将棋初心者の方にとって、終盤戦をしっかり勝ち切るのは非常に難しいことです。簡単な1手詰めや3手詰めでも、実戦になると見逃してしまうことはよくあると思います。
「金はトドメに残せ」というのは、将棋の格言の一つで、金を相手玉を詰ませるトドメのコマに使うとよいという意味です。
目次
参考棋書:「将棋・詰みの基本手筋」
頭金は一番基本的な詰みの形!
まずは基本の詰めあがり図をチェック
図1-1は、頭金の基本形となります。金と歩の2枚だけの駒で相手玉が詰んでしまっているのがわかりますか?このように、金を使って詰ませるのは実戦でもよく出てくる形です。
図1-1で、もしも5二の金が銀だった場合は詰みにはなりません。金と銀は動きが似ている駒ですが、こういった違いがあることに注意しましょう。
頭金に似ている詰みの形も一緒に覚えよう
図1-3は頭金の形ではありませんが、よく似た形なので一緒に覚えましょう。銀が縦に2枚並んだ形も詰みとなります。
また金と銀を組み合わせた図1-4のような詰みの形も実戦では頻出です。
実戦でよく現れる頭金の詰み筋
連続の頭金で相手玉を下段に落とす
まずは図2-1の詰将棋を解いてみましょう。
これは▲5三金、△4一玉、▲4二金として詰みです。
金はトドメに残すのが基本
図3-1の詰将棋を解いてみましょう。
答えは▲5三銀、△4一玉、▲4二金となります。
金を最後に残すのがポイントで、銀を残してしまうと図3-3のように逃げられてしまいます。
一度上に引っ張ってから頭金で詰ます
図4-1の詰将棋を解いてみましょう。
まずは▲5二金と捨てるのがポイントです。
後手はこれに△同玉と取るよりありませんが、ここから▲5三金、△4一玉、▲4二金で詰みです。
捨て駒で頭金の形に誘導
図5-1の詰将棋を解いてみましょう。
初手は▲3一銀と王手するのが正解です。
相手玉は△1二玉とすれば▲2二金で詰んでしまうので、△同玉としますが、結局▲3二金の頭金で詰んでしまいます。
金を補充しながら詰ます
図6-1の詰将棋を解いてみましょう。
初手は▲2一飛成と金を取るのが正解です。
後手はこれに対して△同玉とするよりありませんが、▲2二金と頭金で詰みとなります。
復習問題で詰みのパターンをマスター!
問題1:いろいろな手筋の組み合わせ
▲5二と、△同玉、▲5三銀、△4一玉、▲4二金まで5手詰み
この問題は、金を補充する手筋、連続の頭金で詰ませる手筋、金をトドメに残す手筋を組み合わせます。
初手は▲5二ととして金を補充します。
最後は2枚の金銀で詰ませます。
問題2:金銀を打つ順番は?
▲5二金、△同玉、▲5三銀、△6三玉、▲6四金まで5手詰み
まず初手は▲5二金から入ります。ここで▲5二銀としてしまうと△6二玉と逃げられて続きません。
▲5二金に△同玉と取らせたら次は▲5三銀と銀を打ちます。一見△6三玉と逃げられると詰みがないようですが、▲6四金がぴったりです。
問題3:穴熊を詰ませよう!
▲2二龍、△同玉、▲2三銀、△3一玉、▲3二金として5手詰み
初手に王手するためには▲2二龍とするしかありません。
相手玉は△同玉と応じますが、そこからは金をトドメに残して▲2三銀、△3一玉、▲3二金と打っていけば詰みとなります。
まとめ
- 連続の頭金
- 金はトドメに残す
- 上に引っ張り上げてから頭金
- 捨て駒で頭金の形に誘導
- 金を補充してから頭金
頭金をはじめとした詰みの形やパターンを知っておくことは、終盤力強化の近道です。北浜健介先生の「将棋・詰みの基本手筋」は、実戦形式で詰みの形を覚えられる詰将棋の問題集で、初心者にもわかりやすい解説されている良書です。終盤力の基本をしっかり学びたい方は是非読んでみてください。