角交換振り飛車

角交換四間飛車 逆棒銀の攻め方

投稿日: 03/20/2020 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
前の記事では、角交換四間飛車の駒組を勉強しました!駒組みした後は、どうやって攻めていけばいいんでしょうか?
香介
今回は、角交換四間飛車の基本的な攻め筋である、「逆棒銀」という指し方を解説していくよ!

今回の記事では、角交換四間飛車での逆棒銀の攻め筋を紹介していきます。

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参考棋書:角交換四間飛車を指しこなす本

香介
今回の記事は、浅川書房の「角交換四間飛車を指しこなす本」を参考にしたよ!角交換四間飛車の第一人者、藤井猛先生が丁寧に指し方を解説しているよ!

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歩美
それでは、逆棒銀の攻め筋を教えてください!

 

角交換四間飛車から、逆棒銀の駒組み

角交換四間飛車の基本形

テーマ図

【図1-1 角交換四間飛車の基本形】

【図1-1 角交換四間飛車の基本形】

図1-1は、角交換四間飛車の基本形です。今回は、ここから逆棒銀で攻めていく手順を見ていきましょう。

歩美
角交換四間飛車の基本形までの指し方は、以下の記事で解説しています!

片美濃囲いに組む

図1-1からの指し手
△6二銀、▲2八玉、△3二玉、▲3八銀(図1-2)

【図1-2 片美濃囲いに組む】

【図1-2 片美濃囲いに組む】

逆棒銀を狙うときは、サッと片美濃囲いに組んで速攻を狙うのが基本です。囲いを組んだら一気に攻めていきましょう。

向かい飛車に振りなおす

図1-2からの指し手
△5二金右、▲8八飛(図1-3)

【図1-3 向かい飛車に振りなおす】

【図1-3 向かい飛車に振りなおす】

逆棒銀で攻めるときは、飛車を向かい飛車に振りなおします。ここから8筋を攻めていくのが逆棒銀の基本です。

香介
ここから逆棒銀の攻め筋を見ていこう!

補足
いきなり向かい飛車に振る手は…? 

【図a-1 ダイレクト向かい飛車の変化】

【図a-1 ダイレクト向かい飛車の変化】

逆棒銀では、一度四間飛車に振った後で向かい飛車に振りなおします。それなら最初から向かい飛車に振った方がいいと思った方もいるかもしれません。しかし、いきなり向かい飛車に振る手に対しては、△4五角と打つ変化が生まれます。

この変化はダイレクト向かい飛車という形でまだまだ互角ですが、難解な手順も多いため初心者にはあまりオススメできません。

 

逆棒銀の基本の攻め筋

8筋からの逆襲を狙う

図1-3 からの指し手
△4二金右、▲8六歩、△同歩、▲同銀(図2-1)

【図2-1 8筋から逆襲するのが逆棒銀】

【図2-1 8筋から逆襲するのが逆棒銀】

図1-3 から、相手がぼんやりしていると▲8六歩から逆棒銀の仕掛けが成立します。。図2-1からは、銀をズンズン前に進めて相手の飛車を圧迫していくのを狙います。

歩美
あっ!相手が8筋を詰めていたはずなのに、こっちが逆に8筋を攻める展開になってますね!

銀をズンズン進めて相手の飛車を攻める

図2-1からの指し手
△7四歩、▲8五銀、△7三銀、▲8四歩(図2-2)

【図2-2 高く歩で押さえておけば優勢】

【図2-2 高く歩で押さえておけば優勢】

相手はあわてて△7四歩~△7三銀として8筋に利きを足してきましたが、おとなしく▲8四歩と打っておけば十分です。相手の飛車がかなり使いにくくなっているのがわかりますか?

図2-2からの指し手
△2二玉、▲7五歩、△同歩、▲5六角(図2-3)

【図2-3 角で駒を足す】

【図2-3 角で駒を足す】

図2-2からさらにガンガン攻めていくなら、7筋を突き捨ててから▲5六角と打っていきましょう。次に▲8三歩成としていく手が相手は受けにくいです。

香介
▲8六歩から銀を進めてあっという間に振り飛車が優勢になったね!

 

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7筋の歩を突かれた時の対応

相手が7筋の歩を突いてきたら?

図1-3 からの指し手
△7四歩(図3-1)

【図3-1 あらかじめ7筋の歩を突くのが受け】

【図3-1 あらかじめ7筋の歩を突くのが受け】

図1-3 から、相手が工夫してきた場合を見てみましょう。逆棒銀には、あらかじめ△7四歩と突いておくのが手筋で、これで単純な攻めは受けられてしまいます。

シンプルな逆棒銀は、桂跳ねで受けられる

図3-1からの指し手
▲8六歩、△同歩、▲同銀、△7三桂(図3-2)

【図3-2 桂跳ねで逆棒銀が受けられる】

【図3-2 桂跳ねで逆棒銀が受けられる】

△7四歩と突かれた場合は、シンプルな攻めは成立しません。▲8六歩から仕掛けても、桂跳ねで受けられてしまいます。

歩美
振り飛車の攻め手がなくなっちゃいますね…

7筋から歩を取って、▲7二歩の叩き

図3-1 からの指し手
▲6六銀、△7三銀(図3-3)

【図3-3 争点を7筋に移す】

【図3-3 争点を7筋に移す】

図3-1 に戻って別の指し手を見ていきます。相手が△7四歩と突いてきたときは、8筋から攻めるのではなく攻めの争点を7筋に移します。銀を▲6六銀と使っていきましょう。

香介
普通の四間飛車では6六には歩がいることが多いから、▲6六銀として銀を使う手は角交換四間飛車ならではの手だね!

図3-3からの指し手
▲7五歩、△同歩、▲同銀、△7五歩、▲6六銀(図3-4)

【図3-4 歩を1枚手持ちに】

【図3-4 歩を1枚手持ちに】

▲7五歩から歩を1枚交換しに行きます。これで持ち駒に歩が手に入ったので、様々な攻め手が生まれてきます。

歩美
歩は手に入りましたが、ここから攻めがあるんでしょうか…?

図3-4からの指し手
△6四銀、▲7二歩(図3-5)

【図3-5 ▲7二歩の叩きが手筋】

【図3-5 ▲7二歩の叩きが手筋】

歩を一枚手持ちにしたら、▲7二歩と叩くのが手筋です。相手は放っておくと▲7一歩成からじわじわ攻められてしまうので、この歩をどうにか処理する必要があります。

図3-5からの指し手
△7二飛、▲8六歩(図3-6)

【図3-6 飛車の利きをずらして攻める】

【図3-6 飛車の利きをずらして攻める】

相手は、△7二飛として飛車で歩を取りましたが、ここで▲8六歩からの攻めが決まります。飛車先がそれたので8筋がガラ空きになってしまいました。相手がここで慌てて△8二飛と戻しても、▲8五歩と取り込んでいって十分です。

香介
▲7二歩と叩く手筋は是非覚えておこう!振り飛車でよく出てくる手筋だよ!

腰掛け銀の駒組みとの戦い

図3-1 からの指し手
▲6六銀、△6四歩(図3-7)

【図3-7 腰掛け銀の構え】

【図3-7 腰掛け銀の構え】

図3-1 まで戻り、別の指し手を見ていきます。今度は相手は△6四歩と突いてきました。この手は、腰掛け銀に構えつつ、△6五歩からこちらの飛車のコビンを開けて角を打って攻めていくような手を狙っています

図3-7からの指し手
▲7五歩、△同歩、▲同銀(図3-8)

【図3-8 やはり歩を一枚手持ちにする】

【図3-8 やはり歩を一枚手持ちにする】

やはり、7筋の歩を交換して歩を持ち駒にするのがセオリーです。今度は7四の地点に相手の駒の利きがないため、次に▲7四歩などと打てれば振り飛車がかなり指しやすい展開になります。

歩美
今度は、△7四歩で銀が弾かれる心配がないですね!

図3-8からの指し手
△4四角(図3-9)

【図3-9 このタイミングでの角打ち】

【図3-9 このタイミングでの角打ち】

このタイミングで、△4四角と打ってくるのがいやらしい手です。ここで振り飛車の対応は、▲6六角や▲7七角などと角を合わせるような手や、▲6六銀と引くような手が考えられます。どの手が良いのでしょうか。

図3-9からの指し手
▲6六角、△同角、▲同銀(図3-10)

【図3-10 角を合わせてから銀を引く】

【図3-10 角を合わせてから銀を引く】

ここでは▲6六角と合わせるのが良い手です。この局面まで進むと、お互いに攻めてなくなってくるので囲いに手を付けていきます。ただ、囲いに手を付ける前に指しておきたい手があります。

香介
▲6六角と合わせる以外の手については、以下の補足で解説しているよ!

図3-10からの指し手
△6三銀、▲7八飛、△7四歩(図3-11)

【図3-11 相手に歩を使わせておく】

【図3-11 相手に歩を使わせておく】

一度、▲7八飛と回っておいて、相手に歩を使わせておきます。この後もう一度8筋に飛車を戻してから駒組みを進めていきましょう。

歩美
細かい手ですが、これで相手の持ち歩がなくなりますね!

補足
▲6六角、△同角、▲同銀以外の手は…?

【図b-1 △4四角に▲6六銀】

【図b-1 △4四角に▲6六銀】

図3-9 から、別の手を見ていきます。ここで▲6六銀と引くと、△6五歩が激痛です。▲7七銀と引くしかないですが、△7六歩の追撃があります。

【図b-2 △4四角に▲7七角】

【図b-2 △4四角に▲7七角】

図3-9 から、▲7七角とあわせるのも失敗です。△同角成、▲同桂に△7四歩で桂馬が死んでしまいます。

【図b-2 △4四角に▲6六角、△同角、▲同歩】

【図b-2 △4四角に▲6六角、△同角、▲同歩】

図3-9 から、▲6六角、△同角、▲同歩と進める手もあまりいい手ではありません。△6七角と角を打たれる隙ができてしまいます。

 

飛車先不突き型には…?

飛車先不突き型

【図4-1 飛車先不突き型】

【図4-1 飛車先不突き型】

図4-1は、角交換四間飛車に対して、居飛車が飛車先不突き型の形にしてきたときの局面です。居飛車は、△8五歩と突く手を保留しているのが特徴で、逆棒銀の▲8六歩の仕掛けを封じています。

この形では、逆棒銀で攻めていくことはできないので注意しましょう。

香介
飛車先不突き型との戦いは、以下の本も参考にしてみてね!

 

まとめ

香介
今回は、角交換四間飛車で逆棒銀で攻めてく順を見てきたよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 片美濃囲いに組んでから、向かい飛車に振りなおす駒組み
  • ▲8六歩、△同歩、▲同銀とするのが基本の仕掛け
  • △7四歩と対抗してきたら、争点を7筋に移す
  • 歩を手持ちにしたら、▲7二歩の叩き
歩美
逆棒銀の攻め方が良くわかりました!

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【図1-3 向かい飛車に振りなおす】

【図1-3 向かい飛車に振りなおす】

【図3-1 あらかじめ7筋の歩を突くのが受け】

【図3-1 あらかじめ7筋の歩を突くのが受け】

【図3-9 このタイミングでの角打ち】

【図3-9 このタイミングでの角打ち】