四間飛車

四間飛車vs棒銀① 居玉棒銀

投稿日: 12/02/2018 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
前回は四間飛車でのざっくりとした狙いを見てきましたね!
香介
いままででなんとなく四間飛車の雰囲気はつかめたんじゃないかな?今回からはいよいよ実戦を模擬した局面で勉強していこう!まずはvs棒銀だ!

初心者がまず覚える将棋の戦法と言えば、四間飛車と棒銀があります。四間飛車を指そうとしている初心者の方は、棒銀対策はまず覚えるべき課題でしょう。今回の記事では、四間飛車vs棒銀をテーマに、特に囲わないでいきなり攻めてくる相手の対処法を解説します。

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参考棋書:振り飛車定跡 基本のキ

香介
今回の記事は、マイナビ出版の「振り飛車定跡 基本のキ」を参考にしたよ!藤倉勇樹先生が今まで出された本の中で、初心者向けの部分を集めて再編集したような内容になっているよ!四間飛車を指したい初心者にオススメの1冊だ!
歩美
それでは、ここから四間飛車vs棒銀の戦いを見ていきましょう!

YouTubeの動画で学ぶ四間飛車

香介
今回の記事は動画でも解説しているよ!

歩美
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!

四間飛車 vs 居玉棒銀の基本形

テーマ図

初手から ▲7六歩、△8四歩、▲6二飛、△8五歩、▲7七角、△6二銀、▲6六歩、△7四歩、▲7八銀、△7三銀、▲4八玉、△8四銀(図1-1)

 

【図1-1 四間飛車vs棒銀の基本図】

【図1-1 四間飛車vs棒銀の基本図】

図1-1は四間飛車vs速攻棒銀の基本図です。後手は飛車、銀、歩が縦に並ぶような陣形をしており、この形を「棒銀」と呼びます。また特に、囲わないで攻めてくる棒銀を「居玉棒銀(いぎょくぼうぎん)」と呼ぶことがあります。今回はここから後手が攻めてきたときの対処方法を見ていきましょう。

歩美
うわっ!一気に手が進みました!こんなの頭で追えないですよ!
香介
あまり細かい部分は気にしなくても大丈夫!四間飛車側は基本にのっとて形を作っているだけだからね。まず基本形を組んだ後、美濃囲いを目指している途中なんだ。
歩美
あくまで基本通りってことですね…。前の記事を読み直して復習します…。

図1-1からの指し手
▲3八玉、△7五歩(図1-2)

【図2-1 棒銀の仕掛けの基本】

【図1-2 棒銀の仕掛けの基本】

四間飛車側が素直に美濃囲いを目指していると、棒銀側が△7五歩と突いてきました。これが棒銀の仕掛けの基本となります。四間飛車側はどのように対処すればよいでしょうか?

歩美
私ならもちろん▲同歩と取ります!!
香介
本当にそれでいいのかな?続きを見てみよう!

 

角頭を狙う一直線棒銀の攻めが炸裂!!

後手の銀が5段目に進出

図1-2からの指し手
▲7五歩、△同銀(図2-1)

【図2-1 後手の銀が前に出てくる】

【図2-1 後手の銀が前に出てくる】

後手の△7五歩に対して、▲同歩、△同銀と進んだ局面です。後手の銀がかなり前に進出してきましたが、ここからさらに数手進めてみましょう。

 

棒銀の攻めが決まってしまう

図2-1からの指し手
▲2八玉、△8六歩(図2-2)

【図2-2 後手の棒銀が炸裂!】

【図2-2 後手の棒銀が炸裂!】

四間飛車側は、とりあえず美濃囲いを目指しますが、ここで△8六歩と突かれてしまうともう劣勢になってしまいます。もうすでにこの後の展開は皆さまお分かりかもしれませんが、さらに数手進めます。

図2-2からの指し手
▲8六歩、△同銀(図2-3)

【図2-3 角が取られそう】

【図2-3 角が取られそう】

ここまでくると完全に四間飛車が不利になっているのがわかると思います。実は、棒銀の△7五歩に対して、▲同歩と取ってしまった時点で四間飛車側が悪くなっていたのです。

歩美
あーっ!これじゃあ棒銀がガンガン攻めてくるのが止められないです!
香介
△7五歩の攻めに▲同歩と取るとこういう展開になってしまうんだ!もう一度前に戻って別の手を考えてみよう!

 

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▲6五歩と突くのが四間飛車のカウンター!

相手が攻めてきたタイミングで動く

図1-2 からの指し手
▲6五歩(図3-1)

【図3-1 ▲6五歩がカウンター】

【図3-1 ▲6五歩がカウンター】

図1-2 まで戻って別の手を考えてみましょう。ここで▲同歩とすると相手の攻めに勢いがついてしまいます。ここは相手の攻めを無視して▲6五歩と突くのが積極的な手です。

香介
相手が攻めてきたタイミングで▲6五歩と突くのがポイントだ!

 

飛車と角を大きく使っていく

図3-1からの指し手
△7六歩、▲5五角(図3-2)

【図3-2 角を逃がしながら活用していく】

【図3-2 角を逃がしながら活用していく】

四間飛車側は、角を5五の位置に動かして優勢です。棒銀側からすると嫌な位置に角があって動きづらくなります。

香介
5五や4六のように、相手の飛車を睨む位置は角の好ポジションになるよ!
【参考図a 上に逃げたら角成】

【参考図a 上に逃げたら角成】

ここでもし後手が△8三飛と縦に逃げたら参考図aのように▲9一角成で大優勢です。馬を作った上に香車も取れました。

【参考図b 今度は龍を作りに行く】

【参考図b 今度は龍を作りに行く】

後手が飛車を横に逃がしたら今度は6四歩として龍を作りに行きます。このように後手は四間飛車側の飛車と角のダブルの攻めが受けられません。さらにうまくいけば8四にいる銀も取れそうです。

歩美
飛車角ダブルの攻めは強烈ですね!

 

銀を引いたら歩を狙っていく

図3-2 からの指し手
△7三銀、▲6六飛(図3-3)

【図3-3 歩を狙っていく】

【図3-3 歩を狙っていく】

後手は 図3-2 から△7三銀とするのが唯一のまともな受けですが、ここからは▲6六飛として大優勢です。次に▲7六飛として歩を取れば、7筋からの集中砲火を浴びせることができます。

歩美
相手の攻めに正面から向き合わないのがコツなんですね!
香介
その通りだ!相手の攻めをのらりくらりと受け流すのが四間飛車の戦い方だね。

 

後手も角を活用してきた

香介
ここからは最初のテーマ図に戻って、棒銀側の別の指し方を見ていこう!

角道を開けてから棒銀

図1-1 からの指し手
▲3八玉、△3四歩(図4-1)

【図4-1 後手は角を活用してきた】

【図4-1 後手は角を活用してきた】

図1-1 まで戻ります。今度は後手は角道を開けてきました。先ほどは四間飛車側が一方的に角を活用する展開になりましたが、棒銀側はそれに対抗してきた形でです。

香介
速攻棒銀で攻めてくる相手はこうやって角道を開けてくるタイプの方が多いかもね。

 

やっぱり▲6五歩

図4-1からの指し手
△7五歩、▲6五歩(図4-2)

【図4-2 やっぱり▲6五歩】

【図4-2 やっぱり▲6五歩】

相手が角道を開けていても、やっぱり△7五歩には▲6五歩のカウンターです。ここからは角交換していくことになり、先ほどよりも指し手が広く、高度になっていきます。

歩美
やっぱり後手が攻めてきたら▲6五歩とするんですね!
香介
そうなんだ!これが四間飛車の基本だね!図4-2ですでに四間飛車優勢なんだけど、ここからのはお互いに指し方がたくさんありすぎて、この記事では解説しきれないんだ。続きはぜひ下記の棋書を買ってみてね。

 

まとめ

香介
今回は四間飛車 vs 速攻棒銀を見てきたね!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 後手が△7五歩と突いてきたら▲同歩と取ってはダメ
  • 相手の攻めに合わせて▲6五歩でカウンター
  • 角を5五や4六において相手の飛車を狙うのが好ポジション
歩美
四間飛車の指し方が分かってきました!

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  1. 岡田博光 より:

    ありがとうございましたakf

  2. のりの より:

    ここで覚えた7八銀待機からの6五歩だけで我が子が地元の道場で4級になれました。ありがとうございます!6七銀にするタイミングと飛車を7筋にした後の仕掛けに角を何処に下げるかの判断基準を解説いただけると嬉しいです。ワタクシも子供といっしょに将棋初めてウォーズ4級でして、ここら辺からサッパリ分からないのです…

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【図2-1 棒銀の仕掛けの基本】

【図1-2 棒銀の仕掛けの基本】

【図3-2 角を逃がしながら活用していく】

【図3-2 角を逃がしながら活用していく】

【図1-1 四間飛車vs棒銀の基本図】

【図1-1 四間飛車vs棒銀の基本図】