角換わり

角換わり棒銀

投稿日: 01/14/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
最近角換わりの勉強をしています!まずは棒銀から練習しているんですが、相手にうまく受けられて攻めが続きません…
香介
今回は角換わり棒銀の定跡やちょっとしたコツを解説していくよ。

今回は、角換わり棒銀の攻め筋や、その受け方について解説していきます。

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参考棋書:角換わり 初段の常識

香介
今回の記事は、マイナビ出版の「角換わり 初段の常識」を参考にしたよ!角換わり棒銀、早繰り銀、腰掛け銀の基本的な筋と、最新形についても解説している棋書なんだ!

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歩美
それでは角換わり棒銀の指し方を教えてください!

 

YouTubeの動画で学ぶ、角換わり

香介
今回の記事は動画でも解説しているよ!

歩美
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!

 

角換わり棒銀の基本図

角換わりの基本図

テーマ図

【図1-1 角換わりの基本図】

【図1-1 角換わりの基本図】

図1-1は角換わりの基本図です。先手はここから棒銀、早繰り銀、腰掛け銀などの作戦を選択していくこととなります。今回は角換わり棒銀の解説記事なので、棒銀の構えに進んでいく順を見ていきましょう。

香介
図1-1までの指し方や、角換わりの基本については以下の記事で解説しているよ!

角換わり棒銀の形に

図1-1からの指し手
▲2五歩、△3三銀、▲2七銀、△6四歩、▲2六銀(図1-2)

【図1-2 角換わり棒銀の構えに】

【図1-2 角換わり棒銀の構えに】

図1-1から数手進めて棒銀の構えを取りました。ここからの先手の攻め筋や、後手の受け方、対策について見ていきましょう。

歩美
棒銀の基本的な狙いや、よくある攻め筋についてはこっちの記事で詳しく解説しています!!
香介
今回の記事では、主に2つの変化を見ていくよ!一つ目は先手が端から攻めていく形、もう一つは後手が△5四角と打ってきて棒銀を受けてきた場合の形だ!

角換わり棒銀の形

  1. 端から攻める形
  2. 後手が△5四角と受けてくる形

 

端攻めを絡めた棒銀の攻め筋

香介
まずは棒銀でよくある端攻めの狙いを見ていこう!角換わりならではの攻め筋に注目だ!

後手が端歩を突いてきたら銀香交換を狙う

図1-2からの指し手
△1四歩、▲1六歩、△6三銀、▲6八玉、△7四歩(図2-1)

【図2-1 お互いに端歩を突き合う】

【図2-1 お互いに端歩を突き合う】

後手は▲1五銀として銀が進出してくるのを防ぐため、△1四歩としてきました。この場合はこちらも▲1六歩として端を突き返し、端攻めを狙っていきます。今回は、端攻めをする前に▲6八玉としています。一度攻め始めると一気に中盤~終盤の形になっていくので先に居玉を解消しているのです。

図2-1からの指し手
▲1五歩、△同歩、▲同銀、△同香、▲同香(図2-2)

【図2-2 銀香交換で攻める】

【図2-2 銀香交換で攻める】

▲1五歩から攻めていきます。▲1五歩、△同歩に対して▲同銀と銀で取るのが手筋で、銀香交換となりますが後手の端を守っている香車を取れるのが大きいです。

手筋の垂れ歩

図2-2からの指し手
△1三歩、▲1二歩(図2-3)

【図2-3 垂れ歩の手筋】

【図2-3 垂れ歩の手筋】

図2-2から後手が△1三歩と守ってきたら、▲1二歩の垂れ歩が厳しい一手になります。次の▲1一歩成が成功すれば桂馬を取ることができます。

歩美
これは垂れ歩の手筋ですね!垂れ歩は前の記事で勉強しました!

定跡の▲6六角で先手優勢

図2-3からの指し手
△2二銀、▲6六角(図2-4)

【図2-4 ▲6六角と打つのが定跡】

【図2-4 ▲6六角と打つのが定跡】

後手が△2二銀として次の歩成を受けてきたら、▲6六角と打つのが定跡です。この角打ちにはどんな狙いがあるのでしょうか?

香介
ちなみに△2二銀打と持ち駒の銀でガッチリ受けてきたときは▲8四香、△同飛、▲9五角として準王手飛車だ!飛車を取って左辺から攻めていけば、2二にうった銀が相手玉の逃げ道をふさぐ形になるんだ!

図2-4からの指し手
△6五歩、▲8四香(図2-5)

【図2-5 狙いの▲8四香】

【図2-5 狙いの▲8四香】

△6五歩と角を取りに行くのが自然ですが、▲8四香が狙いの一手でした。図2-5から△6六歩と角を取りにくれば、▲8二香成と飛車を取って攻め合えば先手優勢でしょう。居玉の後手は飛車で攻められたらひとたまりもありません。

図2-5からの指し手
△6二飛、▲2二角成、△同金、▲1一歩成、△3三桂、▲8一香成(図2-6)

【図2-6 角と銀桂の2枚替えで先手良し】

【図2-6 角と銀桂の2枚替えで先手良し】

図2-5から後手の飛車が逃げれば、▲2二角成と角を切ってしまいます。そこから△同金にいったん▲1一歩成として桂取りに当ててから▲8一香成とします。これで角と銀桂の2枚替えの上に、先手は成り駒が2枚でき相手玉を挟み撃ちする形になって優勢です。

歩美
難しい手順でしたが図2-6を見ると先手が指しやすそうな感じになってますね!▲6六角がミソでした!

 

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端攻めの受け方とその対策

香介
ここからは少し局面を戻して別の変化を見ていこう!

△1六歩には▲1八歩で受ける

図2-2 からの指し手
△1六歩、▲1八歩(図3-1)

【図3-1 ▲1八歩で受ける】

【図3-1 ▲1八歩で受ける】

図2-2 まで戻って別の変化を見ていきます。△1三歩に変えて△1六歩としてきました。この手は、次に△1七歩成、▲同桂、△1九角として飛車取りと△3七角成を狙っていきます。ここは▲1八歩とがっしり受けておきましょう

△4四銀として飛車をいじめてくる

図3-1からの指し手
△4四銀、▲2四歩、△1九角(図3-2)

【図3-2 飛車いじめ】

【図3-2 飛車いじめ】

後手は△4四銀として陣形を盛り上げてきます。先手は手薄になった2筋を狙うため▲2四歩としたところで△1九角が狙いの角打ちです。飛車の逃げ場所が狭いですが、どこに逃げましょう?

図3-2からの指し手
▲2七飛(図3-3)

【図3-3 ▲2七飛とかわす】

【図3-3 ▲2七飛とかわす】

図3-2からは▲2七飛とかわします。ここで▲2五飛だと△7七桂、▲2六飛だと△3五銀から飛車を追われてしまいます。図3-3からは2筋から攻める手や、▲1一香成から攻める手、飛車を5筋に回る手などがあります。

香介
ここからは、いかに飛車をうまく働かせられるかが勝負になるよ!

 

△5四角と升田新手

香介
ここからはテーマ図まで戻って、別の変化を見ていこう!△5四角と打ってくる変化だよ!

棒銀に対する△5四角

図1-2 からの指し手
△6三銀、▲1五銀、△5四角(図4-1)

【図4-1 棒銀に対する△5四角】

【図4-1 棒銀に対する△5四角】

図1-2 まで戻り別の変化を見ていきます。今度は後手は棒銀に対して端歩を突いてこなかったので、▲1五銀として次の▲2四歩を狙います。ここで後手は△5四角としてきましたが、これにはどういった狙いがあるのでしょう?

銀をタダで取られてしまう!

図4-1からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲同銀、△2七歩(図4-2)

【図4-3 飛車が逃げると銀が取られる】

【図4-3 飛車が逃げると銀が取られる】

図4-2から普通に▲2四歩から攻めようとすると、△同歩、▲同銀と進んだところで△2七歩と打たれて劣勢です。飛車が逃げると△2四銀で銀をタダで取られてしまいます。

歩美
あっ!これで銀を取られちゃうんですね!うっかりしそうな筋です!

升田新手の▲3八角

図4-2からの指し手
▲3八角、△4四歩(図4-4)

【図4-4 升田新手の▲3八角】

【図4-4 升田新手の▲3八角】

図4-2からは▲3八角と打つ手があります。これは升田新手と呼ばれる手で、2七に利きを足しています。ここで△4四歩と突くのが定跡で、これは後手陣の桂馬に利きを足す手です。ここから数手進めてこの意味を見ていきましょう。

図4-4からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲同銀、△同銀、▲同飛、△3三金(図4-5)

【図4-5 桂馬にヒモが付いている】

【図4-5 桂馬にヒモが付いている】

▲2四歩から攻めて銀交換に持ち込みます。▲2四飛と飛び出してきたところで△3三金とするのが手筋で、2一の桂馬にヒモが付いているため飛車が前に出ることができません。ここからは先手は3八の角をいかに働かせるかという将棋になります。

歩美
なるほど!意外と飛車が狭くなってますね!

補足
▲3八角に対しても△2七歩としてきたら?

【図a-1 △2七歩に対しては?】

【図a-1 △2七歩に対しては?】

図4-4から▲2四歩、△同歩、▲同銀と進んだところに△2七歩としてきた局面が図a-1です。ここではどのように指すのが良いでしょうか?

【図a-2 ▲同角として先手良し】

【図a-2 ▲同角として先手良し】

図a-1からは▲同角として先手良しです。ここから△同角なら▲同飛、△2四銀なら▲5四角です。

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まとめ

香介
今回は角換わり棒銀の指し手を解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 銀香交換から端攻め
  • ▲6六角から▲8四香の攻め筋
  • △1六歩には▲1八歩で受ける
  • △5四角には升田新手の▲3八角
歩美
角換わり棒銀の攻め筋やその受け方がわかりました!

今回紹介しきれなかった攻め筋や、さらに細かい変化については、マイナビ出版の「角換わり 初段の常識」を読まれることをオススメします。角換わり棒銀だけでなく、早繰り銀や腰掛け銀も解説されています。

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【図2-2 銀香交換で攻める】

【図2-2 銀香交換で攻める】

【図1-2 角換わり棒銀の構えに】

【図1-2 角換わり棒銀の構えに】