奇襲戦法

筋違い角対策

投稿日: 05/12/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
序盤早々に角交換から▲4五角って打ってくる指し方ありますよね?あの指し方ってどうにか対策できないんですか?いきなり歩を取られちゃって嫌な感じです。
香介
それは筋違い角って戦法だね!初めて見るとぎょっとするかもしれないけど、しっかり対策すればうまく戦えるはずだよ!

今回は、筋違い角戦法に対する対策を解説していきます。

参考棋書:奇襲破り事典

香介
今回の記事はマイナビ出版の「奇襲破り事典」を参考にしたよ!筋違い角以外にもたくさんの奇襲戦法の対策を解説しているんだ!

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歩美
それでは筋違い角の対策に行ってみましょう!

 

YouTubeの動画で学ぶ、筋違い角

香介
今回の記事は動画でも解説しているよ!


歩美
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!

 

筋違い角の基本図

テーマ図

初手からの指し手 ▲7六歩、△3四歩、▲2二角成、△同銀、▲4五角(図1-1)

 

【図1-1 筋違い角の基本図】

【図1-1 筋違い角の基本図】

図1-1は、筋違い角戦法の基本図です。先手は3手目に角交換した後いきなり▲4五角と打ってきました。次に▲6三角成とされては後手が不利になってしまうので6三の地点を守りたいところなのですが、そこで▲3四角と歩を取るのが先手の狙いです。

※今回は後手の立場で解説していくので、盤面を反転させています。

歩美
あっ!これこれ!この指し方が嫌なんです!
香介
ここからは3パターンの対策を解説していくよ!

 

対策①:位取りで角を封じる

△6二銀で馬作りを防ぐ

図1-1からの指し手
△6二銀、▲3四角、△3二金(図2-1)

【図2-1 △6二銀と上がるのがポイント】

【図2-1 △6二銀と上がるのがポイント】

図1-1からは△6二銀として角成りを防いでいくのがポイントです。また▲3四角と歩を取られた後は、△3二金として▲4三角成の手を防いでおくのを忘れないようにしましょう。

腰掛け銀にして4筋の位を取る

図2-1からの指し手
▲6六歩、△6四歩、▲8八銀、△6三銀、▲7七銀、△5四銀、▲6八飛(図2-2)

 

【図2-2 まずは腰掛け銀に構える】

【図2-2 まずは腰掛け銀に構える】

 

まずは腰掛け銀に構えます。先手は▲6六歩と自陣に角を引くスペースを作り、さらに四間飛車に振ってきました。このように筋違い角と四間飛車を組み合わせる指し方はよく出てきます。

香介
ちなみに後手の指し方は、相手が居飛車で駒組みしてきたときも使えるよ!

図2-2からの指し手
△4四歩、▲6七角、△4五歩(図2-3)

【図2-3 4筋の位を取る】

【図2-3 4筋の位を取る】

図2-2からは4筋の位を取りに行きます。これで先手の打った角が狭く、使いづらくなってしまいます。

矢倉囲いに組んでここからの将棋

図2-3からの指し手
▲7五歩、△3三銀、▲4八玉、△4一玉、▲3八玉、△3一玉、▲2八玉、△2二玉、▲3八銀、△5二金、▲5八金右、△4三金、▲1六歩、△1四歩(図2-4)

【図2-4 矢倉囲いに組んでここからの勝負】

【図2-4 矢倉囲いに組んでここからの勝負】

後手は矢倉囲いに組んでここからの将棋になります。後手は角を手持ちにしている分指しやすい展開でしょう。

歩美
ここまでくると後手が指しやすそうですね!

 

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対策②:無理やり振り飛車に

無理やり四間飛車にする

図1-1からの指し手
△6二飛、▲3四角、△4二飛(図3-1)

【図3-1 無理やり四間飛車に組む】

【図3-1 無理やり四間飛車に組む】

筋違い角に対して無理やり四間飛車に組んでいく手順を紹介していきます。本来は筋違い角に対して振り飛車で戦うのはあまりいい形ではありませんが、振り飛車党の方にとっては慣れない居飛車で対策するよりも指しやすいでしょう。

香介
振り飛車党の人にとっては指しやすい手順なんじゃないかな?

△8二銀として相振り飛車に備える

図3-1からの指し手
▲5六角、△8二銀(図3-2)

【図3-2 △8二銀とする】

【図3-2 △8二銀とする】

図3-1から▲5六角と引かれた場合は、△8二銀とするのが良い手です。△7二銀から美濃囲いにするのが自然ですが、その場合は先手に相振り飛車に組まれて玉頭を攻められるのが嫌な手順です。△8二銀として金無双に組んでいくのを狙います。

4筋の位取り

図3-2からの指し手
▲8八銀、△4四歩、▲7七銀、△4五歩(図3-3)

【図3-3 やはり4筋の位取り】

【図3-3 やはり4筋の位取り】

図3-2からはやはり4筋の位を取って相手の角を狭くしておきます。筋違い角に対する4筋の位取りは好手になることが多いです。

相手が居飛車の場合、手損だが美濃囲いに

図3-3からの指し手
▲6八玉、△6二玉、▲4八銀、△7二玉、▲2六歩、△7一銀(図3-4)

【図3-4 相手が居飛車なら美濃囲いに】

【図3-4 相手が居飛車なら美濃囲いに】

図3-3から、相手がもし居飛車で駒組みをして来たら、8二の銀が悪形となってしまいます。そのため手損ですが△7一銀としてから美濃囲いに組み替えていきます。

香介
△7二玉として▲8三角成を防いでから△7一銀としよう!

図3-4からの指し手
▲7八玉、△8二玉、▲6六歩、△7二銀、▲5八金右、△5二金左(図3-5)

【図3-5 美濃囲いが完成】

【図3-5 美濃囲いが完成】

後手は美濃囲いを完成させ、スタンダードな四間飛車に近い駒組みになってきました。

歩美
先手は常に角打ちを気にしながら駒組みしなきゃいけないのに対して後手はのびのびと駒組みできますね!

桂跳ねで位を守る

図3-5からの指し手
▲9六歩、△9四歩、▲2五歩、△4四飛、▲8八玉、△3三桂(図3-6)

【図3-6 桂馬で4筋の位を守る】

【図3-6 桂馬で4筋の位を守る】

後手はさらに飛車を浮き飛車に構え、△3三桂と跳ねて4筋の位を桂馬で守る形にするのが指しやすいでしょう。ここからは石田流に組み替えるような手を狙っていきます。

香介
四間飛車から石田流に組み替える手順は、立石流の指し方も参考になるよ!

 

対策③:相筋違い角で乱戦に

図1-1からの指し手
△5二金右、▲3四角、△6五角(図4-1)

【図4-1 相筋違い角で力戦模様に】

【図4-1 相筋違い角で力戦模様に】

図1-1からはこちらも筋違い角にする指し方があります。この形は力戦模様になっていくので、力戦が得意な方にはオススメの指し方です。なお図1-1からはまず△5二金右としておくのがポイントで、図4-1のあと▲4角成とされる手を防いでいます。

 

まとめ

香介
今回は筋違い角の対策を法を3つ解説したよ!

POINT

  1. 4筋の位を取る指し方
  2. 無理やり四間飛車に組む指し方
  3. 相筋違い角で力戦に
歩美
いろんな対策があるんですね!これでもう筋違い角相手は安心です!

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