今回の記事では、実戦でなかなか見ることのないマイナーな囲いを紹介します。
アヒル囲い
図1-1は「アヒル囲い」といい、中住まいのような陣形の囲いです。金銀の打ち込みがないのが特徴で、とにかく大駒を切ってでも攻めをつなげる順を狙います。またこの囲いを使った戦法をアヒル戦法と言い、いわゆる奇襲戦法の一つです。
音無しの構え
銀冠穴熊のような囲いですが、角道を開けずに組むのが「音無しの構え」です。角道を開けないために隙ができにくいのが特徴です。ここからは引き角にして使っていくのが基本です。
多伝囲い(銀多伝)
図1-3は「銀多伝」という囲いです。2枚落ちの下手が使う囲いで、定跡化されています。平手で見ることはほとんどありませんが、稀に使われることも…
串カツ囲い
居飛車穴熊の玉と香の位置が逆転したものが「串カツ囲い」です。玉を相手の角の利きから外している意味がありますが、端攻めに対してかなり弱くなってしまっています。
ちょんまげ美濃
美濃囲いの2筋の歩を突いた形を「ちょんまげ美濃」といいます。居飛車と見せかけて振り飛車に構える陽動振り飛車という作戦で使われますが、2筋の歩は傷にしかならないため、ケアしたいところです。
坊主美濃
ちょんまげ美濃の2筋の歩がなくなってしまった囲いを「坊主美濃」といいます。ちょんまげ美濃以上に弱体化しています。
無敵囲い(最強囲い)
図1-7の囲いを「無敵囲い」といいます。将棋を覚えたての人が自己流で囲いを組むとこの形状になりがちです。全く持って無敵ではなく、強い囲いとはいい難いですが、いつまでたっても初心者を卒業できずにこの囲いを愛用する人を皮肉って無敵囲いという名がついています。「最強囲い」と呼ばれることもあります。漫画、「ハチワンダイバー」でこの名称が使われ、広まるきっかけとなりました。