今回は、四間飛車を指すうえでの基本的な狙いをざっくりと学習していきます。いきなり複雑な定跡を覚えようとしても断片的な知識しか得られず、なかなか棋力が向上しないことがあります。まずはその戦法の大まかな狙いと特徴を押さえたうえで、細かい変化を学習していくのが効率的でしょう。
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目次
四間飛車は攻めが弱いのが欠点、飛車交換からの攻撃を狙う
振り飛車は、守りが強いのが特徴
四間飛車に限らず、振り飛車は基本的に守りの戦法と言われています。まずはその理由について簡単に説明していきます。例えば、居飛車と振り飛車の駒組みの一例を見てみましょう。
この図は前の記事でも掲載しましたが、居飛車の例としては「居角左美濃」という戦型で、振り飛車の例としては「向かい飛車」という戦型を載せています。これらの駒組みはちょうど左右反転したような形になっていてわかりやすいで、居飛車と振り飛車の違いを説明する例として挙げました。これらの細かい駒組みは今回覚える必要はありませんよ。
どちらも飛車と反対側に玉を動かしているのがわかりますか?将棋では、飛車の逆側に囲いを作るのがセオリーです。
居飛車と振り飛車の一番の違いは、角の位置が玉側にあるか飛車側にあるかです。居飛車では角が玉側にありますが、振り飛車では角は飛車側にあります。ここで、駒組みをしたときの飛車がある方を攻めエリア、玉(=囲い)がある方を守りエリアとして、図1-1と図1-2を改めてみてみましょう。
居飛車では角が守りエリアにいて、玉が囲いの奥深くに入るのを邪魔しています。その代わり、飛車と角が同じ地点を狙っているため攻撃的な構えです。一方の振り飛車では角が攻めエリアにいて、玉の囲いがしっかりしています。その代わり、飛車と角が反対の方向を向いているため、攻めがパッとしない印象です。
四間飛車の狙いは飛車交換の捌き!飛車を持ち合えば堅さが活きる!
では、改めて四間飛車の駒組みを見てみましょう。
四間飛車も、振り飛車の基本的な例と同じように、角が攻めのエリアにいて、玉の囲いはしっかりしています。
四間飛車の基本的な指し方の方針は、相手の攻めを待つことです。相手が攻めてきたところでうまく飛車交換に持ち込むのが基本の狙いです。お互いに飛車を取り合って持駒とすれば、次に敵陣に飛車を打ち込んで攻め合うことになります。同じ条件で攻め合えば、守りが堅い四間飛車が優勢になるのです。こういったお互いの攻め駒をうまく交換に持ち込んで、相殺するような指し方を「捌き(さばき)」といいます。四間飛車は攻め駒を捌いて攻め合いに持ち込み、守りの堅さで勝つ戦法なのです。
- 四間飛車は守りの戦法
- 居飛車と同じ条件で攻め合えば硬さで有利になる
- 相手が攻めてくるのを待つ
- 飛車交換に持ち込むのが基本方針
銀の位置で、中盤の戦い方や攻撃の方針を決める
7八銀型は初心者向け!いきなり飛車角を同時に動かす
四間飛車の基本形のまま戦うのが「7八銀型」です。この形の狙いは、タイミングよく▲6五歩と突いて、飛車先を伸ばしながら角道を開けていくのが狙いです。ここから6筋の飛車先突破と、角交換での捌きを同時に狙っていきます。
基本の6七銀型、飛車を振りなおして戦う
銀を6七に構える「6七銀型」は、四間飛車の一番基本の形です。ここからの狙いは、飛車を振りなおして相手の飛車にぶつけることです。飛車をぶつけて飛車交換に持ち込めば、美濃囲いの堅さが活きてきます。
攻撃的な6六銀型、棒銀風に攻めるのが特徴
銀を前に出す「6六銀型」は、居飛車側が攻めてこないで守りを固めてきたときに使う形です。このまま棒銀のように銀を繰り出して攻めていけるのが特長です。また高美濃囲いに組んでいるときは、中飛車に振りなおす手も有力です。5五の地点に飛車、角、銀が効いており非常に攻撃的な構えです。
腰掛け銀の5六銀型、右側を攻めていく!
最後に紹介するのは「5六銀型」です。この形は銀を4五に進めていき、右側から攻めていくようなときに使います。例えば高美濃囲いまで組んだ時に、右側の桂馬を活用していったときを考えてみましょう。
図2-6の形では、角、銀、桂が右側を狙っています。相手が居飛車の場合、こちらからみて右側に玉の囲いがあることが多いので、相手玉を直接攻める厳しい手になります。
四間飛車の基本の形はここまでとなります。次回はいよいよ実戦を模擬した形式で、四間飛車でどのように指していくのか見ていきます。初心者に人気の速攻棒銀との戦いを見ていきましょう。
まとめ
- 四間飛車は守りの戦法
- 飛車交換を狙うのが基本方針
- 銀のポジションによって4つの狙いがある
四間飛車で自分から攻めていける、6六銀型や中飛車に振り直してからの責め筋が学べる棋書は何かございますか?