今回は美濃囲いを横から崩す手筋を解説していきます。実戦で頻出の手筋を厳選して紹介していこうと思うので、対振り飛車に苦手意識がある方は必見です!
目次
参考棋書:美濃崩し200
YouTubeの動画で学ぶ美濃囲いの崩し方
片美濃を崩す手筋
基本の片美濃崩し
図1-1は片美濃囲いに対して、1段飛車に構えています。美濃囲い相手には、1段飛車に構えておくと崩しやすくなることが多いです。まずはここからの美濃崩しを見ていきましょう。
▲6二金として金を捨てるのが手筋です。後手はこれを放置していると次に▲6一金として金を取られてしまうので、何か受けの手を指したいところです。
後手が△6二金として金を取ってくれば、▲7一銀が王手金取りとなります。なお、テーマ図の図1-1での先手の持ち駒は、銀2枚や銀と角といった組み合わせでも構いません。最初に6二にカナ駒(金将もしくは銀将のこと)を打ち、3手目は7一に銀や角といった斜め後ろに利く駒を打てればよいのです。
香車を使うパターン
先ほどのテーマ図と似ていますが、今度は持ち駒が金の代わりに香車になっています。同じような狙い筋でうまく攻められるでしょうか?
▲6三香と上から香車を打つのがポイントです。次の狙いはもちろん▲6一香成と金を取ることです。後手はこれに対して金を逃げていきます。
後手が△7一金と金を逃がしたところで、冷静に▲6二香成とすれば、先ほどの片美濃崩しと同じ形になります。このあとの指し手はお分かりかと思いますが、さらに進めていきます。
なお、テーマ図からいきなり▲6二香と打つと、△7一金と逃げられたときに追撃の手段がありません。▲6三香として、香車を成らせるスペースを確保しておく必要があったのです。
先手の▲6二香成に対し、後手が△同金ととれば、やはり▲7一銀が厳しく、美濃囲いの守りが崩壊してしまいます。
と金攻めでじわじわ崩せ!
ここからは本美濃囲いを崩す手筋を見ていきましょう。まずは桂馬と歩という安い駒だけで崩す手筋を見ていきます。派手な手筋ではありませんが、実戦ではかなり役立つでしょう。
5二の金を狙うのが美濃崩しの基本です。まずはその急所の金を桂馬で露骨に狙っていきます。そして金が逃げたところに歩を打ちましょう。なお▲4四桂に対して後手が△5一金引としても▲5二歩です。このときは歩が相手の金に当たるためより得しています。
図3-2からは、▲5一歩成、△7一金、▲5二とという攻めを狙っていきます。単純でわかりやすい攻めですが、これも美濃に対する基本の攻め筋となります。
角の使い方
金を直接狙う角
ここからは角の場所によって攻め筋が変わっていく様子を見ていきましょう。まずは3四の位置に角がいます。まだまだ美濃囲いは安全のように見えますが、ここから一気に崩す順があります。
まずはいきなり角切りが成立します。基本的に将棋は終盤になると角よりも金の方が価値が高くなる局面が多いです。3四の位置の角は、美濃囲いの2枚の金を両方とも睨んでいる好位置なのです。
図4-2から後手が△同金と馬を取れば、▲7一銀から詰んでしまいます。なおもしも美濃囲いの端歩が1四歩と突いてある形だったとしても、この攻め筋は有力なものとなります。
美濃の隙間をすり抜ける角
今度は、角の位置が先ほどとは1マス違います。この場合はどのような攻めが有効でしょうか?
角と飛車の効いている7一のところに銀を打ち込むのが厳しい攻めです。後手はこれに対し△同金とすると、▲同飛成、△9二玉、▲8二金で詰んでしまします。
後手は仕方なく玉を逃がしますが、ここで▲6一飛成で追撃です。これに対して△同銀とすれば▲8二金で詰んでしまうので、後手は9四歩などと逃げ道を開けて粘るしかなくなります。
2枚飛車での攻め
最後に紹介するのは2枚飛車での攻め筋です。テーマ図ではすでに先手がよさそうですが、ここからのよくある攻め筋を見ていきたいと思います。
▲5二飛成と金をとってしまいます。後手はこれに対して△同金と取りたいところですが、もう1枚の飛車が玉を睨んでいます。
図6-2から後手が△8二玉などとしてしまったら、さらに▲6一飛成と追撃できます。後手はこの龍に対しても△同銀とは取れないのです。
まとめ
- 1段飛車で攻める
- 6二に駒を打って金で取らせる手筋
- 5二の金を狙うのが本美濃崩しの基本
- 角の位置によって狙い筋が変わる
- 2枚飛車の攻め