前回は四間飛車vs棒銀をやりました!もうこれで棒銀対策はバッチリです!
前の記事では、相手が攻めてきたタイミングで▲6五歩と突く対策を見てきたね!確かに居玉で棒銀で攻めてくる相手にはその対策で十分なんだけど…。
相手がしっかり囲っているときは、▲6五歩と突くカウンターだけじゃ対処しきれないことが多いんだ。
今回は四間飛車vs棒銀をテーマに、四間飛車の大駒の捌き(さばき)を見ていきます。今回紹介する指し方は、四間飛車vs居飛車急戦の基本となる指し方なのでしっかりマスターしましょう。
前回記事はこちら
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参考棋書:四間飛車を指しこなす本
今回は河出書房新社の「四間飛車を指しこなす本」を参考にしたよ!四間飛車党のバイブルとも呼ばれる本で、初心者~有段者まで使える一冊だ!
それでは四間飛車vs原始棒銀を学んでいきましょう!!
YouTubeの動画で学ぶ四間飛車
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!
四間飛車vs棒銀の基本図
まずは四間飛車の基本形から
テーマ図
初手から ▲7六歩、△3四歩、▲6六歩、△8四歩、▲6二飛、△8五歩、▲7七角、△6二銀、▲7八銀、△7四歩、▲4八玉、△7三銀、▲3八玉(図1-1)
【図1-1 四間飛車vs居飛車の基本図】
図1-1は四間飛車vs原始棒銀の基本図です。先手は四間飛車に組み、美濃囲いを目指したところです。一方の後手は棒銀の形を作ろうとしています。
四間飛車の基本の指し方はこちらの記事でも解説しているよ!
四間飛車は美濃囲い、居飛車は舟囲いに
図1-1からの指し手 △4二玉、▲2八玉、△3二玉、▲3八銀、△5八金右(図1-2)
【図1-2 美濃囲いと舟囲い】
図1-1からはお互いに駒組みを進めていきます。先手は片美濃囲いに囲ったところ、後手も囲いを作ります。後手の囲いは「舟囲い(ふながこい)」と呼ばれる囲いで、振り飛車vs居飛車の将棋でよく出てきます。
ここまでは前の記事で勉強した通りですね!相手が囲ってきたらこちらも美濃囲いを目指せばいいんでしたよね!
その通り!ちなみに図1-1から後手がいきなり△8四銀として棒銀をしかけてきたときの指し手は以下の記事で解説しているよ。
▲6七銀型に組む
図1-2からの指し手 ▲6七銀(図1-3)
【図1-3 ▲6七銀型に組む】
後手が囲いに入ったのを見て、四間飛車側は▲6七銀と上がりました。銀を上げると▲6五歩と突いたときに角と飛車を同時に働かせる手がなくなるかわりに、飛車を横に動かしていく手が生まれます。この▲6七銀型は四間飛車の一番基本となる形なので、しっかり指し方を習得しましょう。
ここからは▲7八飛や▲8八飛とする手を見ているよ。相手の攻めに合わせて飛車を振りなおすんだ!
緩やかな駒組みが続く
図1-3からの指し手 △1四歩、▲1六歩、△5四歩、▲5八金左、△8四歩、▲5六歩(図1-4)
【図1-4 後手は棒銀に構える】
お互いに緩やかな駒組みが続きます。1筋の歩を突くのは玉の逃げ道を広げる意味があり、初心者の内は相手が1筋の歩を突いたらこちらも突いておくと覚えておけば問題ないです。また、四間飛車側が5筋の歩を突くのは、将来的に角を▲6八角~▲4六角と使っていくような手を考えています。
う~ん。なんだか狙いがわかりにくい手が多いですねえ…。
最初の内こういう考え方があるって程度に思ってくれれば問題ないよ。特に初心者同士の対局では、1筋や5筋の歩を突いていなかったとしても大きく劣勢になったりすることもないからね。
いよいよ棒銀で攻めてきた!
図1-4からの指し手 △7五歩 (図1-5)
【図1-5 後手が仕掛けてきた】
いよいよ後手が棒銀の攻めを仕掛けてきました。次の四間飛車側の1手は是非覚えておいてください。
棒銀の狙いと成功例
居飛車側が△7五歩として仕掛けてきたんだけど、どんな手を指せばいいかな?
えーと…。たしか▲同歩って取るのはダメなんでしたよね!?
よく覚えてたね!じゃあまずは▲同歩と取ってしまうとどうなるか見ていこうか。
△7五歩に▲同歩と取ると??
からの指し手 ▲7五歩、△同銀(図2-1)
【図2-1 後手の銀が5段目に】
図1-5から2手進んで、後手の銀が5段目に進出してきました。実はこれですでに先手が悪くなっています。四間飛車vs棒銀の対局では、居飛車側の銀が5段目に進出したら基本的に居飛車良しと覚えておきましょう。
あれ?でもこの場合は▲7六歩って打っちゃえば銀を追い払えるんじゃないですか??
一見そう見えるけど実はそうじゃないんだ!続きを見てみよう!
銀が取れるが、次の歩成が厳しく劣勢
図2-1からの指し手 ▲7六歩、△8六歩(図2-2)
【図2-2 銀取りに構わず攻められる】
図2-1から▲7六歩と打っても、後手は構わず△8六歩と攻めてきます。次に先手は▲7五歩として銀をとっても、△8七歩成が非常に厳しい攻めで先手が大劣勢です。
あらら!棒銀の狙いに見事にハマってしまった感じですね!
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戦いが起こる箇所に飛車を動かす
では、居飛車が仕掛けてきた局面に戻って、四間飛車側の正しい指し手を見ていこう!
相手が攻めてきた筋に飛車を回る
からの指し手 ▲7八飛(図3-1)
【図3-1 攻めてきた場所に飛車を回る】
四間飛車では、相手が攻めてきた筋に飛車を回るのが鉄則です。
の局面では、居飛車側は△7五歩と七筋を攻めてきました。このようなときは▲7八飛と回るのが定跡となっています。
えー、こんな手があるんですか!これは知らないと指せないやつですね…。
攻められた筋に飛車を回るのは四間飛車の基本だからよく覚えておこう!
図3-1からの指し手 △7六歩、▲同銀、△7二飛(図3-2)
【図3-2 後手も飛車を7筋に】
図3-1から7筋の歩を交換したところ、居飛車側も飛車を7筋に回してきました。銀取りに当たっていますが、どう防ぐのが正解でしょう?次の手も四間飛車では頻出の1手です。
角を右側に引くのがセオリー
図3-2からの指し手 ▲6八角(図3-3)
【図3-3 角を右側に引く】
四間飛車vs棒銀では、角を右側に引いて飛車先を軽くする手が良く指されます。この手は銀を守りながら、次に▲4六角と出て角を攻めに使う手も狙っています。前に▲5六歩として5筋の歩を突いたのも、角を右側に引いたときに可動範囲を広くする意味がありました。
四間飛車の捌きの基本
大駒をぶつけて交換を狙う
図3-3からの指し手 △6六角(図4-1)
【図4-1 香取りに当たっているが…】
居飛車側は△6六歩と角を使ってきました。四間飛車が角を右に引いた手を見ての指し手ですが、これには返し技があります。大駒交換(=捌き)を狙う四間飛車ならではの指し手です。
大丈夫ですか??なんだか四間飛車が不利に見えます…。
前にも開設した通り、四間飛車は大駒交換を狙う戦法なんだ!相手の大駒が前に出てきたのを逆に利用して一気に大駒交換を目指すよ!
図4-1からの指し手 ▲6七銀(図4-2)
【図4-2 銀を引くのが好手!】
ここでは▲6七銀と引くのが好手です。飛車をぶつけながら角取りにも当てています。ここからは後手の指し手が何通りか考えられますが、順にみていきましょう。
この手はちょっと知らないと指せないよね!四間飛車はここから一気に大駒交換を狙っていくよ!
前に出た銀をまた下げる手は思いつきにくいです!この手は要チェックですね!
△9九角成としてきた場合
からの指し手 △9九角成、▲7二飛成(図4-3)
【図4-3 飛車を取って先手勝勢】
図4-2で後手が角取りに当たっているのに焦って△9九角成としてくることがあります。こんな時は▲7二飛成と飛車を取ってしまえば先手勝勢です。後手はいわゆるうっかりミスの指し手ですが、級位者同士の対局では意外とこんな局面はよくあるのです。
△7七歩としてきた場合
からの指し手 △7七歩(図4-4)
【図4-4 焦点の歩打ち】
今度は図4-2から後手7七歩と打ってきました。これは「焦点の歩」という手筋ですが、四間飛車側にはここから一気に大駒を捌く手順があります。
大駒を交換したりする手順を「捌く(さばく)」っていうんでしたよね!
そう!捌きは四間飛車の狙いの一つだね!ちなみに後手の△7七歩は焦点の歩という手筋なんだけど、焦点の歩は以下の記事でも解説しているよ!
図4-4からの指し手 ▲7七角、△同角成、▲同飛、△同飛成、▲同桂(図4-5)
【図4-5 一気に大駒が捌けた】
一気に大駒が捌けました。先手はこの後、▲8二飛の銀桂両取りや、▲6六角の銀香両取りが残っています。さらに四間飛車の囲いは美濃囲いにさらに1枚銀がくっついていてかなり堅いです。これは先手優勢でしょう。
お互いに大駒を交換する展開になれば、美濃囲いが堅い分四間飛車が有利になりがちなんだ!
△7八飛成としてきた場合
からの指し手 △7八飛成(図4-6)
【図4-6 飛車を取ってきた場合】
最後は図4-2から△7八飛成と飛車を取ってきた場合を見てみましょう。次は▲7八銀と龍を取りますか?▲6六銀と角をとりますか?
図4-6からの指し手 ▲7八銀、△9九角成、▲8二飛(図4-7)
【図4-7 駒損はすぐに取り返せる】
▲7八銀と龍を取るのが正解です。そのあと△9九角成と香車をとられますが、▲8二飛と銀桂両取りに飛車を打てば、駒損はすぐに取り返せます。
この後はさらに▲7七角として角も交換していくような手を狙っていくよ!
まとめ
今回は四間飛車vs原始棒銀の戦いを見てきたよ!ポイントをまとめよう!
POINT
- 四間飛車は大駒交換が狙い
- △7五歩に対して▲同歩ととってはダメ
- 相手が攻めてきた筋に飛車を回る
- 角は右側に引く
四間飛車特有の捌きの手がいっぱい見れました!実戦で早く試したいです!!
四間飛車の指し方をさらに詳しく学びたい方は、藤井猛先生の「四間飛車を指しこなす本」をおすすめします。四間飛車党のバイブルとも呼ばれている、必読の一冊ですよ!
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