オンラインで将棋を指してるとみんな矢倉囲いに組んできて崩せません!こっちの矢倉はすぐ崩れちゃうのに…。
将棋初心者にとってみると矢倉囲いってすごく固い囲いだよね。でもコツを知ったら簡単に崩せてしまうよ。
今回は矢倉囲いを崩す手筋として、横から銀を打って攻めていく基本手筋を3つ紹介します。どれも実戦で頻出の手筋ですよ!
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参考棋書:佐藤康光の実戦で使える囲いの急所
今回の記事はNHK出版の「佐藤康光の実戦で使える囲いの急所」を参考にしたよ。矢倉囲いだけでなく、代表的な囲いの崩し方が丁寧に解説された級位者におすすめの本だよ。
それではさっそく矢倉崩しの手筋を学んでいきましょーっ!
基本の横からの攻め
テーマ図
【図1-1 横からの攻めの基本図】
まずは矢倉囲いを横から崩していく手筋を学んでいきましょう。2段目に龍を成りこんでいるところですが、次の1手で相手の矢倉囲いを一気に崩すことができます。
矢倉囲いは横からの攻めにあまり強くないんだ。全く手つかずの状態から一気に崩していくよ。
図1-1からの指し手 ▲4一銀(図1-2)
【図1-2 3二の金を狙うのが急所】
矢倉囲いは、3二の地点の金が弱点となることが多いです。今回もその金を露骨に狙いに行きます。ここからの後手の対応は△4二金引とする手や△4二金寄とする手などが考えられます。それぞれ見ていきましょう。
後手がなにもしなかったら、次に▲3二龍で詰みですね!こういうのを「詰めろ」っていうんでしたよね。
△4二金引としてきた場合
図1-2からの指し手 △4二金引、▲3二銀成(図1-3)
【図1-3 平凡に▲3二銀成でOK】
後手が△4二金引としてきた場合は、平凡に▲3二銀成と金を取っておけばOKです。すでに先手が良くなっていますが、さらに何手か進めてみましょう。
図1-3からの指し手 △3二金、▲4三金、△3一金、▲4一銀(図1-4)
【図1-4 どんどん駒を足せば受けがない】
▲4三金~▲4一銀と3二の地点にどんどん駒を利かせていけば後手の受けはなくなります。これで後手の矢倉囲いを完全に崩すことができました。
矢倉囲いに最初に▲4一銀と打った後、△4二金引としたらガジガジ攻めて矢倉崩壊だ!次に△4二金寄と対応してきたときを見てみよう。
△4二金寄としてきた場合
からの指し手 △4二金寄(図1-5)
【図1-5 △4二金寄としてきた場合】
次に
から後手が△4二金寄と対応してきた場合を考えてみます。今度は3二の金を逃がしているので、▲3二銀成という攻めは成立しなさそうです。
図1-5からの指し手 ▲4三龍(図1-6)
【図1-6 龍を切って一気に寄せる】
▲4三龍と龍を切ってしまうのが好手です。ここから一気に寄せてしまいましょう。
龍を切っちゃうんですか!?なかなか勇気のいる手ですね~!
図1-6からの指し手 △4三金、▲3一銀(図1-7)
【図1-7 銀から打っていくのがポイント】
▲3一銀と攻めるのがポイントで、▲3二金としてしまうと攻めが切れてしまいます。なお銀打ちに対して△同玉と取れば▲3二金までの詰みです。
一見銀がタダだけど、同玉と取れば頭金で詰みなんだ!この頭金の攻め筋は以下の記事でも解説しているよ。
図1-7からの指し手 △1二玉、▲3二銀成(図1-8)
【図1-8 じわじわ追いつめて矢倉崩壊】
相手玉が逃げたところに▲3二銀成とじわじわ追いつめてしまえば後手は困ってしまいます。後手は△2二飛と受けるくらいしか手がありません。
最後はちょっと複雑な手順になったかもね。ここまでの指し手を復習しよう!
おさらい
から ▲4一銀、△4二金引 or △4二金寄
△4二金引から ▲3二銀成(図1-3)、△同金、▲4三金、△3一銀、▲4一銀
【図1-3(再掲) 平凡に▲3二銀成でOK】
まずは▲4一銀として矢倉の急所の3二金を狙います。これに対し△4二金引きとしてくるなら、▲3二銀成と取ってしまえば一気に寄ってしまいます。
△4二金寄から ▲4三龍(図1-6)、△同金、▲3一銀、△1二玉、▲3二銀成
【図1-6(再掲) 龍を切って一気に寄せる】
▲4一銀に対して△4二金寄ならば、▲4三龍として龍を切ってしまいます。さらに△同金に対して▲3一銀と銀から攻めるのもポイントで、これに対して△同玉なら▲3一金までの詰みです。
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横から一気に寄せる手筋
テーマ図
【図2-1 今度は後手に持ち駒がある】
今度のテーマ図も先ほどとほとんど同じです。ただし後手に持ち駒が追加されていて、より強靭に受けてくることが予想されます。先手も持ち駒が増えているので、これらを駆使して寄せてみましょう。
▲4一銀と金を狙うのは失敗する
図2-1からの指し手 ▲4一銀、△4二金打(図2-2)
【図2-2 ガッチリ固められて失敗】
先ほどと同じように▲4一銀として急所の3二の金を狙うのは、△4二金とガッチリ受けられて失敗します。後手の持ち駒を見て、適切に攻めていく必要があります。
▲3一銀でいきなり王手をかけるのが好手
からの指し手 ▲3一銀(図2-3)
【図2-3 いきなり王手をかけるのが正解】
▲3一銀といきなり王手をかけるのが正解です。この手筋も矢倉を攻めるときによく出てくるので覚えておきましょう。後手はこのとき△同金と取ると玉が取られてしまうので、△同玉と取るよりありません。
図2-3からの指し手 △3一玉、▲4一金、△2二玉、▲3一角(図2-4)
【図2-4 豊富な持駒で攻める】
相手玉を引っ張り出したら、豊富な持駒を使って相手玉をどんどん攻めていきます。角で王手することで相手玉が1三に逃げる手も防いでいます。
図2-4からの指し手 △1二玉、▲2四桂(図2-5)
【図2-5 歩頭の桂の手筋】
相手玉が1二に逃げたところで、▲3二龍と金を取りたくなりますが、グッと我慢して▲2四桂と打つのがポイントです。タダで取られる桂馬ですが、この意味は数手進めるとわかります。
これは「歩頭の桂」と呼ばれる手筋だね。この手筋については以下の記事で詳しく解説しているよ。
図2-6からの指し手 △2四歩、▲3二龍(図2-7)
【図2-7 合駒しても▲2三金打ち】
桂馬を△2四歩と取らせてから▲3二龍と走ります。これで後手が合駒してきても▲2三金と打てば詰みになります。桂馬を捨てたのはこの金打ちのスペースを作るためだったのです。先に▲3二龍としてから△2二合駒、▲2四桂とするのは△同銀と桂馬を取られて手順前後です。
今回はかなり複雑だったね。これまでの手順をおさらいしよう。
おさらい
から ▲3一銀、△同玉、▲4一金、△2二玉、▲3一角(図2-4)、△1二玉、▲2四桂、△同歩、▲2三龍
【図2-4(再掲) 豊富な持駒で攻める】
今回のポイントは、いきなり▲3一銀と王手をかけるところでした。このテーマ図では先手の持ち駒が豊富だったため、角と桂馬をうまく使って11手詰となっていましたが、詰みがないときでもこの手筋は有効な局面が多いです。
う~ん。この手筋はなかなか難しいですね!とりあえずイキナリ▲3一銀で王手をかける手筋があるってことだけ覚えておきます…。
銀一枚で崩す手筋
テーマ図
【図3-1 攻め駒が銀しかないが…】
次のテーマ図は、先手の攻め駒が銀しかありません。今回の手筋は完全に矢倉を崩せる手筋ではありませんが、銀1枚だけで相手陣を乱すことができる手筋なので実戦でも頻出です。
さっきの手筋はだいぶ複雑だったから、次は簡単なテーマ図にしよう!
図3-1からの指し手 ▲5二銀(図3-2)
【図3-2 なんてことない銀打ちだが】
今回はセオリーに反して、3二の金ではなく4三の金を狙います。簡単に受けられてしまいそうですが…。
図3-2からの指し手 △5三金、▲4一銀成(図3-3)
【図3-3 銀角交換が確定!】
後手の金が逃げてくれれば▲3一銀成で相手の角の逃げ道がなくなります。
この手筋ならすぐ覚えられます!明日から使ってみたいです!!
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まとめ
今回は矢倉囲いを崩す手筋を3つ紹介したよポイントをまとめよう!!
POINT
- ▲4一銀と打って3二の金を攻めるのが基本
- 持駒が豊富なときはイキナリ▲3一銀と打って王手
- ▲5二銀と打ってから角を狙う手もある
どの攻め筋も銀打ちから攻めるんでしたよね!どこに3種類の銀打ちをうまく使い分けれるようにしっかり復習します!
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いつも勉強させてもらってます!
図2-4
▲四一金ですね。
ご指摘ありがとうございます。該当の箇所、修正いたしました。