四間飛車

藤井システムvs天守閣美濃(左美濃)

投稿日: 03/01/2020 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
四間飛車を指していたら、相手が変な美濃囲いを組んできました!なんか玉が上の方にいるんです!
香介
それは天守閣美濃っていう形だね!見た目以上に堅い囲いで、対策を知らないとなかなか勝ちにくいよ!

今回の記事では、藤井システムで天守閣美濃を崩していく手順を解説していきます。

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参考棋書:四間飛車を指しこなす本〈3〉

香介
今回の記事は、河出書房新社の「四間飛車を指しこなす本〈3〉」を参考にしたよ!藤井システムで戦う手順が詳しく解説されている棋書なんだ!

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歩美
それでは、四間飛車で天守閣美濃を崩す手順を教えてください!

 

四間飛車で天守閣美濃(左美濃)と戦う駒組み

藤井システムに構えよう

テーマ図

【図1-1 藤井システムの基本形】

【図1-1 藤井システムの基本形】

図1-1は藤井システムの基本図です。今回はこの形から、天守閣美濃を崩す手順を見ていきましょう。

歩美
藤井システムの基本形までの指し方は、以下の記事で解説してます!

▲3九玉までは囲っておく

図1-1からの指し手
△1四歩、▲4八玉、△8五歩、▲3九玉(図1-2)

【図1-2 ▲3九玉までは囲う】

【図1-2 ▲3九玉までは囲う】

藤井システムでは、居飛車穴熊に対しては居玉で駒組みを進めますが、それ以外の形に対しては玉をしっかり囲っていきます。相手は端歩を突いて飛車先も伸ばしてきたため、居飛車穴熊の可能性が低くなります。そのため▲3九玉までは囲っておきましょう。

相手の玉頭を狙え!

図1-2からの指し手
△2四歩、▲3六歩、△2三玉、▲2六歩(図1-3)

【図1-3 相手の玉頭を狙う】

【図1-3 相手の玉頭を狙う】

相手は、△2四歩~△2三玉として天守閣美濃の形を作ってきました。これに対しては、玉頭からの攻めを狙って▲2六歩と突いておきましょう。

香介
玉を3段目に囲うのが天守閣美濃の形だよ!

早めの桂跳ねで、4筋の位を取るのがポイント

図1-3からの指し手
△3二銀、▲3七桂(図1-4)

【図1-3 早めに桂馬を跳ねる】

【図1-3 早めに桂馬を跳ねる】

天守閣美濃と戦うときは、早めに桂馬を跳ねておくのがコツです。さらに手を進めて、桂跳ねの効果を見ていきましょう。

図1-3からの指し手
△4四銀、▲4五歩(図1-4)

【図1-4 4筋の位を取る】

【図1-4 4筋の位を取る】

相手が△4四銀として囲いを固めようとしてきたタイミングで、▲4五歩で4筋の位をとります。桂馬を早めに跳ねておくことで、このように4筋の位を取ることができるのです。仮に相手に△4四歩と突かれて4枚美濃に組まれてしまうと堅さで負けてしまいます。

香介
とにかく、4枚美濃に組まれたら作戦負けだよ!4枚美濃の形は以下の記事で紹介しているから参考にしてみてね!

図1-4からの指し手
△3三銀、▲6五歩(図1-5)

【図1-5 角のラインを通す】

【図1-5 角のラインを通す】

4筋の位を取ったら、角道を開けておきます。相手が△4四歩と指せていないため、敵陣にこちらの角が直通しているのがポイントです。

角引きには、▲4三銀を忘れずに

図1-5からの指し手
△3一角、▲6七銀(図1-6)

【図1-6 引き角に注意】

【図1-6 引き角に注意】

相手が、△3一角と角を引いてきたら注意で、▲6七銀と上がっておきましょう。この手は△8六歩、▲同歩、△同角と相手からしかけてこられたときに、▲8八飛と寄れるようにしています。

 

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藤井システムで、天守閣美濃(左美濃)崩し

▲2五歩から仕掛けていく

図1-6 からの指し手
△7四歩、▲5六銀、△5三角(図2-1)

【図2-1 次に2筋の歩が取られないように!】

【図2-1 次に2筋の歩が取られないように!】

図1-6 から、天守閣美濃を崩していく順を見ていきましょう。相手は角を△5三角と使ってきましたが、この手は次に△2六角と出る手があるので注意しましょう。2筋の歩を取られると攻めがなくなるので、ここで仕掛けます。

歩美
△2六角と出る手は意外とうっかりしそうですね!

図2-1からの指し手
▲2五歩、△同歩、▲同桂(図2-2)

【図2-2 ▲2五桂から攻めていく】

【図2-2 ▲2五桂から攻めていく】

▲2五歩~▲2五桂から仕掛けていきます。桂馬を跳ねた手が銀取りに当たっていますが、相手が△2四銀などと逃がすと、▲1一角成で一気に勝勢になります。

玉頭に歩を叩くのが厳しい攻め

図2-2からの指し手
△2二銀、▲2四歩(図2-3)

【図2-3 玉頭に歩を叩く手が厳しい】

【図2-3 玉頭に歩を叩く手が厳しい】

相手は△2二銀と銀を逃がしますが、ここで▲2四歩と玉頭に歩を叩くのが厳しい手です。△同玉なら▲2二角成があるため、相手はこの歩を取ることができません。

1筋と3筋を絡めて攻めていく

図2-3からの指し手
△1二玉、▲1五歩、△同歩(図2-4)

【図2-4 端玉には端歩!! 】

【図2-4 端玉には端歩!!】

相手は玉頭に叩かれた歩を取ることができないので、△1二玉と逃げるよりありません。しかし、相手玉が端に来たので、▲1五歩と端から攻めるのが好手になります。

香介
この局面で、▲同香と香車を走りたくなるけど、その前に指したい手があるよ!

図2-4からの指し手
▲3五歩(図2-5)

【図2-5 3筋も絡めて攻める】

【図2-5 3筋も絡めて攻める】

ここで▲3五歩として3筋も絡めて攻めていきます。さらに手を進めてみましょう。

香介
ここで相手は、△同歩と取る場合と△同角と取る場合があるけど、今回は△同歩の場合だけ見ていくよ!△同角と取るパターンは、紹介している棋書も参考にしてみてね!

図2-5からの指し手
△3五歩、▲1五香、△1三歩、▲3三歩(図2-6)

【図2-6 3筋に歩を叩いて攻める】

【図2-6 3筋に歩を叩いて攻める】

桂馬が1筋と3筋に利いているのを利用して、1筋と3筋を交互に攻めていきます。香車を走って歩を打たせたら、▲3三歩と叩いていきましょう。

図2-6からの指し手
△3三桂、▲1三香成、△同銀、▲1三桂成(図2-7)

【図2-7 天守閣美濃を突破】

【図2-7 天守閣美濃を突破】

やはり1筋と3筋を交互に攻めるのが好手です。最後は遠くから角が効いていて天守閣美濃の攻略に成功です。

歩美
あんなに堅かった囲いがみるみる崩れていって、まるで手品みたいですね!

 

引き角で相手から攻められたら?

相手から△8六歩の仕掛け

図1-6 からの指し手
△8六歩(図3-1)

【図3-1 相手からの仕掛け】

【図3-1 相手からの仕掛け】

図1-6 に戻り、相手から△8六歩と仕掛けられた場合を見ていきます。この手は、▲同歩、△同角と角を使っていく順を狙っています。

飛車を8筋に回るのが定番の受け

図3-1からの指し手
▲8六歩、△同角、▲8八飛(図3-2)

【図3-2 飛車を回すのが定番の受け】

【図3-2 飛車を回すのが定番の受け】

相手の角が飛び出してきたタイミングで、▲8八飛と飛車を回るのが部分的な定跡です。△7七角成なら▲8二飛成と飛車をとって先手良しです。

8筋の逆襲を狙っていく

図3-2からの指し手
△8五歩(図3-3)

【図3-3 相手は歩を打って対抗するが】

【図3-3 相手は歩を打って対抗するが】

図3-2から放っておくと▲8六飛で角がとられるので、相手は△8五歩と角を守ってきました。ここからの先手の指し手を少しだけ見ていきましょう。

図3-3からの指し手
▲6六角、△5三角、▲8四歩(図3-4)

【図3-4 角の利きで飛車先を止める】

【図3-4 角の利きで飛車先を止める】

▲6六角~▲8四歩で相手の飛車先を止めていきます。どこかで相手の角が動けば▲8五飛から8筋を逆襲していける形になりました。

香介
まだまだ難しい変化が続くけど、今回の解説はここまでにしよう!紹介しきれなかった変化は以下の棋書でも解説されているよ!

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まとめ

香介
今回は、四間飛車で天守閣美濃と戦う手順を解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 藤井システムの駒組み
  • 早めに桂馬を跳ねて、4筋の位を取る
  • ▲2五歩~▲2五桂の仕掛け
  • 1筋と3筋を絡めて攻める
  • △8六歩、▲同歩、△同角の仕掛けには、飛車を8筋に回して受ける
歩美
天守閣美濃との戦い方が良くわかりました!

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【図1-6 引き角に注意】

【図1-6 引き角に注意】