今回は、居飛車穴熊で振り飛車と戦う手順を見ていきます。
目次
参考棋書:四間飛車破り【居飛車穴熊編】
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対振り飛車持久戦の基本形
対振り飛車の基本形
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【図1-1 対振り飛車の基本形】
図1-1は対振り飛車の基本形です。今回はこの局面から居飛車穴熊に組んでいく順を見ていきましょう。
角を上げて、玉が深くに移動できるように
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【図1-2 角を上がるのが持久戦の指し方】
右の銀を5七にあげ、▲7七角と角を上げるのが駒組みのコツです。対振り飛車で囲いを堅くするためには、玉を囲いの奥に入れる必要があるため、角を退かしてスペースを作ります。また▲5七銀と上がっておくことで、相手が4筋から無理やり攻めてきたときに受けることができます。
居飛車穴熊の作り方!組むだけで優勢!?
香車を上げて、玉を下に潜る
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【図2-1 香車を上げて、下に潜る】
穴熊を組むときは、まず左の香車を1マスだけ上がりましょう。香車の下に玉を潜らせて、深く囲っていきます。
銀で蓋をすれば穴熊の完成
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【図2-2 穴熊の完成】
香車の下に潜った玉を、銀で蓋すれば穴熊囲いの完成です。この形に組めれば、簡単には玉が攻められることはなくなります。
金をくっつけてさらに堅く!
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【図2-3 金をくっつけて固める】
穴熊に金をペタペタとくっつけていけば、囲いはどんどん強力になっていきます。この形まで無条件に組めれば、すでに居飛車側が若干優勢と言ってもいいでしょう。
角を引いて攻めに使う
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【図2-4 角を引いて攻めに使う】
居飛車穴熊が完成したら、角を引いて攻めに使っていきます。ここからは右の銀を▲4六銀と前に出していってから▲3五歩と仕掛けていくような手が有力です。角と銀のナナメのラインで攻めていけます。
相手が工夫してきたら?四間飛車側の手筋
早めに桂馬を跳ねる
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【図3-1 早めに桂馬を跳ねる】
図1-2 まで戻って、別の指し手を見ていきます。今度は相手も穴熊に警戒して、駒組みを工夫してきました。早めに桂馬を跳ねてきましたが、狙いは何でしょうか?
角道を閉じさせて、△4五歩が狙い
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【図3-2 角道を閉じさせて、△4五歩が狙い】
早めの桂跳ねは、次に△6五桂と跳ねて角銀両取りにする狙いがあります。そのため▲6六歩として受けますが、ここで△4五歩とするのが真の狙いでした。居飛車側の角道を閉じさせて、振り飛車側だけ角のラインを通して攻めを目指します。
棒銀っぽく構えてきたら?
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【図3-3 棒銀っぽく構える】
相手は、銀をズンズン進めてきました。ここで指しておきたい手がありますが、相手の狙いは何でしょう?
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【図3-4 銀の進出を防ぐ】
相手は△3五銀~△4六歩として棒銀っぽく攻めていく手を狙っています。あらかじめ▲3六歩と突いておいて、銀の進出を防いでおきましょう。
と金を作られると指しにくい
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【図3-5 駒組みを進める】
ここからは相手もすぐには攻めずにしばらく駒組みを進めます。相手の囲いは、高美濃囲いという形で、振り飛車でよく使われる形です。
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【図3-6 5筋から攻めてくる】
相手は5筋から攻めてきました。次に△4六歩、▲同歩、△同銀、▲同銀、△同飛のような順で、銀交換しながら攻めていく順を狙っています。
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【図3-7 無理やり攻める手が成立】
5筋に歩を打って銀を追い返そうとしても、△4六歩から無理やり攻めていく手が成立しています。
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【図3-8 駒得しているが、相手の攻めが好調】
銀を取ることができましたが、相手はと金を作って攻めが好調です。まだまだ互角の戦いですが、このままと金でじわじわ攻められると、居飛車が指しにくい展開になりそうです。このように振り飛車側が棒銀風に攻めてくると簡単には勝てません。
松尾流穴熊での戦い方!4枚で囲う!
金を前にくっつけるのが駒組みのコツ
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【図4-1 金を上にくっつける】
図3-2 まで戻り、別の指し手を見ていきます。今度は、金を▲6七金~▲7八金と上側にくっつけていきます。
狙われる銀を引いて穴熊にくっつける
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【図4-2 松尾流穴熊】
5七の銀を引いて穴熊にくっつけると、「松尾流穴熊」という形の完成です。4枚で囲うかなり堅い囲いです。相手は△5五歩から銀を進めて銀交換から攻めていく狙いでしたが、攻めるための銀がいなくなってしまいました。
また、松尾流穴熊のメリットとして、6六や7六の地点が強いことも上げられ、相手が角のラインを使った攻めに転じてきても強い守りをg発揮します。
まとめ
- 振り飛車に対して持久戦に組むときは、▲5七銀~▲7七角としてから玉を奥に囲う
- 香車の下に玉を潜らせ、銀で蓋をすれば穴熊の完成
- 穴熊に金をくっ付けていって堅くする
- 相手の棒銀風の攻めに注意
- 4枚の松尾流穴熊に組めれば優勢
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