今回の記事では、さまざまな種類の美濃囲いをまとめます。
目次
美濃囲いとはどんな囲い?特徴や弱点は?
美濃囲いの基本形
美濃囲いは、図1-1の囲いを基本にさまざまなバリエーションがあります。図1-1の囲いは単に「美濃囲い」と呼ばれたり、他の美濃囲いと区別して「本美濃囲い」と呼ばれます。
振り飛車で使われる基本的な囲いです。
美濃囲いの組み方、手順は?
美濃囲いは振り飛車で使われる囲いのため、四間飛車の陣形からどのように美濃囲いを組むのか見ていきましょう。まずは玉を2八まで移動させ、▲3八銀と上がっておけば、とりあえずの囲いは完成です。この形は「片美濃囲い」と呼ばれます。ここでは▲1六歩と端歩を突いておくことも多いです。
片美濃囲いから金を囲いにくっつければ美濃囲いの完成です。ここまで6手しかかかっておらず、手数が少なくしっかり堅い囲いを組むことができるのが美濃囲いの特徴と言えるでしょう。
美濃囲いは振り飛車で使う囲い!横からの攻めに強いのが特徴
美濃囲いは、四間飛車などの振り飛車で使われます。飛車の振る筋や、相手の作戦を問わず使える万能な囲いです。
金銀の連結が良く、横からの攻めに強いのが特徴です。一方で縦からの攻めには弱く、特に斜めのラインを使ったコビン攻めや端攻めにはめっぽう弱いです。美濃囲いを使う人は、どのようなパターンで囲いが崩されてしまうのか知っておくとよいでしょう。
美濃囲いのバリエーション一覧
本美濃囲い(美濃囲い)
美濃囲いの基本となる「本美濃囲い」です。金銀3枚が綺麗に連結した囲いで、横からの攻めに対してはかなりの強さを発揮します。一方でナナメのラインを攻めるコビン攻めや、1筋を攻める端攻めに対しては弱くなっています。
片美濃囲い
本美濃囲いから左の金が外れた形が「片美濃囲い」です。このあとは、左金を囲いにくっつけ本美濃囲いに発展させる指し方や、左金を7八に上がり片美濃囲いのまま8筋のまもりを固める指し方があります。
高美濃囲い
本美濃囲いをさらに発展させると「高美濃囲い」になります。3七の桂馬は跳ねる形と跳ねない形があります。高美濃囲いは美濃の弱点であったコビン攻めに対して強くなっている一方、横からの攻めに対しては多少弱くなっているのが特徴です。
銀冠
高美濃囲いをさらに発展させたものが「銀冠」です。高美濃囲いと同様に、桂馬は跳ねる形と跳ねない形があります。
上部がかなり手厚くなっていて、端攻めにも強くなっている一方で、下段はスカスカになってしまっています。しかし囲いが崩された後も1七の地点に玉を逃がして詰みまでの手数を稼ぐような手もあり、なかなか寄せきれない形です。
ダイヤモンド美濃
金銀4枚で囲うのが「ダイヤモンド美濃」です。金と銀の四角形の並びをダイヤモンドに例えています。始め方この形を狙うというよりも、戦いの中で左銀をうまく囲いにくっつけることで完成する囲いです。
木村美濃
片美濃から発展させた形が「木村美濃」です。金銀2枚で囲い、もう一枚の金は左辺の守りに使うこともあります。片美濃囲いの弱点であったコビンがカバーされているのが特徴で、さらに右桂を跳ねて攻めに使うことも可能です。
銀美濃囲い
5八の地点に金ではなく銀をくっつけるのが「銀美濃囲い」です。左金を8筋の守りに使っているような陣形で登場することがあります。
金美濃囲い
3八の地点に銀ではなく金を置くのが「金美濃囲い」です。片美濃囲いよりも上部からの攻めに強いですが、あまり見ることのない囲いです。
ちょんまげ美濃
美濃囲いの2筋の歩が伸びた形が「ちょんまげ美濃」です。居飛車に見せかけて振り飛車に振りなおす、陽動振り飛車という作戦で登場します。基本的に2六の歩は傷になるので、ここから銀冠などに組み替えて傷を消しに行きたいところです。
坊主美濃
ちょんまげ美濃の2六の歩がなくなってしまった形が「坊主美濃」です。こちらも陽動振り飛車で使われることのある囲いですが、玉頭がかなり薄くなってしまうため細心のケアが必要です。
左美濃
左側に美濃囲いを作るのが「左美濃」です。居飛車で使う囲いで、対振り飛車に使うのが一般的ですが、相居飛車でも使われることがあります。角の頭が弱点になってしまうため、振り飛車で使う美濃囲いに比べると若干弱くなってしまいます。