奇襲戦法

パックマン戦法の指し方

投稿日: 12/22/2018 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

香介
今回は4四歩パックマンという戦法を紹介するよ!
歩美
パックマンってあのゲームのパックマンですか??変わった名前の戦法があるんですね!

今回は「4四歩パックマン」という戦法を紹介します。この戦法は、いわゆる奇襲戦法の一種なのですが、後手番で使えるのが特長です。

参考棋書:これで万全!奇襲破り事典

香介
今回の記事は、マイナビ出版の「これで万全!奇襲破り事典」を参考にしたよ!パックマンをはじめとした、将棋の様々な奇襲戦法が紹介されているよ!
歩美
それでは、パックマン戦法について学んでいきましょう!

YouTubeの動画で学ぶ、パックマン

香介
今回の記事は動画でも解説しているよ!

歩美
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!

4四歩をパックリ取らせるパックマン

テーマ図

初手からの指し手 ▲7六歩、△4四歩(図1-1)
【図1-1 タダで取られる歩を突く】

【図1-1 タダで取られる歩を突く】

初手に先手が▲7六歩と自然に角道を開けたところで、△4四歩とタダで取られる歩を突くのがパックマン戦法です。先手としては、この歩をパックリとってしまいたくなりますが、これが後手の罠なのです。

※今回は後手の立場でパックマンの指し手を見ていくので、盤面を反転しています。

香介
4四の歩をパックリ取らせるのがパックマンという名前の由来なんだ!ちなみにパックマンは商標登録されている名前だから、NHK等では「4四歩パックリ」という名前で呼ばれることもあるよ!

 

先手が歩を取ってきた場合

香介
まずは先手が後手に応じて歩を取ってきた場合を見ていこう!

飛車を4筋に回る

図1-1からの指し手
▲4四角、△4二飛(図2-1)

【図2-1 飛車を4筋に回る】

【図2-1 飛車を4筋に回る】

先手が歩を取ってきたら、飛車を4筋に回って角取りに当てます。先手が角を逃げれば△4七飛成として龍を作って乱戦に持ち込めます。

角道を開けて角を活用するのがポイント

図2-1からの指し手
▲5三角、△3四歩(図2-2)

【図2-2 角を活用する】

【図2-2 角を活用する】

先手は▲5三角成と角を逃げながら馬を作るのが自然な手ですが、ここですぐに△4七飛成とせずに、まずは△3四歩と角道を開けながら香車取りに当てるのがポイントです。

歩美
後手は大駒を2枚とも活用できる形になっていますね!
香介
ここからの先手の指し手は主に、馬と飛車を交換しに来る場合と、香車取りをいったん受けてくる場合があるよ。順に見ていこう!

 

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先手が飛車を取ってきた場合

香介
まずは図2-2から先手が飛車を取ってきた場合を見ていこう!

△9五角打ちの王手がポイント

図2-2からの指し手
▲4二馬、△同銀、▲8八銀、△9五角(図3-1)

【図3-1 角を打って王手する】

【図3-1 角を打って王手する】

図2-2から先手は馬と飛車を交換してきました。その後香車取りを受けるために▲8八銀と上がったところで△9五角と王手するのがパックマン戦法の定跡となっています。

飛車の横効きが止まれば銀が取れる

図3-1からの指し手
▲4八玉、△8八角成(図3-2)

【図3-2 飛車の横効きが止まる】

【図3-2 飛車の横効きが止まる】

図3-1から先手が玉を逃がせば、飛車の横効きが止まり8八の銀についていたヒモがなくなります。そのため△8八角成と銀をタダで取って後手勝勢です。

歩美
▲6八金みたいに合駒してきたときも同じように銀が取れますね!

▲7七銀と受ければ銀桂香の3枚替え

図3-1 からの指し手
▲7七銀、△同角成右、▲同桂、△同角成(図3-3)

【図3-3 角と銀桂香の交換】

【図3-3 角と銀桂香の交換】

次に 図3-1 から先手が▲7七銀として受けてきた場合を見てみます。このときは、△同角成右と銀を取ってしまう手が成立します。図3-3では次に確実に香車が取れる形になっているので、結果的に角1枚と銀桂香の3枚を交換したことになり、後手が大きく駒得です。

飛車で合駒するのが最善の受け

図3-1 からの指し手
▲7七飛(図3-4)

【図3-4 飛車で合駒する】

【図3-4 飛車で合駒する】

図3-1 から先手は持ち駒の飛車を使って▲7七飛とするのが最善の受けです。しかしここでせっかく手にした飛車を使ってしまうと先手としては面白くない展開です。

香介
ここからは一旦玉の囲いに手を付けて駒組みを進めていく展開が多いよ。

 

龍を作る展開

図2-2 からの指し手
▲8八銀、△4七飛成(図4-1)

【図4-1 龍を作って乱戦模様に】

【図4-1 龍を作って乱戦模様に】

図2-2 に戻って、先手が香取りを受けてきた展開を見てみます。この場合は△4七飛成と龍を作り乱戦模様にしていきます。図4-1以降は一旦△5二金左などと馬をはじいて、美濃囲いに組んでいくのが指しやすいでしょう。

歩美
ここから先は難しそうですね~。でも馬よりも龍の方が使いやすいかも??

 

パックマンの対策は?無視するのが一番!

香介
相手にパックマン戦法を指された時の対策についても簡単に触れておくよ!

図1-1 からの指し手
▲2六歩(図5-1)

【図5-1 パックマンを無視!】

【図5-1 パックマンを無視!】

図1-1 からは、▲4四角と歩を取るのではなく、普通に▲2六歩などと駒組みを進めていけばパックマンの変化にはなりません。パックマンを相手にする地震がない場合は無視してしまうのが一番でしょう。なお後手はここから△3四歩とし、矢倉戦法や四間飛車など他の戦法に合流していきます。

歩美
なるほど!確かにそもそも相手の挑発に乗らなければ嫌な変化は避けられますね!

 

まとめ

香介
パックマン戦法について解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 2手目に△4四歩とするのがパックマン
  • 飛車を4筋に回る
  • 龍を作る前に△3四歩で角道を開ける
  • △9五角打ちで王手
  • パックマン対策は無視が一番

歩美
受け方を知らない相手には快勝できそうです!今度使ってみます!


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【図3-1 角を打って王手する】

【図3-1 角を打って王手する】

【図2-2 角を活用する】

【図2-2 角を活用する】

【図1-1 タダで取られる歩を突く】

【図1-1 タダで取られる歩を突く】