横歩取り

横歩取り△2三歩戦法

投稿日: 01/19/2020 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
この前横歩取りを指そうと思ったんですが、序盤に相手が△2三歩と打ってきてどう指したらいいのかわからなくなっちゃいました!
香介
それは横歩取り2三歩戦法という形だね!基本的には先手が良くなると言われている形だけど、ちゃんと指し方を知っておきたいね!

今回の記事では、横歩取り2三歩戦法の指し方を解説していきます。

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YouTubeの動画で学ぶ、横歩取り定跡

ゼロから始める将棋研究所のYouTubeチャンネルでは、動画で横歩取りの定跡を学べます。動画の内容は、ブログ記事とほとんど同じものとなっています。

香介
動画で気軽に勉強してもいいし、ブログ記事で読みたいところだけかいつまんでみるのもいいね!

歩美
まずは動画で学習して、ブログ記事で復習するのもおすすめです!

横歩取り2三歩戦法の基本形

横歩取りの出だしからスタート

テーマ図

【図1-1 横歩取りの出だし】

【図1-1 横歩取りの出だし】

図1-1は横歩取りの出だしの局面です。ここから▲2四歩、△同歩、▲同飛、△8六歩…と指していくのが通常の横歩取りの変化ですが、2三歩戦法では異なる展開になります。

歩美
通常の横歩取りの展開については以下の記事で解説しています!

△2三歩には強気に横歩を取る!

図1-1からの指し手
▲2四歩、△同歩、▲同飛、△2三飛(図1-2)

【図1-2 2三歩戦法の形に】

【図1-2 2三歩戦法の形に】

先手が飛車先を交換したところで、△2三歩と打つのが2三歩戦法の形です。初心者同士の対局でもよく出てくる形ですが、実はこの形になった時点で先手が若干有利と言われています。

香介
ここでは△2三歩と打たないで、△8六歩と後手からも飛車先交換を迫るのが通常の横歩取りだよ!

図1-2からの指し手
▲3四飛(図1-3)

【図1-3 すでに先手有利の形】

【図1-3 すでに先手有利の形】

2三歩に対して、▲3四飛と横歩を取れば、すでに先手が若干有利です。ただしこの後の正しい指し方を知っていないと簡単には優勢にはなりません。

歩美
えーっ!これでもう有利なんですか!?でもここからちゃんと指すのはなかなか難しそうです…

補足
横歩を取らない形も有力

【図a-1 相掛かりの形に】

【図a-1 相掛かりの形に】

△2三歩と打たれた局面で、▲2八飛などと縦に引けば、相掛かりの形に合流します。この場合は互角の変化ですが、▲3四飛と横歩を取る順に比べ穏やかに進行していくため、相掛かりが得意な方にはこちらの指し方もおすすめです。

 

通常の横歩取りに合流する変化

△3三角とすれば空中戦法と合流

図1-3 からの指し手
△3三角(図2-1)

【図2-1 △3三角型空中戦法に合流】

【図2-1 △3三角型空中戦法に合流】

図1-3 から、相手が△3三角などとしてくれば、横歩取り(△3三角型空中戦法)の形と合流します。ただし、通常の横歩取りでは後手も飛車先交換していますが、図2-1の局面では後手はまだ飛車先の歩が切れていないため若干先手が指しやすい変化です。

相手がうっかりしたら角切りから大チャンス!

図1-3 からの指し手
△6二銀、▲2二角成(図1-3)

【図2-2 どっちで馬をとっても龍ができる】

【図2-2 どっちで馬をとっても龍ができる】

図1-3 で、相手が△6二銀など指して来たら、▲2二角成で勝勢です。これに対して相手が△同金としても△同銀としても次にこちらは飛車を成ることができます。

香介
この形になれば勝勢だね!実戦でチャンスを見逃さないようにしよう!

 

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角交換から△4五角とされた場合

△4五角で飛車取りと馬作りを見せる

図1-3 からの指し手
△8八角成、▲同銀、△4五角(図3-1)

【図3-1 角交換から△4五角】

【図3-1 角交換から△4五角】

図1-3 まで戻り、別の変化を見ていきます。相手は角交換して△4五角と打ってきました。次に飛車取りと△2七角成を見ていますが、どのように対応するか進めてみましょう。

歩美
う~ん。これじゃあやっぱり後手有利に見えます…

▲1五角の王手がポイント

図3-1からの指し手
▲3五飛、△2七角成、▲1五角(図3-2)

【図3-2 ▲1五角の王手がポイント】

【図3-2 ▲1五角の王手がポイント】

飛車を取られるわけにはいかないので、▲3五飛と逃げますが、△2七角成と馬を作られてしまいます。ここでは▲1五角と打って王手するのが定跡です。さらにここから手を進めて狙いを見ていきます。

▲3六歩で相手の馬が狭くなる

図3-2からの指し手
△5二玉、▲3六歩(図3-3)

【図3-3 ▲3六歩で相手の馬が動けなくなる】

【図3-3 ▲3六歩で相手の馬が動けなくなる】

▲3六歩と歩をつくのが狙いで、図3-3の局面では相手の馬がどこにも動けなくなっているのがわかりますか?いつでも▲2八歩と打って馬を取りに行けます。

香介
この手は知らないとなかなか指せないよね!

図3-3からの指し手
△1四歩、▲4八角、△6二銀、▲2二歩(図3-4)

【図3-4 ▲2二歩として攻めていける】

【図3-4 ▲2二歩として攻めていける】

図3-3から△1四歩と角をいじめられても、▲4八角と引いておけば問題ありません。こちらは▲2二歩と打って攻める手があり好調です。図3-4の局面から桂馬が逃げても▲2一歩成でじわじわ攻めていけます。

歩美
この変化は知らないと指せないですね!しかも乱戦っぽくなって難しそうです!

 

角交換から△2五角とされた場合

△2五角で飛車取りと馬作りを見せる

図1-3 からの指し手
△8八角成、▲同銀、△2五角(図4-1)

【図4-1 角交換から△2五角】

【図4-1 角交換から△2五角】

図1-3 まで戻り、別の変化を見ていきます。今度は相手は角交換から△2五角と打ってきました。この手も飛車取りと馬作りを狙った手です。

いきなり飛車を切っても先手良し

図4-1からの指し手
▲3二飛成(図4-2)

【図4-2 いきなり飛車切りが成立】

【図4-2 いきなり飛車切りが成立】

△2五角に対しては、なんといきなり飛車を切る手が成立します。この変化で先手が若干有利とされています。

香介
この飛車切りは、後の変化をちゃんと知っておかないと指せないよね!

図4-2からの指し手
△3二銀、▲3八銀(図4-3)

【図4-3 馬作りを防ぐ】

【図4-3 馬作りを防ぐ】

飛車を切った後は、▲3八銀としていったん相手の馬作りを受けておきましょう。

香介
次に▲2二歩と打って攻める手があるのもポイントだね!

▲1六歩~▲3五金が狙い

図4-3からの指し手
△3三銀、▲1六歩(図4-4)

【図4-4 ▲1六歩と突くのが定跡】

【図4-4 ▲1六歩と突くのが定跡】

相手は▲2二歩として桂馬を攻められる手を受けるため、△3三銀としてきましたが、ここで▲1六歩と端歩を突くのが定跡です。一見すると狙いがわかりにくいですが、さらに手を進めてみます。

図4-4からの指し手
△6四歩、▲3五金(図4-5)

【図4-5 相手の角を捕獲!】

【図4-5 相手の角を捕獲!】

▲3五金と打って相手の角を取りに行くのが狙いでした。△1四角に逃げても、▲1五歩で角を取りに行けます。

歩美
▲1六歩~▲3五金の狙いは知らないと指せないですね…!

△4四歩には▲6五角が受けにくい

図4-4 からの指し手
△4四歩、▲6五角(図4-6)

【図4-6 桂取りが受けにくい】

【図4-6 桂取りが受けにくい】

図4-4 で、相手が角の逃げ道を作るために△4四歩としてきた場合は、▲6五角と打って先手良しです。相手は次の桂取りが意外と受けにくい形です。

図4-6からの指し手
△2二飛、▲3二金(図4-7)

【図4-7 ガジガジ攻めていく】

【図4-7 ガジガジ攻めていく】

△2二飛として桂馬にヒモをつけて受けてきたら、▲3二金からガジガジ攻めていけます。

補足
▲3二飛成に△同飛の変化 

【図b-1 ▲6五角や▲8三角を狙う】

【図b-1 ▲6五角や▲8三角を狙う】

図4-2 から、△同銀ではなく△同飛と取ってくる場合があります。このときは自然に▲3八銀と受けておいて問題ありません。ここからは▲6五角や▲8三角などと打つ手があり、先手が攻めやすい変化になります。

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まとめ

香介
今回は、横歩取り2三歩戦法の指し方を解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 横歩取りの出だしから△2三歩と打つ変化
  • 角交換から△4五角打ちには、▲1五角~▲3六歩で相手の馬を狭くする
  • 角交換から△2五角打ちには、飛車金交換で先手よし
  • 飛車金交換の後は、▲1六歩~▲3五金を狙う
歩美
かなり難解な変化が多かったですね!しっかり勉強してから実戦で試したいと思います!

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【図1-3 すでに先手有利の形】

【図1-3 すでに先手有利の形】

【図4-4 ▲1六歩と突くのが定跡】

【図4-4 ▲1六歩と突くのが定跡】

【図4-2 いきなり飛車切りが成立】

【図4-2 いきなり飛車切りが成立】