矢倉戦法

相矢倉の駒組み

投稿日: 04/05/2020 更新日:

キャラクターイラスト:さゆ吉様

歩美
前の記事では、矢倉囲いの組み方を勉強しましたね!
香介
今回の記事では、お互いに矢倉囲いを組んでいく相矢倉という形を見ていこう!初手からの基本的な駒組みを見ていくよ!

今回の記事では、相矢倉の基本的な駒組みである24手組という定跡を解説していきます。

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参考棋書:矢倉の基本 駒組みと考え方

香介
今回の記事は、マイナビ出版の「矢倉の基本 駒組みと考え方」を参考にしたよ!

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歩美
それでは、相矢倉の指し方を教えてください!

YouTubeの動画で学ぶ、矢倉戦法定跡

ゼロから始める将棋研究所のYouTubeチャンネルでは、動画で矢倉戦法の定跡を学べます。動画の内容は、ブログ記事とほとんど同じものとなっています。

香介
動画で気軽に勉強してもいいし、ブログ記事で読みたいところだけかいつまんでみるのもいいね!

歩美
まずは動画で学習して、ブログ記事で復習するのもおすすめです!

 

相矢倉の基本形

相矢倉の基本形

【図1-1 矢倉24手組】

【図1-1 矢倉24手組】

図1-1は、相矢倉の基本的な形で、先手と後手がお互いに矢倉囲いを目指しています。図1-1の局面に至るまでは初手から24手かかり、1手1手が定跡化されていて矢倉24手組と呼ばれています。ただし、必ず正しい手順で指さなければいけないというわけではなく、あくまで相矢倉に至る基本的な指し方の一つと考えてください。

香介
今回はこの24手組を中心に解説していくよ!矢倉囲いの基本的な組み方については、以下の記事も参考にしてみてね!

 

矢倉の基本24手組って?囲い方と定跡

▲6八銀として飛車先を突く手に備える

初手からの指し手
▲7六歩、△8四歩、▲6八銀(図2-1)

【図2-1 △8五歩に備える】

【図2-1 △8五歩に備える】

まず、初手から先手は角道を開けて、後手は飛車先を突きました。相手が飛車先を突いてきたら、▲6八銀と上がっておくのが基本です。これは△8五歩と飛車先を突いてこられた時に、▲7七銀として飛車先を受けられるようにしておくためです。

5手目は▲6六歩が主流

図2-1からの指し手
△3四歩、▲6六歩(図2-2)

【図2-2 5手目は▲6六歩が主流】

【図2-2 5手目は▲6六歩が主流】

後手が△3四歩と角道を開けて来たら、▲6六歩として角道を閉じるのが基本です。これは角交換を防ぐ意味があります。なお▲6六歩の代わりに▲7七銀としても角交換を防ぐことができ、この手もよく指されています。

香介
▲6六歩とすると右四間飛車に弱くなってしまう代わり、銀を6八の位置で駒組みを進めるから相手が中飛車に振ってくるような展開には強くなるよ!

5筋の歩を突き合って、将来的な角の活用を図る

図2-2からの指し手
△6二銀、▲5六歩、△5四歩(図2-3)

【図2-3 5筋の歩を突き合う】

【図2-3 5筋の歩を突き合う】

相矢倉に進むときは、5筋の歩を突き合います。これは、将来的に角を▲7九角(後手なら△3一角)と引いたときに、角のラインを通す狙いがあります。

カニ囲いが完成

図2-3からの指し手
▲4八銀、△4二銀、▲5八金右、△3二金、▲7八金、△4二玉、▲6九玉(図2-4)

【図2-4 先手のカニ囲いが完成】

【図2-4 先手のカニ囲いが完成】

先手は、矢倉囲いを組む途中の段階として、カニ囲いを完成させました。もしも後手がここから急戦を仕掛けてくれば、カニ囲いのまま戦いになることもあります。

図2-4からの指し手
△7四歩、▲6七金、△5二金(図2-5)

【図2-4 後手もカニ囲いを作る】

【図2-5 後手もカニ囲いを作る】

さらに手を進めて、後手も遅れてカニ囲いを完成させました。

歩美
矢倉囲いに組む前には、カニ囲いを経由するんでしたよね!

矢倉囲いの骨格を作る

図2-5からの指し手
▲7七銀(図2-6)

【図2-6 矢倉囲いの骨格が完成】

【図2-6 矢倉囲いの骨格が完成】

先手は、手を進めて金銀の陣形を矢倉の形にしていきました。ここから玉を8八まで入城させれば矢倉囲いの完成となります。

24手組の完成

図2-6からの指し手
△3三銀、▲7九角、△3一角、▲3六歩、△4四歩(図2-7)

【図2-7 矢倉24手組の完成】

【図2-7 矢倉24手組の完成】

さらに手を進めて、矢倉24手組の形が完成しました。相矢倉に組むときは必ずこの手順で指さなければいけないわけではありませんが、指し方の参考にはなると思います。

香介
この24手組が相矢倉の基本形になるんだ!ここからはこの形からの指し手の方針をいくつか簡単に紹介するよ!

 

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24手組からの指し手の方針は?

基本の攻めは?▲3七銀戦法

図2-7 からの指し手
▲3七銀(図3-1)

【図3-1 ▲3七銀戦法】

【図3-1 ▲3七銀戦法】

矢倉24手組の基本形、 図2-7 からの指し手の一例を見ていきます。ここから▲3七銀とするのが「▲3七銀戦法」という形で、相矢倉での基本的な指し方になります。

香介
矢倉戦法を指すなら、この▲3七銀戦法を中心におぼえていくのがオススメだよ!

角をぶつける!脇システム

図3-1からの指し手
△6四角、▲4六角(図3-2)

【図3-2 脇システムの駒組み】

【図3-2 脇システムの駒組み】

▲3七銀戦法の形から、角をぶつけあう駒組みを「脇システム」と言います。いつでも角交換できる状態で駒組みを進めていくのが特徴で、どのタイミングで角を手持ちにするのかがカギになります。

相手の出方を見て後出しジャンケンを狙う、森下システム

図2-7 からの指し手
▲6八角、△4三金、▲7九玉(図3-3)

【図3-3 森下システムの駒組み】

【図3-3 森下システムの駒組み】

矢倉24手組の基本形、 図2-7 から囲いを急ぐ指し方を「森下システム」と言います。攻めの形を決めずに相手の出方を伺うのが特徴です。

香介
相手の狙いを見ながら指し方を決める、後出しジャンケンみたいな狙いがあるよ!

 

早囲いの組み方

▲7八金を後回しにして矢倉囲いを目指す

図2-3 からの指し手
▲4八銀、△4二銀、▲5八金右、△3二金、▲6七金、△4一玉、▲7七銀(図4-1)

【図4-1 早囲いの駒組み】

【図4-1 早囲いの駒組み】

図2-3 まで戻り、矢倉24手組以外の駒組みを紹介していきます。▲7八金と指す手を後回しにするのが特徴で、「早囲い」と呼ばれている駒組みです。

香介
早囲いはアマチュアにも人気の駒組みだよ!

1手早く矢倉囲いが完成!

図4-1からの指し手
△5二金、▲7九角(図4-2)

【図4-2 角引きで玉の入城ルートを作る】

【図4-2 角引きで玉の入城ルートを作る】

角を▲7九角と引いて、玉を矢倉囲いに入城させるルートを作ります。矢倉24手組の駒組みでは金が7八にいるため、入城するにはさらに▲6八角と指す必要があります。

図4-2からの指し手
△7四歩、▲6八玉、△3三銀、▲7八玉、△3一角、▲8八玉(図4-3)

【図4-3 玉を入城させる】

【図4-3 玉を入城させる】

玉を8八玉まで移動させて、囲いの中に入れます。

図4-3からの指し手
△4四歩、▲7八金(図4-4)

【図4-4 最後に▲7八金で囲いが完成】

【図4-4 最後に▲7八金で囲いが完成】

最後に▲7八金と締まれば矢倉囲いの形が完成します。早囲いの駒組みでは、▲6八角と指す手を省くことができるため、1手早く囲いを完成させることができます。

歩美
早囲いの駒組みなら、1手お得に矢倉囲いを組めるんですね!

早囲いに対して、相手が急戦に…

図4-2 からの指し手
△7四歩、▲6八玉、△6四歩、▲7八玉、△7三桂(図4-5)

【図4-5 早囲いを咎める急戦策】

【図4-5 早囲いを咎める急戦策】

図4-2 まで戻り、早囲いに対して相手が工夫してきた場合を見ていきます。相手は素早く桂馬を跳ねて急戦を狙っていきます。

図4-5からの指し手
▲8八玉、△8五桂、▲8六銀、△6五歩(図4-6)

【図4-6 ▲同歩と取ることができない】

【図4-6 ▲同歩と取ることができない】

相手が素早く桂馬を跳ねてきて、早囲い側が指しにくい展開になってしまいました。△6五歩と突いてきた手に対して、▲同歩と取ると相手の角のラインに玉が入ってしまいます。早囲いでは6九の金が浮き駒になるため、速攻されるのが弱点になります。

歩美
早囲いにもデメリットがあるんですね!!

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まとめ

香介
今回は相矢倉の駒組みを解説したよ!ポイントをまとめよう!

POINT

  • 24手組の駒組みが基本
  • 24手組からは▲3七銀から攻めの形を作る
  • 早囲いという、1手得する駒組みも
歩美
相矢倉の基本方針がわかりました!

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【図2-7 矢倉24手組の完成】

【図2-7 矢倉24手組の完成】

【図2-3 5筋の歩を突き合う】

【図2-3 5筋の歩を突き合う】

【図4-2 角引きで玉の入城ルートを作る】

【図4-2 角引きで玉の入城ルートを作る】