この記事では横歩取りの基礎の基礎について解説していきます。横歩取りの形になるまでの基本の指し方や、その派生について見ていきます。
Contents
参考棋書：ひと目の横歩取り
YouTubeの動画で学ぶ、横歩取り定跡
ゼロから始める将棋研究所のYouTubeチャンネルでは、動画で横歩取りの定跡を学べます。動画の内容は、ブログ記事とほとんど同じものとなっています。
横歩取りの序盤の手順と指し方
【図1-1 お互いに飛車先を伸ばす】
図1-1は、初手からお互いに角道を開けた後、飛車先を伸ばしてきたところです。ここからどのように横歩取りの駒組みに進んでいくのか見ていきましょう。
お互いに飛車先の歩を交換
【図1-2 飛車先を交換する】
お互いに2筋、8筋を金で守ったら、▲2四歩と突いて飛車先を交換しに行きます。これに対して△同歩、▲同飛は自然な流れでしょう。
【図1-3 お互いに飛車先を交換する】
図1-2から、後手も飛車先を交換してきました。ここから横歩取りの形にするにはどのように指せばよいでしょうか？
横歩取りの基本形へ
【図1-4 横歩取りの基本形】
図1-3から横歩を取って横歩取りの基本形となりました。ここから後手の指し手によってさまざまな戦型に派生していきます。
【図a-1 いきなり飛車先交換】
図a-1は、初手から▲7六歩、△3四歩、▲2六歩、△8四歩、▲2五歩、△8五歩、▲2四歩、△同歩、▲同飛と進んだところです。▲7八金を省略して飛車先の歩を交換したところですが、ここから後手には良い手があります。
【図a-2 2筋を抑え込まれる】
図a-1からは△8八角成、▲同銀、△3三角と飛車銀両取りに角を打たれます。▲2八飛で一時的に受かりますが、図a-2のように△2六歩と垂らされるのが厳しい一手です。次の2七歩成が残って後手が指しやすくなります。
【図b-1 2三歩戦法】
図1-2 から後手が△2三歩と打った局面が図b-1です。ここから先手が飛車を引けば相掛かりの形になりますが、▲3四飛と横歩を取ると、△2三歩戦法という形になります。△2三歩戦法は先手が有利とされているため、プロの将棋では後手は△2三歩と打たないことが多いです。
基本形からの後手の指し手
横歩取りの基本形である 図1-4 からの後手の指し手をいくつか見ていきます。基本的には、以下の3つが後手の指し手となります。
- △3三角と上がる形
- △3三桂と上がる形
- △8八角成と角交換する形
△3三角と上がる形
【図2-1 △3三角型空中戦法】
図1-4から△3三角とする形が、プロアマ問わず一番よくみられる形です。図2-1の形は△3三角型空中戦法と呼ばれています。
△3三桂と上がる形
【図2-2 △3三桂と上がる形】
図1-4から△3三桂とする形も有力です。この形は力戦形になりやすいのが特徴です。
△8八角成と角交換する形
【図2-3 角交換する形】
図1-4から角交換する形は、最も激しい変化の一つです。ここからは後手の指し手によって、△4五角戦法や、相横歩取りの形に変化していきます。
【図c-1 後手も△7六飛と横歩を取ったら】
図1-4から図c-1のように後手も横歩を取るような変化も考えられますが、実はこの形はすでに先手勝勢となっています。
【図c-2 金銀どちらで取っても飛車が走れる】
図c-1から▲2二角成とすると先手勝勢となります。次に後手が△同金とすれば▲3一飛成、△同銀とすれば▲3二飛成と駒得しながら飛車を成ることができます。後手はまずこの筋を防ぐ必要があったのです。
まとめ
