四間飛車

四間飛車の基本、最初の駒組み

投稿日: 12/01/2018 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
今回はいよいよ戦法を覚えるんですね!戦法をやるんですか!?
香介
今回は「四間飛車」という戦法を解説してくよ!初心者が最初に覚えるのにうってつけの戦法だ!

四間飛車は、将棋初心者の方にオススメの戦法です。指し方や方針がわかりやすいうえに、将棋の基本的な考え方を効率よく生べる戦法です。

特に将棋のルールと指し方が分かってきたばかりの初心者の方は、これを覚えるだけで一気に実力が上がりますよ!

四間飛車の定跡まとめへ戻る

参考棋書:四間飛車を指しこなす本

香介
今回は河出書房新社の「四間飛車を指しこなす本」を参考にしたよ!四間飛車党のバイブルとも呼ばれる本で、初心者~有段者まで使える一冊だ!
歩美
それではここから私たちと一緒に四間飛車を学んでいきましょう!

YouTubeの動画で学ぶ、四間飛車

香介
今回の記事は動画でも解説しているよ!

歩美
サイトで学んだ内容を動画で復習すればバッチリですね!

四間飛車って?振り飛車って?

香介
今回は「四間飛車」という戦法を学んでいくよ!
歩美
四間飛車……一体どんな戦法なんですか?
香介
四間飛車について説明する前に、まずは「居飛車」と「振り飛車」について説明しよう!

居飛車と振り飛車

将棋の戦法は、大きく分けると「居飛車」と「振り飛車」の2種類になります。これら居飛車と振り飛車の違いは、飛車を左に動かすかどうかです。下の図は居飛車の例と振り飛車の例となります。

【図1-1 居飛車の例、居角左美濃】

【図1-1 居飛車の例、居角左美濃】

【図1-2 振り飛車の例、向かい飛車】

【図1-2 振り飛車の例、向かい飛車】

上の2つの図は、ちょうど飛車の位置と玉の位置が左右反転したような形になっていますね。居飛車とは、飛車を最初の位置から動かさずに活用していく戦法で、振り飛車は飛車を左側に動かしてから活用していく戦法となります。また飛車を左に動かす手を「飛車を振る」と呼んだりします。

香介
飛車は将棋で一番強力な駒だ!その飛車をどうやって活用していくかによって戦法も変わっていくってことなんだ。

四間飛車は振り飛車の一種

四間飛車の基本の形は図1-3のようになります。飛車の位置が左から数えて4マス目にありますね。このように4マス目の位置に飛車を振る戦法を「四間飛車」と呼びます。四間飛車は振り飛車の最も基本的な戦法で、初心者にもオススメです。

【図1-3 四間飛車の基本形】

【図1-3 四間飛車の基本形】

歩美
なるほど~!4マス目に飛車がいるから四間飛車ってわけですね!

 

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強くなる!四間飛車の基本的な指し方

香介
じゃあここからいよいよ四間飛車の指し方を見ていこう!
歩美
はい!いよいよ本格的に将棋を学んでいく感じですね!
香介
今回は序盤の陣形を組むところを見ていくよ。ちなみに序盤の陣形組み立てのことを「駒組み」なんて呼んだりするよ。

まずは角道を開けてから飛車を振る

初手からの指し手
▲7六歩、△8四歩(図2-1)

【図2-1 まずは角道を開ける】

【図2-1 まずは角道を開ける】

四間飛車では、最初は角道を開けるのが一般的な駒組みです。どうせ四間飛車にするならいきなり▲6八飛としてもあまり変わりませんが、相手になるべく作戦を悟られないように▲6八飛は保留しているという意味もあります。

図2-1からの指し手
▲6八飛(図2-2)

【図2-2 飛車を振って四間飛車に】

【図2-2 飛車を振って四間飛車に】

ここで▲6八飛として飛車を振りました。これで四間飛車の形になります。

歩美
これが四間飛車の形なんですね!わざわざ飛車を横に動かしてから使うなんてちょっと強い人っぽくてカッコいいですね!

 

相手が飛車先を伸ばしてきたら角で受ける

図2-2からの指し手
△8五歩(図2-3)

【図2-3 後手は飛車先の歩を伸ばす】

【図2-3 後手は飛車先の歩を伸ばす】

後手は△8五歩として飛車を使おうとしてきました。このように飛車の前にある歩を前進させる手を「飛車先の歩を伸ばす」と呼びます。相手が飛車先の歩を伸ばしてきたとき、四間飛車から必ず指さなければならない手があります。

香介
次の手は絶対に忘れないようにしよう!四間飛車を指すうえでの超重要ポイントだ!

図2-3からの指し手
▲7七角(図2-4)

【図2-4 角で守る】

【図2-4 角で守る】

相手が飛車先の歩を伸ばして来たら▲7七角とするのが四間飛車の定跡です。これで相手の飛車の働きを封じることができます。

歩美
え!?どういうことですか!??これだけで相手の飛車が封じれるんでしょうか…?
香介
確かにこれだけじゃわかりにくいね。じゃあまずは▲7七角としなかった場合にどうなってしまうか見てみよう!
【図2-4' 飛車を使って攻めてくる】

【図2-4' 飛車を使って攻めてくる】

図2-3から、▲7七角に代わり、▲6六歩と指した場合を考えてみましょう。すると後手はすかさず△8六歩と指してきます。実はこの時点で、先手が大きく劣勢になっているのです。

【図2-4'' 後手が龍を作るのを防げない】

【図2-4'' 後手が龍を作るのを防げない】

図2-4'から▲同歩、△同飛と進むと、後手が次に飛車を成って龍を作るのが防げなくなります。これで後手が優勢になってしまうのです。

しかし、もしも図2-4''で自分の角が7七の位置にいたらどうでしょう?相手の飛車を取れてしまいます。これが▲7七角として相手の飛車の働きを封じるということの意味だったのです。

歩美
なるほど!!角が7七にいれば△8六歩、▲同歩、△同飛という攻めがなくなるんですね!!

 

角交換は拒否する

図2-4 からの指し手
△3四歩(図2-5)

【図2-5 相手が角道を開けてきたら?】

【図2-5 相手が角道を開けてきたら?】

後手は、飛車で攻め込んでいく手はとりあえず諦めて、今度は角を活用しようと角道を開けてきました。ここでも四間飛車は忘れてはならない手があります。

香介
次の1手も超重要だ!よく覚えておこう!

図2-5からの指し手
▲6六歩(図2-6)

【図2-6 角交換を拒否】

【図2-6 角交換を拒否】

相手が角道を開けてきたら▲6六歩とするのが定跡です。これはこちらの角道をふさぐ手になります。

歩美
えー!これだとこっちの角が動けなくなっちゃいますよ!?
【図2-6'' 角交換になる】

【図2-6' 角交換になる】

もし図2-5から▲6六歩とせず、▲4八玉などとしたら、すかさず△7七角成として角を取られてしまいます。これに対しては▲同桂として角交換になるのですが、後手からさらに追撃があります。

【図2-6'' 後手の飛車が止められない】

【図2-6'' 後手の飛車が止められない】

△8六歩として飛車を活用されると、これを止める手がなくなります。四間飛車側は7七に角を置くことで後手からの飛車の攻めを守っているので、角交換されてはいけないのです。

香介
四間飛車では角交換されないように指すのが鉄則だ!
歩美
そうそう!▲7七角として飛車からの攻めを守ってるんでしたね!

 

四間飛車の基本形が完成!

図2-6からの指し手
△6二銀、▲7八銀(図2-7)

【図2-7 銀を上がって基本形に】

【図2-7 銀を上がって基本形に】

先手は▲7八銀と銀を上げれば四間飛車の基本形が完成します。

香介
これで四間飛車の基本の形が完成だ!

 

囲いを作ってみよう!基本の美濃囲い!

歩美
四間飛車の基本の形を覚えました!次はどうすればいいんでしょうか?
香介
次はとりあえず守りの形を覚えよう!将棋では玉将の守りのことを「囲い」というよ!
【図3-1 美濃囲い】

【図3-1 美濃囲い】

図3-1は、四間飛車での基本の囲いとなる「美濃囲い」です。少ない手数で囲うことができ、横からの攻めに強いのが特長です。

香介
次回の記事では四間飛車での囲いについて詳しく解説していくよ!

次回の記事はこちら

 

まとめ

香介
今回は四間飛車の基本の駒組みを説明したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 相手が飛車先の歩を伸ばして来たら▲7七角とする
  • 角交換は拒否する
歩美
とにかく角を7七の位置でキープさせるんですね!
香介
その通り!では次回からは四間飛車の囲いについて、組み方と特徴を説明していこう!

次回の記事はこちら

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【図2-4 角で守る】

【図2-4 角で守る】