将棋の攻防は、基本的には駒を取り合うことです。今回は、将棋初心者のために、駒を取り合う時に考えなければならない攻め方や守り方の基礎を解説します。
駒が取られそうなときの受け方
まずは守りの基本を見ていきます。図1-1は今にもこちらの金が取られそうになっています。このときどのようにして金を守ればよいのでしょうか?持ち駒の歩にも注目です。
- かわす
- 合駒する
- ヒモをつける
かわして受ける
まず、一番基本的な守り方は取られそうな駒を動かしてかわすことです。かわす場所はもちろん4七や6六でも構いません。
合駒で受ける
次は合駒の受けを見ていきましょう。飛車で取られそうな金を歩で蓋をしてしまいます。飛車は他の駒を飛び越えて動くことができないので、これで金を守ることができました。なおこのように他の駒で蓋をすることを「合駒(あいごま)」といいます。
ヒモをつけて受ける
最後は少しトリッキーな守りを見ていきます。図1-1から▲5八歩と打つことで金を守ることができるのです。このような状況を「歩で金にヒモをつける」といいます。
たとえば図1-4から相手が無理やり金を取ってきても、図1-5のように歩で取り返すことができます。飛車は金よりも価値の高い駒なので、これで駒得できました。
図a-1を見てください。先ほどと似た局面ですが、どのように守るのが良いでしょう?今度は持ち駒に歩がなく、銀しかないことに注意してください。
たとえば図a-1から▲5六銀と銀で合駒してしまうと、金を守ることができますが、代わりに銀が取られてしまいます。銀が取られても香車を取り返せますが、銀は香車より価値が高いため駒損です。合駒するときは相手の攻め駒より安い駒を使いましょう。
また▲5八銀のようにヒモをつけるのも良い手とは言えません。次に金を取られたあと香車を取り返しても駒損になってしまうからです。ヒモをつける受けは、相手の攻め駒が高い駒のときに成り立つと覚えておきましょう。
相手の駒を取るときの基本
浮き駒を狙うのが基本
図2-1では相手の2枚の桂馬が盤上にあります。相手の桂馬は動くことができない状況にありますが、どちらの桂馬を狙いに行きましょうか?
図2-1からは左側の桂馬を狙いに行くのが正解です。右の桂馬はすでに歩でヒモが付いているため、狙いに行くのは得策ではありません。ヒモが付いていない駒のことを「浮き駒(うきごま)」といいますが、将棋の攻めは基本的に浮き駒を狙っていくのがセオリーです。
両取りなら必ず駒が取れる
次に図2-3の局面から相手の駒を取る方法を考えてみましょう。普通に飛車を打っても相手に逃げられてしまいそうですが、どのようにするのが良いでしょう?
▲3四飛と打つのが良い手です。これは次に銀を取る手と金を取る手狩り、相手はこれらを同時に防ぐことができません。このように2枚以上の駒を同時に取れるような手を「両取り(りょうとり)」といいます。
まとめ
- 守りには、「かわす」「合駒する」「ヒモをつける」の3つがある
- 攻めるときは浮き駒を狙うのが基本