奇襲戦法

嬉野流vs棒銀

投稿日: 08/25/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
最近嬉野流を指してみてるんですけど、相手が棒銀に組んでくると受けきれないで負けちゃいます…!
香介
嬉野流で棒銀を受けるには、ちょっとしたコツが必要だよ!今回は棒銀の対策手順を解説しよう!

今回の記事では、嬉野流で棒銀を受ける順を解説していきます。

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香介
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歩美
それでは嬉野流の解説をお願いします!

スタンダードな棒銀を受けるコツ

テーマ図

【図1-1 嬉野流vs棒銀】

【図1-1 嬉野流vs棒銀】

まずは、嬉野流に対してスタンダードな棒銀で攻めてこられた時の対処法を見ていきましょう。相手の△7二銀は棒銀を見せる手で、この手を見たら棒銀を警戒して駒組みを進めましょう。

歩美
相手が銀を前に進めてきました!

左銀を素早く前に出すのがコツ

図1-1からの指し手
▲5六歩、△8三銀、▲5七銀、△8四銀、▲6六銀(図1-2)

【図1-2 左銀を大きく回り込む】

【図1-2 左銀を大きく回り込む】

嬉野流で棒銀を受けるときは、左銀を大きく回り込んで使うのがポイントです。相手が銀を4段目に上げてきたタイミングに合わせて、こちらも銀を4段目に上げていきます。

 

相手の銀に合わせてこちらも銀を上がる

図1-2からの指し手
△9五銀、▲7五銀(図1-3)

【図1-3 これで棒銀は攻め手がない】

【図1-3 これで棒銀は攻め手がない】

△9五銀に対して▲7五銀としておけば、棒銀側はこれ以上攻め手がなくなります。相手の銀の進出に合わせてこちらも銀を進めていく受け方を覚えておきましょう。

香介
ちなみにここで相手が△7四歩と銀に働きかけてきたら▲4六角で飛車を狙いに行こう!

 

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土下座の歩から受けるには?

テーマ図

【図2-1 嬉野流の基本形】

【図2-1 嬉野流の基本形】

今度は、相手が先に飛車先の歩を切ってくるパターンについて見ていきます。図2-1は嬉野流の基本の形で、飛車先の交換に対して▲8八歩と土下座の歩で受けています。

歩美
ここまでの指し手については以下の記事でも解説していますね!

やはり左銀を回り込んで受けるのが基本

図2-1からの指し手
△8二飛、▲2六歩、△7二銀、▲2五歩、△3三角、▲5六歩、△8三銀、▲5七銀左、△8四銀、▲6六銀(図2-2)

【図2-2 やはり銀を回りこませるのが基本】

【図2-2 やはり銀を回りこませるのが基本】

棒銀に対しては、やはり左銀をうまく使っていくのが基本です。相手の銀が4段目に出てくるのに合わせて▲6六銀と上がるのが棒銀を受ける手筋です。

歩美
この形を作るために早めに▲5六歩~▲5七銀左としておかなきゃダメですね!

▲6五銀が受けの形

図2-2からの指し手
△8五銀、▲6五銀(図2-3)

【図2-3 ▲6五銀が受け形】

【図2-3 ▲6五銀が受けの形】

相手が△8五銀と上がってきたら、▲6五銀と上がるのが受けの形です。一見奇妙な形ですが、これが嬉野流で棒銀を受ける手筋となるので覚えておきましょう。

図2-3からの指し手
▲8六銀、△7六銀(図2-4)

【図2-4 相手はこれ以上攻めがない】

【図2-4 相手はこれ以上攻めがない】

△8六銀に対して▲7六銀と引いておけば、棒銀側はこれ以上攻めがありません。この嬉野流特有の受けの形をマスターしておきましょう。

端歩を突いて相手の銀を捕獲

図2-4からの指し手
△3二金、▲9六歩(図2-5)

【図2-5 次の▲8七歩が受からない】

【図2-5 次の▲8七歩が受からない】

図2-4からは、▲9六歩を狙いましょう。これで相手の銀は逃げ場がなくなるため、次に▲8七歩として銀を取りに行く順を相手は受けることができません。

香介
銀の捕獲手順も実戦ではよく出てくるよ!

 

新嬉野流からの棒銀対策

テーマ図

【図3-1 新嬉野流の形】

【図3-1 新嬉野流の形】

今度は新嬉野流で駒組みした場合を見ていきます。新嬉野流とは、引き角よりも▲5七銀を優先して早めに5六の歩にヒモをつける駒組みです。相手の飛車先交換には▲8七歩とするのも特長で、嬉野流以外の形に発展する余地を残しています。

香介
新嬉野流については以下の記事で解説しているよ!

やはり▲6五銀が形

図3-1からの指し手
▲2六歩、△7二銀、▲2五歩、△3三角、▲7九角、△8三銀、▲4八銀右、△8四銀、▲6六銀、△8五銀、▲6五銀(図3-2)

【図3-2 やはり▲6五銀で受ける】

【図3-2 やはり▲6五銀で受ける】

相手の△8五銀に対して▲6五銀とするのは先ほどと同じです。 図2-3 とは8筋の歩以外はすべて同じ形になっていますが、先ほどとは違った展開になっていきます。

歩美
一見さっきと同じに見えます…

歩をひかえて打つのがポイント

図3-2からの指し手
△8六歩(図3-3)

【図3-3 8七の歩が争点になる】

【図3-3 8七の歩が争点になる】

図3-2からいきなり△8六歩と打って、攻めが始まってしまいます。このように新嬉野流では8七の地点の歩が争点になってしまい、相手からの攻めが1手早く始まります。

図3-3からの指し手
▲8六歩、△同銀、▲8八歩(図3-4)

【図3-4 土下座の歩で耐え忍ぶ】

【図3-4 土下座の歩で耐え忍ぶ】

図3-3からは土下座の歩で受けていきます。かなり怖い形ですが、もう少し進めて棒銀を受けきりましょう。

ギリギリ受かっている

図3-4からの指し手
△8七歩、▲7六銀(図3-5)

【図3-5 これで受かっている】

【図3-5 これで受かっている】

図3-4からは△8七歩としてさらに相手の追撃がありますが、それには▲7六銀としてなんとか受かります。さらにもう少しだけ進めてみましょう。

香介
かなり危ない形だけど、なんとか相手の攻めを耐えよう!

図3-5からの指し手
△8八歩成、▲同金、△8七歩、▲7八金(図3-6)

【図3-6 相手の攻めがようやく切れた】

【図3-6 相手の攻めがようやく切れた】

図3-5から数手進めて、ようやく相手の攻めが切れました。図3-6の局面はまだまだ互角ですが、ここから嬉野流も攻めの形を作りに行けます。

歩美
かなりギリギリの受けですね…。知らないと指せなさそうな手もありました!

 

まとめ

香介
今回は嬉野流で棒銀を対策する順を見てきたよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 棒銀に対しては、左銀を回り込んで受ける
  • 相手の銀が5段目に出たらこちらも5段目に
  • ▲6五銀と受ける形を覚えよう

歩美
今回は勉強になりました!これで棒銀にすぐ攻め潰されることはなくなりそうです!

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【図2-3 ▲6五銀が受け形】

【図2-3 ▲6五銀が受けの形】