今回の記事では、詰将棋のルールや遊び方について解説します。
目次
詰将棋とは、相手玉を詰ませる将棋パズル
詰将棋とは、将棋の使ったパズルゲームのようなものです。単純にパズルとして楽しめるだけでなく、詰将棋を解くことで、実際の将棋の実力もつくと言われています。詰将棋は相手がいなくても一人で楽しめるので、将棋の勉強としても一般的です。
詰将棋の基本的なルール
攻方と玉方に分かれ、玉方を詰ますことを目指す
図1-1は詰将棋の一例です。詰将棋は玉がある「玉方」と、玉のない「攻方」に分かれています。問題の局面から攻方から玉方の玉を詰ませられるような手順を考えるのが詰将棋です。なお詰将棋では必ず攻方から順番に指していきます。
基本的な指し方は普通の将棋と同じ
詰将棋では、駒の動かし方などの基本的なルールは通常の指し将棋と同じです。他にも、2歩や打ち歩詰めといったルールも通常の将棋に準じています。
攻方は連続で王手して玉方を詰ませる手順を考える
詰将棋では、攻方は常に玉方に対して王手をかけるような手を指さなければなりません、それに対して玉方は逃げていくことになります。例えば図1-1の詰将棋を解いてみましょう。
攻方は持ち駒の金で相手玉に王手をかけていき、無事詰ませることができました。この手順を思いつくことができれば、この詰将棋の問題が解けたということになります。また玉方は2手目に△2一玉と逃げていますが、他にも△3一玉、△4一玉などと逃げる手もあります。玉方がどのように逃げても詰ませる手があるので、考えてみるとよいでしょう。
詰将棋の手数って?3手詰めって何手なの?
詰将棋には1手で詰むものもあれば、何度も王手して詰ませる問題もあります。詰将棋の手数は、攻方と玉方の指した手の合計数を言います。
例えば、図2-1の詰将棋を解いてみましょう。
図2-1からは▲2二金と1手指すと詰んでしまします。そのため図2-1の詰将棋は1手詰の詰将棋ということができます。
では図2-3の詰将棋は何手詰めの詰将棋になるでしょうか?詰むまでに必要な指し手の合計数を数えてみましょう。
図2-3からは7手指して詰みになりました。そのため図2-3の詰将棋は7手詰の詰将棋と言えます。詰将棋の手数は、攻方の王手の指し手数だけでなく、玉方の手数も含むため注意しましょう。
詰将棋の特殊なルール
玉方は最長手順になるように逃げる
詰将棋のルールのひとつに、玉方は最長手順になるように逃げなければならないというものがあります。例えば、図3-1の詰将棋を解きながら玉方の逃げの手順について考えてみましょう。
図3-1からまずは金で王手をします。次は玉方の指し手になりますが、最長手順になるように逃げる手はどのような手順でしょうか?
図3-2から相手玉が△6二玉と逃げれば、合計3手で詰んでしまいます。これで詰将棋が解けたようにも思えますが、本当にこの手順で正しいのでしょうか?
図3-2から△4二玉と逃げれば、5手詰になります。この場合、玉方は5手詰になるような手順で逃げるのが正しい指し手です。このようになるべく詰みまでの手順が長くなるような指し手を考えていきましょう。
玉方は、盤上にない全ての駒を持ち駒として使える
詰将棋では、玉方は盤上にない全ての駒(玉将を除く)を持ち駒として使うことができます。玉方が持ち駒を使う例として、図4-1の詰将棋を解いてみましょう。
図4-1から▲5一飛成と王手すれば、玉方は逃げ道がないように思えます。しかし、実際には2一の地点に合駒することで、手数を稼ぐことができます。
最後は持ち駒の桂で王手すれば、3手詰めになりました。
無駄な合駒は禁止
詰将棋では、無駄な合駒は禁止とされています。図5-1の詰将棋を解きながら無駄な合駒について解説していきます。
図5-1からは▲2六桂と桂馬を退かして王手します。玉方は合駒をすればまだ粘れそうですが、実はここで合駒するのは無駄な合駒となります。詰将棋では無駄な合駒は禁止なので、図5-2では詰んでいると見なします。そのため図5-1の詰将棋は1手詰の詰将棋といえます。
例えば、図5-2の詰めあがり図から△1八歩などと合駒すれば手数を稼ぐことができます。しかしこの合駒は、香車でそのまま取ることができます。このように攻方が王手している駒でそのまま取れてしまうような合駒を、無駄な合駒と考えます。
玉方が無駄な合駒を続ければ図5-1の詰将棋は15手詰になりますが、このような手順は詰将棋では禁止になります。
簡単な詰将棋にチャレンジ
詰将棋のルールを覚えたら、簡単な詰将棋にチャレンジしてみるとよいでしょう。以下の記事では初心者向けの1手詰を紹介しています。
まとめ
- 攻方と玉方に分かれ、玉方を詰ますことを目指す
- 基本的な指し方は普通の将棋と同じ
- 攻方は連続で王手するような手を指さなければいけない
- 玉方は最長手順になるように逃げなければいけない
- 玉方は盤上にない駒を持ち駒として使える
- 無駄な合駒は禁止
いつも勉強にさせて頂いております。
無駄合いについて質問なのですが教えていただけると幸いです。
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角玉香|←玉方
飛 |
↑ |
攻め方 持ち駒:角
この状態、何手詰めなのでしょうか。
当然4三角、そのあとの3二合駒が無駄合いなのかどうかで揉めました。
無駄合い派「同飛成で合駒の意味が無い。よって1手詰め」
有効合い派「同角成だと詰まない。合駒によって角でされた王手を龍の王手に変えるという選択を強いている。よって3手詰め」
これは面白い例ですね。
無駄な合駒については、(私が探した範囲では)将棋連盟による明確な定義がないため、人によって意見が割れるところだと思います。
私の個人的な見解としては、王手している駒が変わる場合は、無駄な合駒にはならないのではないかと思います。
ただ、この局面は最終的に駒が余った状態で詰むので、『3手詰の詰将棋』ではなく、あくまで『3手で詰ますことができる局面』と捉えるのが妥当かと思います。
無駄な合駒は、そもそも詰将棋特有の概念ですので、ここでは適用されないのかと思います。
(ただ、実戦では3二合という手はいわゆる『棋譜を汚す』粘りの手になると思います)
なるほど!確かに駒余りにもなってしまいますね。無理やり「無駄合いだから1手詰め」としてしまえば駒余りにはならないから、成立するかもしれないと。
こういう、定義とかルールとか、「日本将棋連盟質問箱」みたいなのあったらいいんですけどね。局面を訊ねる投稿が殺到しそうですがw
どうもありがとうございました。