対振り飛車、対抗型

vsゴキゲン中飛車 超速2枚銀

投稿日: 04/08/2020 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
ゴキゲン中飛車って嫌な戦法ですよね…どうやって対策したらいいんでしょう…?
香介
今回は、超速2枚銀という指し方を解説しよう!居飛車急戦で、ゴキゲン中飛車と戦う形なんだ!

今回の記事では、超速2枚銀でゴキゲン中飛車と戦う手順を解説していきます。

参考棋書:決定版!超速▲3七銀戦法

香介
今回の記事は、マイナビ出版の「決定版!超速▲3七銀戦法」を参考にしたよ!居飛車でゴキゲン中飛車と戦う手順を詳しく解説しているよ!

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歩美
それでは、ゴキゲン中飛車と戦う手順を教えてください!

 

超速▲3七銀の駒組み

ゴキゲン中飛車の基本形

テーマ図

【図1-1 ゴキゲン中飛車の基本形】

【図1-1 ゴキゲン中飛車の基本形】

図1-1は、ゴキゲン中飛車の基本形です。今回は、この形から超速▲3七銀に組んでいく手順を見ていきましょう。

歩美
ゴキゲン中飛車の基本形までの指し方は、以下の記事で解説しています!

超速▲3七銀の形に!銀を上げるスペースを作る

図1-1からの指し手
▲3六歩(図1-2)

【図1-2 超速▲3七銀の駒組み】

【図1-2 超速▲3七銀の駒組み】

ゴキゲン中飛車に対して、▲3六歩と素早く3筋から動くのが超速▲3七銀の駒組みです。ここから▲3七銀と出ていくのを狙っています。

ゴキゲン中飛車側は、ここから囲いを優先させる指し方と、居飛車に合わせて銀を進めていく「銀対抗」という指し方があります。

 

超速2枚銀の基本の狙い、5五の歩を攻める

素早く▲4六銀と上がる

図1-2からの指し手
△6二玉、▲3七銀、△7二玉、▲4六銀(図2-1)

【図2-1 ▲3七銀~▲4六銀と上がる】

【図2-1 ▲3七銀~▲4六銀と上がる】

超速▲3七銀では、素早く銀を▲4六銀まで上がるのが駒組みのポイントです。居飛車は、5五の地点に利きを集めて、5五の歩を取りに行くのが狙いです。対してゴキゲン中飛車側は、片美濃囲いを目指しています。

2枚銀の駒組みで5筋の奪還を狙え!

図2-1からの指し手
△8二玉、▲7八玉、△7二銀、▲6八銀、△3二金、▲7七銀、△4二銀、▲6六銀(図2-2)

【図2-2 左銀も前に出す!】

【図2-2 左銀も前に出す!】

左側の銀も、▲6八銀~▲7七銀~▲6六銀と前に進めていきます。このように、左右の銀を前に進めていく駒組みを「2枚銀」と言います。次に▲5五銀左と歩を取るのが狙いで、ゴキゲン中飛車側はこの歩を取られると攻め手がなくなってしまいます。

香介
ゴキゲン中飛車は5五の地点に角と飛車の2枚しか利いていないけど、居飛車側は銀2枚と角の計3枚が利いているよ!

△5六歩からの仕掛けはもう手遅れ

図2-3からの指し手
△5六歩、▲同歩、△同飛、▲5五歩(図2-3)

【図2-3 ゴキゲン中飛車側はすでに手遅れ】

【図2-3 ゴキゲン中飛車側はすでに手遅れ】

ゴキゲン中飛車は、慌てて5筋の歩を交換しに行きましたが、すでに手遅れです。5筋の歩を交換したタイミングで▲5五歩と蓋をしてしまえば相手の飛車は動けなくなります。

歩美
相手はもっと早く△5六歩から動いていかなきゃいけなかったんですね!△5六歩と突くタイミングでいろいろ駆け引きがありそうです!

 

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銀対抗の駒組み、超速2枚銀に組む

ゴキゲン中飛車側も5筋に戦力を足す

図1-2 からの指し手
△4二銀、▲3七銀、△5三銀、▲4六銀、△4四銀(図3-1)

【図3-1 銀対抗の駒組み】

【図3-1 銀対抗の駒組み】

図1-2 まで戻り、別の指し手を見ていきます。今度はゴキゲン中飛車側も素早く銀を前に出し、5五の地点に利きを足してきました。このように銀が向かい合う駒組みを「銀対抗」と呼びます。

香介
アマチュアでも人気の駒組みだよ!ネット将棋でもこの銀対抗の形になることが多いかもね!

やはり2枚銀に組むが…

図3-1からの指し手
▲7八玉、△6二玉、▲6八銀、△7二玉、▲7七銀、△8二玉、▲6六銀(図3-2)

【図3-2 やはり2枚銀の形に】

【図3-2 やはり2枚銀の形に】

ここからは、やはり2枚銀の形に組んでいくのが定跡です。ただし銀対抗の形では、居飛車も振り飛車も5五の地点に利きが3枚あるため、そのまま▲5五銀左と歩を取るわけにはいきません。

歩美
相手も、飛車、角、銀の3枚が5五に利いてますね…

桂跳ねで、角を退かして5筋を取り返そう!

図3-2からの指し手
△7二銀、▲5八金右、△9四歩、▲9六歩、△5一飛、▲3七桂(図3-3)

【図3-3 ▲4五桂で角の利きを逸らすのが狙い】

【図3-3 ▲4五桂で角の利きを逸らす】

ゴキゲン中飛車側は、とりあえず5五の地点はしばらく安全なので片美濃囲いを組んできました。こちらは▲3七桂と跳ねて攻めの準備をしておきましょう。この手は、▲4五桂として相手の角に働きかけ利きを逸らして、▲5五銀左としていく狙いです。

香介
もう5五に利きを足すことができないから、逆に相手の5五に利いている駒を退かしに行くんだ!

▲2九飛と間合いを取ってから、▲4五桂で仕掛ける

図3-3からの指し手
△3二金、▲2九飛(図3-4)

【図3-4 ▲4五桂の前に飛車を引く】

【図3-4 ▲4五桂の前に飛車を引く】

▲4五桂と仕掛ける前に、▲2九飛と飛車を引いておくのが定跡です。この手の意味は、下の補足で解説するため、とりあえず手を進めてみましょう。

図3-4からの指し手
△6四歩、▲4五桂(図3-5)

【図3-5 ▲4五桂から仕掛ける!】

【図3-5 ▲4五桂から仕掛ける!】

いよいよ▲4五桂から仕掛けていきます。これに対して、ゴキゲン中飛車側が△2二角と引く形と、△4二角と引く形を見ていきましょう。

△2二角には、飛車先の歩を交換

図3-5からの指し手
△2二角、▲2四歩、△同歩、▲同飛、△2三歩、▲3四飛(図3-6)

【図3-6 △3三桂なら角の利きが止まる】

【図3-6 △3三桂なら角の利きが止まる】

図3-5から、ゴキゲン中飛車側が△2二角と引いてきたら、飛車先交換から横歩を取ってしまいましょう。ここで相手が△3三桂などと指して来たら、角のラインが止まるため▲5五銀左と5筋の歩を取れます。

歩美
とにかく5五の歩を取りに行くのが方針なんですね!

△4二角と角の利きが逸れたら、5筋の歩を取りに行く

図3-5 からの指し手
△4二角、▲5五銀左、△同銀、▲同角(図3-7)

【図3-7 5筋の歩を取ろう!】

【図3-7 5筋の歩を取ろう!】

図3-5まで戻り、別の指し手を見ていきます。今度は△4二角と角を引いてました。ここでは角の利きが5五からずれるので、▲5五銀左から歩を取りに行きます。△同銀、▲同角と進んだ局面は居飛車側の角が香車に当たっていて、ゴキゲン中飛車側は忙しくなります。

図3-7からの指し手
△3三桂、▲5三銀(図3-8)

【図3-8 △同角なら△3三桂成】

【図3-8 △同角なら▲3三桂成】

△3三桂と香車を守ってきたら、▲5三銀と打ち込んでいきます。これに対して△同飛なら▲同桂成として飛車を取って居飛車良し、△同角なら▲3三桂成から攻めていく手が厳しくなります。

香介
まだまだ互角の変化だけど、居飛車側の方がガンガン攻めていて指しやすいんじゃないかな?

補足
▲2九飛と引く意味は? 

【図a-1 ▲2九飛と引いておかないと】

【図a-1 ▲2九飛と引いておかないと】

今回解説した手順では、▲4五桂と跳ねる前に▲2九飛と飛車を引いていましたが、この手を省略するとどうなるのでしょうか。図a-1の局面は、▲2九飛と引かずに▲4五桂と仕掛け、△4二角、▲5五銀左、△同銀、▲同角と進んだ局面です。

【図a-2 飛車切りからの切りかえし】

【図a-2 飛車切りからの切りかえし】

図a-1からは、△同飛、▲同銀、△3七角という手が厳しい切り返しになります。この角打ちが飛車銀両取りになるため、あらかじめ▲2九飛と引いておく必要があったのです。

補足
金美濃での駒組み

【図b-1 金美濃での駒組み】

【図b-1 金美濃での駒組み】

ゴキゲン中飛車側は、超速2枚銀に対して金美濃という囲いを組んでくることがあります。これは5三の地点に利きをつけておく狙いがあり、▲5三銀といった筋を消しています。

 

ゴキゲン中飛車が素早く5筋から攻めてきたら?

5筋からの攻めには角交換!

図1-2 からの指し手
△6二玉、▲3七銀、△5六歩、▲同歩、△同飛(図4-1)

【図4-1 5筋の交換には切り返しが】

【図4-1 5筋の交換には切り返しが】

図1-2 まで戻り、ゴキゲン中飛車が素早く5筋を交換してきたときの指し方を少しだけ解説していきます。

図4-1からの指し手
▲3三角成、△同桂、▲6五角(図4-2)

【図4-2 ▲6五角で先手良し】

【図4-2 ▲6五角で先手良し】

ここでは、角交換して▲6五角と打てば居飛車側が良くなります。相手は馬を作る手を受けることができません。

歩美
この切り返しは気持ちいい一手ですね!

△5五角の切り返しに注意

図1-2 からの指し手
△5六歩、▲同歩、△同飛(図4-3)

【図4-3 さっきと似ているが…?】

【図4-3 さっきと似ているが…?】

図1-2 まで戻り、今度はさらに1手早く飛車先を交換してきました。さっきと似たような局面ですが、角交換して良いのでしょうか?

図4-3からの指し手
▲3三角成、△同桂、▲6五角、△5三飛、▲8三角成、△5五角(図4-4)

【図4-4 △5五角がさらなる切り返し】

【図4-4 △5五角がさらなる切り返し】

▲3七銀の手が入っていないと、飛車のコビンが開いているため△5五角のさらなる切り返しがあります。図4-3からは角交換せずに、おとなしく▲5七銀などと指しておくべきでした。

香介
ゴキゲン中飛車と超速の戦いでは、とにかくどのタイミングで△5六歩と突いてくるのかが駆け引きになるよ!今回紹介した手順を基本にいろいろな変化があるんだ!
歩美
以下の棋書では、さらに細かい変化についても解説しています!

 

まとめ

香介
今回は、ゴキゲン中飛車の対策として、超速2枚銀で戦う順を解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 右銀を素早く▲3七銀~▲4六銀と上げていく
  • 左銀も▲6八銀~▲7七銀~▲6六銀と上げる
  • 5五に利きを集めて、5筋の歩を取るのを狙う
  • 銀対抗の形に対しては、▲2九飛~▲4五桂から仕掛ける
歩美
これでゴキゲン中飛車ともちゃんと戦えそうです!

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【図1-2 超速▲3七銀の駒組み】

【図1-2 超速▲3七銀の駒組み】

【図3-5 ▲4五桂から仕掛ける!】

【図3-5 ▲4五桂から仕掛ける!】