対振り斜め棒銀 ▲4六銀左急戦

斜め棒銀では、左の銀を攻めに使う形と右の銀を攻めに使う形がありますが、今回は左銀で攻めていく順を見ていきます。

左の銀をさらに前に出していきます。ここから▲4六銀と使って攻めていくのが「▲4六銀左急戦」と呼ばれる形です。また、銀を4六に出して攻めていく順は総称して「斜め棒銀」と呼ばれています。

斜め棒銀は、振り飛車側の銀が3二にいるか4三にいるかで攻め方が変わっていくので、順にみていきます。

△4三銀型の振り飛車に対しては、▲4六銀と出てから▲3五歩と突いて仕掛けます。ここからさらに進めて攻めの手順を見ていきます。なお、ここから△同歩、▲同銀と進めば居飛車側の攻めが好調で優勢になります。相手はこの歩を取らずに別の手を探します。

斜め棒銀の攻めに対しては、△3二飛として飛車を3筋に回し受けてくるのが定跡です。ここで▲3四歩と3筋の歩を取り込んでいく多いところですが、その前に指しておきたい手があります。

3筋の歩を取り込む前に、2筋の歩を突き捨てておくのがポイントです。この突き捨ての意味は、もう少し手を進めていくとわかります。

2筋の歩を突き捨てたら、いよいよ▲3四歩と取り込んで勝負を仕掛けます。飛車も3筋に回って銀取りに当てて、戦いを始めます。相手が銀を逃がせば、▲3四歩と打ち込んで攻めていけます。

ここで、振り飛車側が△4五歩と突くのが定跡です。角のラインを通しながら銀取りに当てることで、一気に大駒を捌く手を狙っています。

図2-6 から、こちらから角交換して攻め合います。角交換した後は銀取りを無視して▲2二角と打ち込んでいきましょう。相手の飛車が逃げれば▲3四飛と銀を取れます。

さらに攻め合いが続きます。図2-8の局面まで進むと、相手は桂取りを受けるのが難しく、居飛車側が若干攻めやすくなっています。△4三金とすれば桂取りは受けられますが、あらかじめ2筋の歩を突き捨てていた効果で▲2四飛と回って攻めが続きます。

山田定跡では、先に▲3五歩として3筋の歩を突き捨ててから▲4六銀と出ていくのが形です。歩を突き捨てる前に▲4六銀と出てしまうと、△4五歩で銀を追い返されてしまいます。

図3-2から、△4五歩と突かれた場合の手順を見ていきます。相手はこちらの銀に当てながら角道を開けてきました。

相手から△8八角成、▲同玉と角交換されるとこちらの玉が囲いから離れてしまうため、こちらから角交換していきます。そのあとは▲3五銀として攻めていきます。ここからは▲2四歩と攻めていく手がありますがまだまだ難解です。

図3-2 から、別の手順を見ていきます。ここから△3六歩と歩を伸ばしていくのが好手で、いやのところに利いていますがこちらはこの歩をなかなか取ることができません。

振り飛車側からは、やはり△4五歩と突いていって捌きを狙うのが手筋です。

こちらから角交換するのがポイントです。相手から角交換されると、△8八角成、▲同玉で玉が囲いから離れてしまいます。