棋書が読み放題!気になる棋書をチェック!

Kidle Unlimitedで読める棋書はこちら

Kindle Unlimitedを無料体験