矢倉戦法

矢倉戦法vs右四間飛車

投稿日: 05/04/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
矢倉戦法もだいぶうまくなってきました!でも相手に右四間飛車に組まれちゃうとどうやっても囲いを崩されちゃいます…
香介
右四間飛車は強力な戦法だよね!矢倉戦法で戦うときはうまい指し方を知らないとあっさり破られてしまうんだ

今回の記事では、矢倉戦法vs右四間飛車を解説し、右四間飛車からの攻めをうまく受ける方法を学んでいきます。なお、振り飛車で右四間飛車を対策する手順は以下の記事を参考にしてみてください。

また右四間飛車の基本的な攻め筋は以下の記事で解説しています。

矢倉戦法の定跡一覧へ

参考棋書:矢倉の基本 駒組みと考え方

香介
今回の記事は、マイナビ出版の「矢倉の基本 駒組みと考え方」を参考にしたよ!矢倉戦法の基本的な定跡を分かりやすく解説している棋書だよ!

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歩美
それでは右四間飛車の対策を教えてください!

 

YouTubeの動画で学ぶ、矢倉戦法定跡

ゼロから始める将棋研究所のYouTubeチャンネルでは、動画で矢倉戦法の定跡を学べます。動画の内容は、ブログ記事とほとんど同じものとなっています。

香介
動画で気軽に勉強してもいいし、ブログ記事で読みたいところだけかいつまんでみるのもいいね!

歩美
まずは動画で学習して、ブログ記事で復習するのもおすすめです!

 

対右四間飛車での序盤の駒組みのポイント

矢倉戦法vs右四間の出だし

テーマ図

初手からの指し手 ▲7六歩、△8四歩、▲6八銀、△3四歩、▲6六歩、△6二銀、▲5四歩、△6四歩(図1-1)

 

【図1-1 右四間飛車の出だし】

【図1-1 右四間飛車の出だし】

図1-1は先手の矢倉戦法に対し、後手が△6四歩として右四間飛車を見せてきたところです。右四間飛車は6五の地点を争点にして戦う戦法なので、こちらが序盤に▲6六歩として角道を閉じたときにあらわれる変化となります。

歩美
右四間飛車は角道を閉じたとき狙われるんですね!

まずは角にヒモをつける

図1-1からの指し手
▲7八金(図1-2)

【図1-2 まずは角にヒモをつける】

【図1-2 まずは角にヒモをつける】

先手はまず▲7八金として角にヒモをつけます。この手がないと、相手からいきなり△6五歩と突かれる変化が発生してしまいます。図1-2のように角にヒモをつけていれば、△6五歩に堂々と▲同歩と取ることができます。

香介
とにかく右四間飛車の仕掛けは△6五歩になるから、常にその手は警戒しておこう!

浮き駒を作らないような慎重な駒組み

図1-2からの指し手
△6三銀、▲4八銀(図1-3)

【図1-3 まずは▲4八銀とすること】

【図1-3 まずは▲4八銀とすること】

図1-2から、▲5八金とする前に▲4八銀とするようにしましょう。ここで先に▲5二金としてしまったときの変化は後の補足で解説しています。

図1-3からの指し手
△5四銀、▲5二金、△6二飛、▲6七金(図1-4)

【図1-4 6筋からの攻撃に備える】

【図1-4 6筋からの攻撃に備える】

右金を前に出して、6筋からの攻撃に備えておきます。通常の矢倉戦法では、▲7七銀のような手を優先することもありますが、右四間飛車に対しては▲7七銀とは指さないということを覚えておきましょう。これは後に△8五桂として攻めてくる手に備えています。

補足
▲4八銀を後回しにすると?

【図a-1 いきなり仕掛けが】

【図a-1 いきなり仕掛けが】

図1-2 から▲4八銀の前に▲5二金としてしまうと、いきなり△6五歩と仕掛けられる手順が発生します。単に▲同歩と取って問題ないようにも見えますが、さらに進めてみます。

【図a-2 金銀両取りの角打ち】

【図a-2 金銀両取りの角打ち】

図a-1から▲同歩、△8八角成、▲同金と進むと、△6六角と金銀両取りに角を打たれてしまいいきなり敗勢です。図a-2で▲5二金にかわって▲4八銀としていた場合と比べてみましょう。

 

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右四間飛車から居玉での仕掛け

△6五歩からの仕掛け

図1-4 からの指し手
△6五歩(図2-1)

【図2-1 右四間飛車の仕掛け】

【図2-1 右四間飛車の仕掛け】

図1-4 から右四間飛車が△6五歩と仕掛けてきた場合を見ていきます。これには▲同歩と取ってしまっていいのでしょうか?

歩美
う~ん…。この歩は取っていいのか悩みますねえ…

相手の攻め筋に利きを足していく

図2-1からの指し手
▲5七銀右(図2-2)

【図2-2 6筋にさらに駒を足す】

【図2-2 6筋にさらに駒を足す】

相手からの△6五歩には▲同歩とはとらず、▲5七銀右とさらに6筋に駒を足すのが良い手です。ここでもし▲同歩としてしまうと、△8八角成、▲同金と進み、先手の金が浮き駒になる上、こちらの玉の逃げ道をふさぐ悪形となってしまいます。8八の地点に金があるのは壁金と呼ばれる悪い形なので避けるようにしましょう。

図2-2からの指し手
△6四歩、▲同銀、△6五歩(図2-3)

【図2-3 銀をどこに逃げる?】

【図2-3 銀をどこに逃げる?】

後手は△6六歩から攻めていきます。図2-3では先手は銀を逃げたいところですが、どこに逃げるのがベストでしょうか?

香介
ナナメ4方向に逃げられるけど、正解となる手は一つだけだよ!

▲5五銀と逃げるのがポイント

図2-3からの指し手
▲5五銀(図2-4)

【図2-4 ▲5五銀と逃げる一手】

【図2-4 ▲5五銀と逃げる一手】

図2-3からは▲5五銀と逃げる一手です。もし7五や5七に逃げると△8八角成から壁金の形にされてしまいますし、7七に逃げると先手は角が狭く使いにくくなってしまいます。図2-4からさらに数手進めて右四間飛車の攻めを受けきってしまいましょう。

図2-4からの指し手
△5五銀、▲同歩、△6六銀、▲5六金(図2-5)

【図2-5 相手の攻めをするりとかわす】

【図2-5 相手の攻めをするりとかわす】

右四間飛車は銀交換からガジガジ攻めてきますが、▲5六金と相手の攻めをするりとかわしてしまえば受けきってしまいます。図2-5からは右四間飛車は早い攻めがありません。

歩美
際どい形ですが受けきってますね!

 

じっくりと駒組みを進めた場合

香介
ここからはお互いにじっくり駒組みを進める展開を見てみよう!右四間飛車側は左美濃に組んでいくよ!

7七の地点に駒を置かないこと!

図1-4 からの指し手
△3二銀、▲5七銀右、△4二玉、▲6九玉、△3一玉、▲7九玉、△7四歩、▲2六歩、△7三桂、▲2五歩、△3三角、▲3六歩(図3-1)

【図3-1 先手の囲いも完成】

【図3-1 先手の囲いも完成】

図1-4 まで戻り、お互いにじっくり囲っていく変化を見ていきます。先手の囲いのポイントは7七の地点に駒を置かないことです。7七に銀や角がいると△8五桂から攻められてしまうので、それを防いでいます。また角を8八の位置から動かさないのもポイントで、角が6六の地点の守りに参加しています。

香介
図3-1が右四間飛車に対する囲いの形なんだ!この陣形をよく覚えておこう!

じっくり囲えば相手からの仕掛けも怖くない

図3-1からの指し手
△6五歩(図3-2)

【図3-2 右四間飛車の仕掛け】

【図3-2 右四間飛車の仕掛け】

このタイミングで△6五歩と仕掛けてきました。これに対してはどのように指せばよいでしょうか?

図3-2からの指し手
▲6五歩、△8八角成、▲同玉(図3-3)

【図3-3 壁金の形にならない】

【図3-3 壁金の形にならない】

今度は△6五歩に対して▲同歩と取れます。△8八角成に対しては▲同玉と取ってしまえば壁金の形になりません。

図3-3からの指し手
△4四角、▲7七角(図3-4)

【図3-4 右四間飛車はこれ以上攻めがない】

【図3-4 右四間飛車はこれ以上攻めがない】

右四間飛車側が角を打って無理やり攻めてきても、▲3三角としておけば問題ありません。結論を言うと、図3-1の形から右四間飛車が攻めていくのは無理筋でした。

香介
今回の解説はここまでにするよ!ただし実戦では矢倉側は受けるだけでなく、攻めていく必要もあるため、そこでの駆け引きも出てくるんだ!その部分解説については以下の本を参考にしてみてね!

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まとめ

香介
今回は右四間飛車の対策について解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 再序盤に△6五歩と仕掛けられないように気を付ける
  • 居玉での攻めに対しては、▲5七銀として受ける
  • 銀が攻められた時の▲5五銀の受け
  • 囲いを組むときは、7七に駒を置かない、角は8八に
歩美
右四間飛車に対する受け方がわかりました!

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【図1-2 まずは角にヒモをつける】

【図1-2 まずは角にヒモをつける】

【図1-4 6筋からの攻撃に備える】

【図1-4 6筋からの攻撃に備える】