将棋のマナーについて解説します。基本的には相手の嫌がるようなことをしなければマナー違反とはなりませんが、将棋ならではの独特なマナーもありますので一度目を通しておくとよいでしょう。
はじめとおわりに挨拶をする
対局前に「よろしくお願いします。」対局後に「ありがとうございました。」と挨拶をしましょう。今はオンライン将棋などが普及し挨拶をせずに将棋を指すことも多いかと思いますが、実際に人と顔を合わせて対局するときはしっかりと挨拶するのが基本です。
また、対局に負けたときに「参りました。」「負けました。」としっかり宣言するのも大切なマナーです。真剣勝負に負けるのは大変悔しいもので、はっきり負けましたというのは多少抵抗がありますが、これもマナーの内です。
待ったをしない
自分の手を指した後でやっぱり指し直すというのはマナー以前にルール違反です。
友達や家族同士で将棋を指すときには、「待った」に対してそこまで厳しくしない場合もあります。ただし、大会や道場などで将棋を指すときは、「待った」は重大なマナー違反(ルール違反)ですので気を付けましょう。
なお、一度駒に手を触れて、動かす前に元に戻すというのは「待った」ではないためルール上問題ありませんが、良いマナーとは言えません。
持ち駒は相手の見えるように置く
これもマナーというよりはルール違反です。
持ち駒は相手からちゃんと見えるように駒台の上に置いておきましょう。
アドバイスをしない
対局している人に第三者がアドバイスをするのは厳禁です。今指している手に対しての助言はもちろんマナー違反ですが、数手戻って「さっきはもっと良い手があった」などというのもよくありません。
もしなにか対局者に教えたい手があったら、対局がすべて終わった後に伝えるようにしましょう。
感想戦をする
対局が終わったら、感想戦をするのがマナーです。お互いに良かった手、悪かった手を教え合いましょう。
また最近では、オンラインでの将棋対局の人口割合が増えてきていると思います。81dojoなどの一部のサイトではチャット機能を利用した感想戦ができますが、感想戦をせずにチャットを離脱することはマナー違反とはなりません。インターネット独自の作法といえましょう。
ただし感想戦をするのは、棋力の向上にも大変役立つので、感想戦ができる場では積極的に行うのがよいでしょう。
「王手」って言うべき?
将棋のルールでは、王手をかけたときに「王手」と口に出して言わなければいけないという規定はありません。また、「王手」と言わないことがマナー違反ということもありません。
ただし、初心者同士の対局では、相手が王手に気が付かないこともよくあるので、毎回「王手」と口に出していった方が対局が面白くなるかもしれません。
「不成」はマナー違反?
将棋のルールでは、駒を成るかどうかは自由になっています。銀や桂馬や香車は、成ってしまうと駒の動きが変わってしまうため、わざと成らないのも戦略のうちです。しかし、飛車、角、歩の3枚は、基本的に成った方が強力なので、成れる条件では成るのが基本です。
こういった飛車、角、歩をわざと成らないのはルール上は問題ありませんが、マナーとしてはあまりよくないとされています。こういった駒を成らないのはわざと手を抜いていると見なされるからです。不成のマナーについては、独特なマナーのために知らない人もかなりいらっしゃいますが、気にされる人も多いので飛車、角、歩は特別な理由がなければ成るようにしましょう
「将棋のマナー」と言うなら、相手を客観的な根拠もなく非難することこそ問題でしょう。あまつさえ角不成を指されて負けた者が、相手の名手を貶すなど勝負の世界に生きる者にあるまじき潔くない言動だと思います。勝者が自らの手を無礼だなんて言うはずもなく、当事者の負け惜しみでなければ野次馬が自らの主観をつぶやいているに過ぎない戯れ言です。