三間飛車

石田流の基本、最初の駒組み

投稿日: 10/26/2019 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
3手目に▲7五歩と突く石田流っていう戦法ありますよね!相手にやられると嫌な戦法ですが、自分でやってみるとうまくいきません…。何かコツみたいなものないんでしょうか?
香介
今回は、初心者でも分かるように石田流の駒組みを解説していこう!なるべく力戦、乱戦にならないような順を解説していくよ!

今回の記事では、石田流の駒組みについて解説していきます。

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参考棋書:石田流の基本―本組みと7七角型

香介
今回の記事は、浅川書房の『石田流の基本―本組みと7七角型』を参考にしたよ!石田流を指してみたい人にオススメの棋書だ!

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歩美
それでは、石田流の駒組みの解説をお願いします!

 

石田流ってどんな戦法?

香介
石田流は大きく分けて、早石田とそれ以外の変化があるよ!今回はこの2つの駒組みのどのように分岐していくのか解説していくよ!

石田流の基本の駒組み

石田流の基本

【図1-1 石田流の基本形】

【図1-1 石田流の基本形】

図1-1は石田流の基本形です。飛車を7六に置くのがポイントで、相手の飛車での攻めを飛車で受けるのが形です。ここからは▲7七桂とする石田流本組みと、▲7七角とする7七角型に分岐していきます。また▲6六歩として角交換を防いでおくのも重要な点です。

早石田の変化!激しい展開に

早石田の変化

【図1-2 早石田の変化】

【図1-2 早石田の変化】

角道を開けたまま駒組みをするのが早石田の変化です。ここからは機を見て角交換をして▲7四歩と攻めていくのが狙いです。

歩美
では、初手からどのように石田流の形を作っていくのか見ていきましょう!

 

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3手目▲7五歩が石田流の出だし!

石田流は先手番の戦法、7筋の歩を伸ばす

テーマ図

【図2-1 3手目▲7五歩が石田流の形】

【図2-1 3手目▲7五歩が石田流の形】

初手に角道を開け、3手目に▲7五歩とするのが石田流の形です。ここから三間飛車に組んでいくのを狙います。なお、石田流は基本的に先手番での戦法なので、後手では使えないことに気をつけましょう。

歩美
よく見る石田流の出だしですね!今回はこの局面から石田流に組む順を見ていきます!

補足
相手が飛車先を突いてきたら…?

【図a-1 飛車先を突かれると…】

【図a-1 飛車先を突かれると…】

相手が2手目に△8四歩としてきた場合、3手目▲7五歩は成立しないので注意しましょう。4手目に△8五歩と突かれた時に次の△8六歩の受けが難しくなります。

2手目△8四歩に対しては、3手目▲7八飛と飛車を回っておき、相手の手によってはノーマル三間飛車を目指すのがいいでしょう。

角道をふさいで角交換を防ごう

図2-1からの指し手
△4二玉、▲6六歩(図2-2)

【図2-2 角交換を防ぐ】

【図2-2 角交換を防ぐ】

石田流に組むときは、早めに▲6六歩と突いて、角道を閉じましょう。相手から角交換してくる手を封じることで、安全に駒組みを進められます。

△8四歩には▲7八飛!浮き飛車で受ける

図2-2からの指し手
△8四歩、▲7八飛(図2-3)

【図2-3 △8四歩に対しては▲7八飛】

【図2-3 △8四歩に対しては▲7八飛】

相手が△8四歩と飛車先の歩を突いてきたら、▲7八飛と飛車を振りましょう。石田流を指すなら、△8四歩~▲7八飛はセットで覚えておきましょう。

図2-3からの指し手
△8五歩、▲7六飛(図2-4)

【図2-4 飛車を浮いて受ける】

【図2-4 飛車を浮いて受ける】

相手が飛車先の歩を伸ばして来たら、▲7六飛と飛車を浮きましょう。これで次の△8六歩を受けるのが石田流の形です。

香介
飛車を浮いて構えるのが石田流の形だね!ここからは石田流本組みを目指すのが基本だよ!

補足
角交換する形

【図b-1 角交換からの乱戦】

【図b-1 角交換からの乱戦】

角道を閉じずに駒組みを進めると、相手から角交換され△4五角と打たれる筋が発生します。この形になっても先手が悪いわけではなく互角の形勢ですが、乱戦、力戦になるため初心者にはあまりお勧めできません。

なお、相手が△4二玉としていなかった場合は▲7六角と打って次に▲4三角成を狙う切り返しがあります。

 

後手が居すぐ飛車先を突いてきたら?早石田の変化に!

△8四歩には…?角道を開けて駒組み

図2-1 からの指し手
△8四歩(図3-1)

【図3-1 居玉で飛車先を突いてきたら?】

【図3-1 居玉で飛車先を突いてきたら?】

図2-1 から別の変化を見ていきます。先ほどは相手は一旦△4二玉として間合いをはかってきましたが、今度はいきなり△8四歩と飛車先を伸ばしてきました。次は飛車を回る手と角道をふさぐ手が見えますが、どちらが良いでしょう。

香介
ここからは序盤の変化を見ていこう!相手が早めに飛車先を伸ばしてきた場合は激しい変化になりやすいから注意だよ!

図3-1からの指し手
▲7八飛(図3-2)

【図3-2 △8四歩にはやはり▲7八飛】

【図3-2 早石田の変化に突入】

△8四歩には▲7八飛とするのが鉄則です。相手が素早く攻撃の態勢を作ってきた場合は、こちらも攻めの形を作りうまくさばいていく順を狙っていきましょう。この局面からは、「早石田」という激しい変化に分岐していきます。

升田式石田流の構えをとる!一気に力戦に

図3-2からの指し手
△8五歩、▲4八玉(図3-3)

【図3-3 早石田の構えに】

【図3-3 早石田の構えに】

図3-2から相手が飛車先を伸ばして来たら、一気に捌きを狙っていきます。ここからは「升田式石田流」という、早石田の一種の激しい変化に突入していきます。

歩美
升田式石田流の変化については以下の記事で詳しく解説しています!

補足
菅井流早石田の変化

【図b-1 菅井流早石田の変化】

【図c-1 菅井流早石田の変化】

△8五歩に対して▲7六飛と飛車を浮く順も有力な変化です。図c-1からは△8八角成、▲同銀、△6五角とされた後、先手がいかに対応していくかがテーマになります。互角の局面になりますが、高度で難解な変化が多いため初心者にはあまりお勧めできません。

なお、相手がここで△4二玉などと指せば▲6六歩と角道を閉じて通常の石田流の変化に合流します。

角交換には▲7六角の切り返しが!

図3-2 からの指し手
△8八角成、▲同銀、△4五角(図3-4)

【図3-4 角交換から△4五角の変化は?】

【図3-4 角交換から△4五角の変化は?】

今度は 図3-2 から相手が角交換をして△4五角と打ってきた場合を見ていきます。次に△6七角成と△2七角成の2通りの手を狙っています。一見すると受けがないようですが、どうでしょうか?

歩美
これじゃあ相手に馬を作られちゃいます!

図3-4からの指し手
▲7六角(図3-5)

【図3-5 ▲7六角の切り返し】

【図3-5 ▲7六角の切り返し】

△4五角に対しては▲7六角の切り返しがあります。この後△2七角成、▲4三角成と進めば先手がわずかに有利な局面になります。先手は相手玉に近いところに馬を作れているところがポイントです。

 

まとめ

香介
今回は石田流の駒組みの基本を解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 3手目▲7五歩から三間飛車に振るのが石田流
  • 早めに角道を閉じて角交換を防ぐ
  • 相手が飛車先を伸ばして来たら飛車を浮いて受ける
  • 相手がすぐに飛車先の歩を伸ばしてきた早石田の変化に
歩美
石田流の駒組みがよくわかりました!

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【図2-1 3手目▲7五歩が石田流の形】

【図2-1 3手目▲7五歩が石田流の形】

【図3-2 早石田の変化に突入】

【図3-2 早石田の変化に突入】