今回の記事では、ヒューリック杯棋聖戦のルールや仕組みについて解説していきます。
目次
ヒューリック杯棋聖戦って?早指し王位決定戦が源流のタイトル戦
産経杯争奪トーナメント戦から、早指し王位決定戦へ
棋聖戦は、産業経済新聞社が主催している棋戦で、タイトル戦の一つになっています。もともとは、産経杯争奪トーナメント戦が源流とされています。産経杯争奪トーナメント戦は1954年から早指し王位決定戦に改変し、さらに1960年には「王位戦」というタイトル戦に格上げとなりました。王位戦はいくつかの新聞社が主催していますが、1962年には産業経済新聞社が王位戦の主催から離脱し、「棋聖戦」を創設しました。
8大タイトルの一つ、棋聖戦!勝った棋士は「棋聖」に
棋聖戦は、現在はヒューリックが協賛に入り、正式名称が「ヒューリック杯棋聖戦」となっています。棋聖戦で勝った棋士は「棋聖」のタイトルを獲得することとなり、1年間は「棋聖」を名乗ることになります。1年後には次のタイトル挑戦者が決められ、現役の棋聖とタイトル挑戦者が戦い、勝った方が新しい「棋聖」となります。
棋聖戦の賞金は公表されていない
棋聖を勝ち抜いて新しい「棋聖」になった棋士には賞金が与えられますが、賞金額は公表されていません。ただ、他のタイトル戦の諸金額などから推測すると、数百万~1千万程度ではないかと考えられます。
棋聖戦の仕組み、参加資格は?
全棋士 + 女流棋士2名が参加!1次予選・2次予選・決勝トーナメントを行う
棋聖戦の参加資格は、全ての棋士に加えて女流棋士2名となります。参加者は、1次予選・2次予選・決勝トーナメントを行い、勝利した1名がいよいよ棋聖保持者と次の棋聖の称号をかけて戦うことになります。
- 全棋士+女流2名が参加
- 1次予選・2次予選・決勝トーナメント
- 勝ち上がった1名が棋聖に挑戦
1次予選は、持ち時間1時間!8人が勝ち上がり
1次予選は、持ち時間1時間のトーナメント戦となります。チェスクロックで時間を計るのが特徴で、一般的な棋戦と比べると持ち時間が短めです。1次予選では8人が勝ち上がり、2次予選に進みます。
2次予選は、持ち時間3時間!8人以上が勝ち上がり
2次予選は、1次予選の勝ち上がり8名と、シード者で持ち時間3時間のトーナメントを行います。2次予選のシードの条件は、順位戦B級2組以上の棋士、前期決勝トーナメント出場者、棋聖への挑戦経験者になります。勝ち上がる人数は年によって異なりますが、8人以上となります。
決勝トーナメントは、持ち時間4時間!勝ち上がった1名が挑戦者に!
決勝トーナメントは、2次予選を勝ち上がった棋士と、シード者で持ち時間4時間のトーナメントを行います。決勝トーナメントのシード条件は、前回の決勝トーナメントベスト4以上、現タイトル保持者、永世棋聖資格者となります。決勝トーナメントで勝ち上がった1名は、いよいよ棋聖に挑戦することになります。
棋聖戦のルールは?五番勝負のタイトル戦
- タイトル戦は五番勝負
- 持ち時間4時間
- 通算5期で永世棋聖
棋聖保持者と挑戦者の五番勝負!
棋聖戦の予選を勝ち上がって見事挑戦者となった棋士は、現役の棋聖保持者と五番勝負をすることになります。五番勝負となるので、先に3回勝った方がタイトル獲得となるわけです。
持ち時間は4時間!
棋聖戦の持ち時間は4時間になります。タイトル戦では、1局に2日かけることもありますが、棋聖戦は1局1日で終わることになります。
永世棋聖って?通算5期以上で永世称号が
通算で5回以上棋聖になった棋士は、「永世棋聖」の称号を得ることができます。