手筋

歩兵の手筋と使い方

投稿日: 10/28/2018 更新日:

将棋で歩兵は一番弱い駒ですが、うまく使いこなすことで非常に強力な駒となります。段位者と級位者の一番の差は歩の使い方と言われているくらい、歩は重要な駒なんです。

香介
今回は歩兵の使い方を解説するよ。
歩美
歩に使い方もなにもあるんでしょうか…?ただ前に進むだけなんじゃ…?
香介
歩の使い方は本当に重要だよ!うまく歩が使いこなせるようになるのは初段への第一歩だ。

今回は歩兵の基本的な使い方を解説し、さらに歩兵を使った手筋として「垂れ歩」「継ぎ歩」「叩きの歩、焦点の歩」「歩の連打」「控えの歩」「底歩」を紹介したいと思います。

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YouTubeの動画で学ぶ、歩の手筋

香介
今回の記事は動画でも解説しているよ!

歩美
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!

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垂れ歩

テーマ図

【図1 持ち歩をどこに打つ?】

【図1-1 持ち歩をどこに打つ?】

まずは図1-1のような局面を考えてみましょう。持ち駒に歩が1枚ありますが、どこに打つのが良いでしょう?

歩美
うーん?▲2三歩って打ちたいとこですケド…。

図1-1からの指し手
▲2四歩(図1-2)

【図1-3 次に歩成を見せるのが垂れ歩】

【図1-2 次に歩成を見せるのが垂れ歩】

図1-1からは▲2四歩と打って、つぎに▲2三歩成を狙うのが正解です。後手はこの歩成がわかっていても受けることができません。このように、次に歩成を見せた歩打ちを「垂れ歩」といいます。

【図1-2 ▲2三歩と打つと角が逃げられる】

【図1-3 ▲2三歩と打つと角が逃げられる】

図1-1から▲2三歩と直接打ってしまうと、△3三角と逃げられた後、攻めが続きません。

香介
直接駒を打ち込むんじゃなくて、こういった冷静な攻めができるようになるといいね。

 

継ぎ歩

テーマ図

【図2-1 2枚の歩でうまく攻められるか?】

【図2-1 2枚の歩でうまく攻められるか?】

図2-1のような局面を考えてみます。持ち駒の2枚の歩を使ってうまい攻めはないでしょうか?

図2-1からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲2五歩(図2-2)

【図2-2 連続で歩を捨てるのが継ぎ歩】

【図2-2 連続で歩を捨てるのが継ぎ歩】

図2-1から▲2四歩、△同歩と進んだ後、さらに▲2五歩と歩を打ちます。このように連続で歩を捨てて相手の歩を吊り上げていく手筋を「継ぎ歩」といいます。

図2-2からの指し手
△2五歩、▲2四歩(図2-3)

【図2-3 継ぎ歩と垂れ歩のコンボ】

【図2-3 継ぎ歩と垂れ歩のコンボ】

▲2五歩に後手は△同歩と取るよりありませんが、そこで▲2四歩と垂れ歩を打てば飛車先を突破できます。

歩美
すごい!継ぎ歩と垂れ歩のコンボで後手陣を突破できます!!
香介
持ち歩が複数枚になったら継ぎ歩や垂れ歩の手筋を使える場面が増えてくるよ。

 

叩きの歩、焦点の歩

持駒の歩を相手の駒の前にポンと打ち込む手筋を「叩きの歩」といいます。単純な手筋ですが、うまい場所に歩を打ち込むだけで敵陣が崩壊していくこともあります。

歩美
歩を打つだけですか??とても手筋なんてものには思えませんけど…。
香介
ここから例をいくつか見ていけば、叩きの歩のすごさがすこしはわかると思うよ。

 

焦点に歩を打つと好手になりやすい

香介
相手の駒が複数枚効いている地点を「焦点」というんだ。この焦点に歩を叩くと好手になる例を見ていくよ。

テーマ図

【図3-1 持ち歩をどこに打つ?】

【図3-1 持ち歩をどこに打つ?】

図3-1の局面を考えてみます。持ち歩をどこに打つのが良いでしょうか?

図3-1からの指し手
▲6二歩(図3-2)

【図3-2 焦点の歩】

【図3-2 焦点の歩】

図3-1からは▲6二歩と焦点に歩を打つのが好手です。後手は、この歩を△同銀と取っても△同金と取っても、飛車で金銀どちらかが取られてしまいます。

【図3-3 △同銀とした場合】

【図3-3 △同銀とした場合】

【図3-4 △同金とした場合】

【図3-4 △同金とした場合】

歩美
歩1枚で相手の金銀の連携が崩れてしまいました!これが叩きの歩の力なんですね!
香介
その通り!初心者の内は実戦で叩きの歩はなかなか指せないと思うけど、こういうものがあるんだと知っておこう!

 

銀は前に誘え、金はナナメに誘え

香介
今度は叩きの歩で相手の囲いを崩していく手順を見ていこう!より実践的な例になるね。

テーマ図

【図3-5 叩きの歩で穴熊を崩す】

【図3-5 叩きの歩で穴熊を崩す】

図3-5は、後手の穴熊に対して先手の攻め駒は飛車1枚と持ち歩が2枚だけです。ここからうまく崩していく手順はないでしょうか?

図3-5からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲2三歩(図3-6)

【図3-6 叩きの歩で穴熊が崩壊】

【図3-6 叩きの歩で穴熊が崩壊】

図3-5から、▲2四歩、△同歩としてスペースを作ってから、▲2三歩と叩くのが良い手です。後手がこの歩を無視すれば次に銀を取ることができ、△同銀と歩を取ってくれば▲3一飛成と金をとれます。

歩美
歩だけで穴熊を崩せちゃいました!
香介
銀は真っすぐ前に進むと後ろに下がれない駒だから、叩きの歩で前に誘う手が好手になりやすいんだ。「銀は前に誘え」という格言もあるね。

 

テーマ図

【図3-7 高美濃囲いをどう攻める?】

【図3-7 高美濃囲いをどう攻める?】

次に図3-7のように後手が高美濃囲いに囲っている局面を考えます。今回は一気に囲いを崩すことはできませんが、大幅に囲いを弱体化させる手順があります。

歩美
まったく手掛かりがないように思えますけどどうすれば…??

図3-7からの指し手
▲7五歩、△同歩、▲7四歩(図3-8)

【図3-8 △同金とすると元の位置に戻れない】

【図3-8 △同金で元の位置に戻れなくなる】

図3-7から▲7五歩、△同歩、▲7四歩と叩くのが正解です。後手は△同金と取るよりありませんが、この金は6三の位置に戻れなくなってしまい、囲いが大幅に弱体化しました。

香介
金はナナメに進むと元に戻れない駒だから、叩きの歩でナナメに誘い出すのがいいんだ。「金はナナメに誘え」っていうくらいなんだ。

 

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歩の連打

テーマ図

【図4-1 3枚の持ち歩で香車を取ってみよう】

【図4-1 3枚の持ち歩で香車を取ってみよう】

連続で叩きの歩を打つ手筋を「歩の連打」といいます。例えば図4-1のような局面を考えてみます。

図4-1からの指し手
▲9二歩、△同香、▲9三歩、△同香、▲9四歩(図4-2)

【図4-2 歩の連打で香車を取る】

【図4-2 歩の連打で香車を取る】

ここから▲9二歩、△同香、▲9三歩、△同香、▲9四歩と連続で歩を叩くことで香車を取ることができます。

歩美
歩は香車の天敵なんですね!

 

控えの歩

テーマ図

【図5-1 後手の垂れ歩をどう受ける?】

【図5-1 後手の垂れ歩をどう受ける?】

次は歩を使った守りの手筋を見ていきます。図5-1のように、後手が「垂れ歩」の手筋を使ってきました。どのように受けましょう?

図5-1からの指し手
(図5-2)

【図5-2 控えの歩で受ける】

【図5-2 控えの歩で受ける】

ここは▲8八歩とするのが正解です。このように垂れ歩に対して1マス空けて歩で受ける手筋を「控えの歩」といいます。

香介
控えの歩」は「土下座の歩」なんて呼ばれることもあるよ。

 

底歩

テーマ図

【図6-1 舟囲いに囲っている】

【図6-1 舟囲いに囲っている】

最後に紹介するのは「底歩」手筋です。この手筋は実戦でも頻出する守りの手筋なので是非覚えましょう。図6-1のような局面を考えます。先手は舟囲いに囲っています。

【図6-2 放っておくと舟囲いが崩壊】

【図6-2 放っておくと舟囲いが崩壊】

後手は次に△8七香成、▲同玉、△8九飛成という攻めを狙っています。どのように受けるのが良いでしょう?

図6-1からの指し手
▲5九歩(図6-2)

【図6-3 底歩で受ける】

【図6-3 底歩で受ける】

図6-1からは▲5九歩と打つのが良い手です。このように1番下の段に歩を打って受ける手筋を「底歩」といいます。また特に、金の下に底歩を打つ手を「金底の歩」といいます。

 

香介
金底の歩、岩より固し」という格言もあるくらい、底歩は強い守りなんだ。

 

テーマ図

【図6-4 ▲5九歩は打てない】

【図6-4 ▲5九歩は打てない】

では次に図6-4のような局面はどうでしょう?同じように▲5九歩と打ちたいですが、今度は二歩となってしまうため打てません。

図6-4からの指し手
▲3九歩(図6-5)

【図6-5 飛車と組み合わせた底歩】

【図6-5 飛車と組み合わせた底歩】

この場合は▲3九歩という底歩が成立します。遠く敵陣にいる飛車が受けに働いているのです。

歩美
こんな手もあるんですね~。勉強になります。

 

まとめ

香介
今回は歩兵の使い方と手筋を解説したよ。
歩美
歩って単純な動きしかできないのに、いろんな使い方があるんですね!将棋って奥深いです!!

将棋の上達には、手筋を多く覚えて実戦で使いこなすことは重要です。さらに多くの手筋を学びたいと思った方は、渡辺明先生監修の「将棋・ひと目の手筋」を一読されることをおすすめします。今回紹介した手筋はもちろん、他にも実戦で使える手筋が208も解説されています。

 

また歩に関する手筋は、将棋世界2016年9月号付録の「歩の攻め手筋50」もおすすめです。ただしこちらはkindleでしか読めないので注意です。

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