今回の記事では、将棋の6枚落ちでの駒落ち定跡について解説します。6枚落ちでは端攻めを覚えるのが良いでしょう。
目次
参考棋書:決定版 駒落ち定跡
六枚落ちの基本図と下手の狙い
図1-1は6枚落ちの基本図です。上手は飛車、角、桂、香を落としています。8枚落ちと比べると、上手に銀が2枚追加されている形になり、そう簡単には敵陣を突破できなくなっています。
6枚落ちでは、下手は9筋や1筋を狙って攻めるのが良いとされています。今回は角を6六の地点に上がることで、9筋に狙いをつけて攻めていきます。角が9三の地点への攻めに利いているのがわかりますか?
上手の手を読みながら端攻めの駒組み
9筋の歩を伸ばしていき端攻めを狙う
下手は▲9六歩~▲9五歩と9筋の歩を伸ばしていき、端攻めを目指します。次に▲9四歩、△同歩、▲同香として9筋を攻めていく狙いです。しかしいきなり攻めていく前に指しておきたい手があります。上手の形をよく見て、次に指すべき手を考えてみましょう。
角の逃げ道を作る▲5六歩
図2-1からは上手は△6四歩として角を攻めていく手を狙っていました。△6四歩に対して▲8八角などと逃げてしまうと、角が端に利かなくなってしまい、端攻めの狙いが失敗してしまいます。そのため▲5六歩と突いておき、△6四歩に対して▲5七角と引けるようにしておきます。
図2-1から▲5六歩と突かずにいきなり▲9四歩と攻めていった場合を考えてみます。△同歩、▲同香と進めば下手が良いように思えますがどうでしょうか?
図a-1からは、△同歩、▲同香として香車を走らせた瞬間に△6四歩と角を攻撃されてしまいます。ここから下手が角を逃がすとどうなるのかもう少し見てみましょう。
図a-2から▲8八角などと角を逃がすと、△9三歩と打たれて香車が取られてしまいます。香車が後ろに下がれないという弱点をうまく突かれた攻めを食らってしまいました。
9筋からの仕掛け
下手の仕掛けの開始
図2-2 から下手はいよいよ端攻めを開始します。まずは▲9四歩と突いていきます。
上手の△8四歩の意味は?
下手は調子よく端攻めをしていきますが上手が△8四歩と突いてきました。この歩にはどんな狙いがあるのか考えてみましょう。
図3-2から▲同角と歩を取った場合を見てみましょう。一見すると歩を1枚タダで取れたうえに、次の端攻めが厳しく下手優勢に見えます。
しかし、図b-1から△8四金と上がられてしまうと、角香両取りとなってしまいます。これでは下手が指しにくいでしょう。
飛車も使ってさらに9筋を攻める
下手は見事飛車を成り込むことに成功しました。しかし図3-4では上手の陣形もガッチリしていて、簡単には相手玉を攻められそうにありません。ここから攻め駒をさらに増やしていきたいところですが、どの駒を攻め駒に使いましょうか?
垂れ歩の手筋でと金を作る
図3-4からは▲9四歩とするのが良い手です。次に▲9三歩成とする手を上手は受けることができず、と金を使って攻めていくことができます。このように次に歩成を狙うような歩打ちは「垂れ歩」といい、歩を使った重要手筋の一つです。
上手の8四金型の受けには?
上手の△8四金での受け
上手は△8四金と上がるのが狙いでした。下手は香車が取られそうなので、▲9二香成と成り込みたいところですが、それでよいのでしょうか?
飛車先突破を防がれる
先ほど同じように、▲9八飛として飛車を攻めに参加させようとしましたが、今度は△9五歩で防がれてしまいました。これでは下手はここから攻めにくくなってしまいます。上手が△8四金と上がってくる形に対しては他の攻め方をした方がよかったようです。
9筋を突破したら終盤戦!相手玉を詰めよう!
実際の6枚落ちでの対局では、9筋を攻めていった後も対局は続きます。龍やと金ができたらいよいよ相手玉を攻めていく段階に入るのですが、うまい攻めを身に着けるためには詰みの形をたくさん知っておくのが良いでしょう。以下の記事では初心者向けの詰将棋の問題をいくつか紹介しているため、これらで勉強して終盤力をアップさせましょう。
まとめ
- 9筋からの端攻めを狙う
- 角を6六に上がる
- △6四歩には▲5六歩として角の逃げ道つくる
- 垂れ歩を使ってと金攻め
84歩に同角、83金は王手放置です
ご指摘ありがとうございます。該当箇所修正いたしました!