囲い崩し

穴熊崩しの手筋

投稿日: 12/31/2018 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
今回は穴熊の崩し方ですね!
香介
穴熊は非常に堅い囲いだね!でも崩し方を知っていればあっさり寄せられる局面も多いんだ!

今回は、穴熊囲いの崩し方について解説します。穴熊は将棋の囲いの中でもかなり堅い部類に入る囲いなので、寄せ方を知らないといつまでたっても崩せないこともあります。

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参考棋書:全戦型対応! 囲いの破り方

香介
今回の記事はマイナビ出版の「全戦型対応! 囲いの破り方」を参考にしたよ!穴熊以外にも基本的な囲いの崩し方が解説されいるんだ!
歩美
それでは穴熊の崩し方を見ていきましょう!!

2筋を攻める

テーマ図

【図1-1 桂馬と香車で攻める】

【図1-1 桂馬と香車で攻める】

図1-1は穴熊に対して桂馬と香車で攻めの態勢が整っています。ここから数手進めて穴熊を崩していきましょう。

図1-1からの指し手
▲2三香成、△同銀、▲同桂不成(図1-2)

【図1-2 △同金なら▲3一飛成】

【図1-2 △同金なら▲3一飛成】

▲2三香成から2筋を集中的に攻めます。図1-2の局面は王手金取りとなっており、さらに後手が△同金として桂馬を取れば▲3一飛成と金を取れます。なお先に▲2三桂不成から入る攻めや、▲2三桂成となって攻める手も有力です。

歩美
あんなに堅かった穴熊が一瞬で崩れました!2筋が弱点なんですね!!

 

叩きの歩で攻める

テーマ図

【図2-1 盤上には飛車しかない】

【図2-1 盤上には飛車しかない】

次のテーマ図は、盤上に飛車しかない状態から寄せていきます。持ち駒の2枚の歩をうまく使って穴熊を崩していきましょう。

図2-1からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲2三歩(図2-2)

【図2-2 銀が逃げたら金を取れる】

【図2-2 銀が逃げたら金を取れる】

▲2四歩に△同歩と取らせて、▲2三歩と叩くのが手筋です。これに対して△同銀と歩を取ったり、△3三銀と逃げたりすれば▲3一飛成で金を取れます。

香介
この手筋も穴熊崩しでよく出てくるんだ!

補足
▲2四歩を取ってくれなかった場合

【図a-1 ▲2四歩を取らずに△3二金としてきた場合】

【図a-1 ▲2四歩を取らずに△3二金とした】

対局者がある程度棋力が高くなってくると、▲2四歩に対して単純に△同歩とは取ってくれなくなります。例えば▲2四歩に対して△3二金と2三に効きを足してくることが考えられます。このときは、図a-1のように▲4一飛成と金取りに龍を当てるのが好手です。

【図a-1 飛車を取られてもと金が大きい】

【図a-2 飛車を取られてもと金が大きい】

図a-1から△3一金、▲同龍、△同銀、▲2三歩成と進んだのが図a-2です。後手は金が取られそうになったので△3一金と龍に当てて守ってきますが構わず▲同龍として飛車を切り、△同銀、▲2三歩成として先手の攻めが続きます。後手は持ち駒が飛車しかないので受けにくい状況です。

 

継ぎ歩で攻める

テーマ図

【図3-1 今度は3二に金がいる】

【図3-1 今度は3二に金がいる】

今度は3二に金がいる穴熊を崩してみましょう。考え方は今までと同じように2筋への攻めとなりますが、持ち歩の3枚をどのように活かしていくのかがテーマとなります。

歩美
金銀3枚の穴熊をこの持駒だけで崩せるんでしょうか…?

図3-1からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲2五歩、△同歩、▲2四歩(図3-2)

【図3-2 継ぎ歩の手筋で攻める】

【図3-2 継ぎ歩の手筋で攻める】

▲2四歩~▲2五歩と継ぎ歩の手筋を使います。後手の2筋の歩を吊り上げたところで▲2四歩と打ち、2三の地点に攻めの拠点を作ります。

【図3-3 2三に桂馬を打ち込む】

【図3-3 2三に桂馬を打ち込む】

作った拠点を活かして次に▲2三桂と打ち込めば穴熊は崩壊してしまいます。なおここで2三に打ち込む駒は桂馬以外にも金や銀でも構いません。

香介
継ぎ歩の手筋を使って穴熊を崩すんだ!ちなみに継ぎ歩については以下の記事で詳しく説明しているよ!
歩美
ここまで3つの手筋を見てきました!どの手筋も2三の地点を攻めて穴熊を崩しましたね!

穴熊崩しのポイント1

  • 2三の地点を攻める
香介
2三の地点は穴熊の弱点なんだよ!ここからは別の攻め筋も見ていこう!

 

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桂馬を跳ねさせる

テーマ図

【図4-1 弱点はどこ?】

【図4-1 弱点はどこ?】

ここからは2三の地点以外の弱点を攻めていく筋を見ていきます。まずは図4-1での穴熊の弱点はどこにあるのか考えてみましょう。

図4-1からの指し手
▲3三香(図4-2)

【図4-2 3三の地点から攻める】

【図4-2 3三の地点から攻める】

図4-1からは、▲3三香と攻めるのが正解です。後手はこれに対して△4二金などと逃げると▲3一香成が厳しくなります。また△同銀と取るのはもちろん▲3一飛成で先手大優勢です。

図4-2からの指し手
△3三桂、▲3二銀(図4-3)

【図4-3 次に▲3一飛成からの詰めろ】

【図4-3 次に▲3一飛成からの詰めろ】

後手は△3三桂と香車を取ってきましたが、ここで▲3二銀とすると、次に▲3一飛成、△同銀、▲2一金の詰めろとなっていて、先手の攻めが止まりません。

香介
穴熊は桂馬を跳ねてしまうと一気に弱体化するんだ!3三の地点に働きかけて穴熊の桂馬を跳ねさせるとそこから寄せられることが多いよ!

穴熊崩しのポイント2

  • 3三の地点に働きかけて桂馬を跳ねさせる

 

龍は逃げない

テーマ図

【図5-1 龍取りに銀を当ててきた】

【図5-1 龍取りに銀を当ててきた】

図5-1は、穴熊もだいぶ崩れてきたところで、後手が△2二銀と打ってきて粘ってきたところを想定しています。後手は持ち駒に金があるため、ここで▲5一龍などと引いてしまうと△3一金と打たれて穴熊が再生してしまいます。ここでトドメの一手を指しましょう。

図5-1からの指し手
▲3三角(図5-2)

【図5-2 3三の地点が急所】

【図5-2 3三の地点が急所】

またしても3三の地点に駒を打ち込むのが急所です。これに対して△3一銀と龍を取れば角の利きで玉が取れる格好です。また△同桂とすると今度は龍で玉を素抜けます。後手はここでは△同銀と角を取る一手でしょう。

歩美
こんな角打ちがあるんですね!大駒を捨てる手なのでなかなか見えなかったです…

図5-2からの指し手
△3三銀、▲3二金(図5-3)

【図5-3 金で絡みついて詰めろ】

【図5-3 金で絡みついて詰めろ】

図5-2から△3三銀と角を取ってきたら、▲3二金として絡みつきます。この手は次に▲2一金の詰めろとなっているため、後手はこれを受けなければなりません。

図5-3からの指し手
△2二金、▲3三金(図5-4)

【図5-4 △同金なら▲2二銀で詰み】

【図5-4 △同金なら▲2二銀で詰み】

△2二金と受けてきたら、▲3三金と冷静に銀を取りながら引くのが好手です。これは次に▲2二金の詰めろとなっているうえ、△3三金なら▲2二銀で詰みです。図5-4では後手は受け無しとなります。

香介
これはいわゆる必至ってやつだね!必至については以下の記事でも解説しているよ!

 

角のラインを使った攻め

テーマ図

【図6-1 持ち駒の角を使おう】

【図6-1 持ち駒の角を使おう】

最後は角のラインをうまく使って穴熊を崩しましょう。持ち駒の角をどうやって使うのが良いでしょうか?

図6-1からの指し手
▲5五角、△7八飛成、▲3一飛成(図6-2)

【図6-2 飛車取りに当てる】

【図6-2 飛車取りに当てる】

図6-1からは▲5五角と飛車取りに当てます。ここでもし後手が△7八飛成などと飛車を逃げれば、▲3一飛成と金を取れます。角のラインが相手玉まで利いているため、後手は△同銀とできないのです。

香介
穴熊に対して角のラインを活かしながらの攻めは有効なんだ!

穴熊崩しのポイント3

  • 角のラインを活かして攻める

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まとめ

香介
今回は穴熊の崩し方を6つ見てきたよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 2三の地点を攻める
  • 3三の地点に働きかけて桂馬を跳ねさせる
  • 角のラインを活かして攻める
歩美
あんなに堅く見えた穴熊もこれならうまく崩せそうです!

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